概要
戦闘に至るまでの背景
レイディックは、
バルド国との同盟は拒否したものの、
デスレーダとの会見以後、彼の心の中に乱世を統一させるという火が付いた事は確かであった。
父親の代より国境を挟んでにらみ合っていた
ロッド国との本格的な衝突が始まったのもこの時期である。
そこで、まずは隣国の小国である
ゴアル国を平定して、
ロッド国に備えるべく、この時ついに
レイディックは本格的に軍勢を差し向け、国主の急死により内乱状態になっていると聞いた
ゴアル国へと向かった。
その出陣準備の最中、
レイディックの元に客人が訪れる。森の賢者と呼ばれた
エルフの
エルラディースであった。
レイディックは幼い時に国主になるべき英才教育を受けるため、
ソフィス、
アリガルを供としてこの賢者の下で教育を受けていた。その時共に私塾にいた孤児
サファリア(後の
レイディック婦人)をつれてやってきた
エルラディースは、今まさに戦いに出ようとする教え子達に教訓を残していた。
だが、森の賢者を持ってしても知らないことがあった、ほぼ同時刻、戦う相手である
ゴアル国内で政権交代が行われ、同じ教え子であった
フィリスが国主となっていたことを。
両軍の戦力
戦闘経緯
ゴアル国は、守りやすいリイラード地帯に軍勢を布陣して待ち構えていた。
しかし、
ロードレア国軍は不利な地形を逆利用する作戦をとる。最初に
アリガルが突撃を仕掛け、傾斜になっている地帯を駆け上がる。初戦こそ勢いで敵軍を押すが、
バヌス隊の到着によって徐々に押し戻されていく
アリガル部隊。勢いにのった
バヌス部隊は傾斜を駆け下りる勢いに乗って
アリガル部隊を追撃する。しかしそこに待ち構えたのは
レイディック、
ザロ、
ファリア部隊による完全な包囲網であった。
傾斜を駆け下りた
バヌス部隊は勢いが止まり、反転することもできず四方から攻撃を受けて壊滅、
バヌスはかろうじて撤退するが、この戦いで
ゴアル国軍の主力部隊がいくつか壊滅した。
その翌日、再びにらみ合いとなった両軍だが、お互いに本陣の位置を変えつつ戦火を交えることはなかった。だが、その日の夜、
バヌスは新たに与えられた部隊を率いて密かに迂回ルートから
ロードレア国軍に近づくと、夜襲を仕掛ける。
しかし、そこには無人の陣と旗が残るだけであった。驚く
バヌスに襲い掛かる四方からの火矢。残されたテントにはたっぷりと油が染み込んでいた為、この火計によって
バヌスは再び軍勢を失った。
そして三日目の朝となる12月24日。霧が晴れると同時に
ロードレア国軍が新たに構えた本陣から出陣、正面から激突するかと思われたが、その戦いの直前、
ゴアル国の国主
フィリスが自ら
ロードレア国本陣に向かって降伏を申し込む。
あまりにも拍子抜けしたこの結末ではあったが、
レイディックは
ゴアル国の
フィリスを見て驚愕する。
ゴアル国では、前国王の急死による内乱状態から、数日前にようやく落ち着き、
フィリスがかろうじて国をまとめていた。彼は
エルラディースの私塾における
レイディックの先輩にあたり、この戦いで
レイディックの力量を確かめた後、国を託せると確信、降伏する決意をしたのだ。
この決定を不服とした
バヌスは戦場から離れるが、主だった将、そして何よりも
ゴアル国の民衆は、混乱した国をまとめてくれた
フィリスの決断ならばと、これに賛同することとなった。
戦いの結末
たった一度の戦いで、小国とはいえ一国を支配下とした
レイディックの名前は、一気に大陸中に響き渡ることとなる。
最終更新:2011年11月28日 16:23