ルディックの陣

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&bold(){概要} ---- ルディックの陣とは、[[蜉蝣時代]]の戦乱の中で、[[アルファ]]711年1月、[[ベルザフィリス]]国軍と[[ロー・レアルス]]国軍の間に起きた戦いである。 [[蜉蝣時代]]の終幕を告げる、最後の戦いとなった。 &bold(){戦闘に至るまでの背景} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/map/711-01.JPG,left) ▲711年1月における勢力図 天下分け目の[[ヴァイグの戦い]]に勝利を収めた[[ベルザフィリス]]国軍は、[[ガイヴェルド]]を先頭に凱旋した。 この勝敗は、一つの戦いの勝敗とは、意味も重みも違っていた。 次の時代の覇者がどちらであるかを明白としたものであり、事実、この一戦を境目に、[[ロー・レアルス]]国の各都市は、[[ベルザフィリス]]国への内応を申し込み、[[ロー・レアルス]]国からの要請には露骨なサボタージュを決め込んだ。 だが、これで戦乱が終わる……という訳ではなかった。 [[ベルザフィリス]]国は、[[ディグド]]、[[ギザイア]]を中心とした和平派と呼ばれる派閥が出来つつあった。彼らは[[ロー・レアルス]]国を滅ぼさず、このまま均衡状態を維持して外交によって平和的に二国共存をもって戦乱の時代を終わらせるという主張を持っていた。 それに対して二国の共存は、いずれ禍根を作るかもしれないという理由から、あくまでも[[ベルザフィリス]]国の天下統一にこだわる[[ガイヴェルド]]、[[ディルセア]]、[[バイアラス]]を中心とした交戦派が正面より対立する。 その一方、国主を失った[[ロー・レアルス]]国も同様の火種を抱えていた。 [[メファイザス]]亡き後、[[ロー・レアルス]]国は[[ベルザウス]]、[[ルー]]、[[ドゥバ]]、[[リヴァドル]]の4人を中心としつつ、それを[[グローリヴァス]]、[[ロードレア]]国滅亡後にその配下となった[[メネヴァ]]達が補佐して統治していた。 彼ら個々の能力と人徳もあり、比較的まとまっていたこの時代を、国主不在の[[ロー・レアルス]][[将星将軍]]統率時代と呼ぶ。 その彼らにしても、外交により生き残る道を探そうとする[[ベルザウス]]、[[グローリヴァス]]の和平派、徹底抗戦を訴える[[ドゥバ]]達交戦派が存在していたが、元々彼らに選択の余地がなかったこともあり、[[ベルザフィリス]]国の対立とは違い、彼らはとりあえず団結していた。 710年の秋、この年から徐々にこの地方に寒波が襲い始める。 各地で不作が続き、食料を失った[[ロー・レアルス]]領土の村人が、国境を越えて[[ベルザフィリス]]国領土の村を襲った。これを鎮圧するべく[[ベルザフィリス]]国の国境守備部隊が動き、[[ロー・レアルス]]領土の村を攻め滅ぼす。 これに怒った部隊が動き始め、両国は上層部の意向を無視して臨戦態勢となる。 こうなると、最早時代の流れが彼らを動かしていると自らを納得させ、両国の交戦派が動き出し、[[ベルザフィリス]]国軍は[[ロー・レアルス]]国軍を完全に沈黙させる最後の決戦へと出陣した。 迎え撃つ[[ロー・レアルス]]国は、かつて[[ルディック]]国の首都であり、この大陸を一度は統治していた[[ルディック城]]を最後の拠点として、全軍を集結させた。 ここに、[[ルディックの陣]]が幕を開ける。 全ての始まりは、[[ルディック]]国の[[バルディゴス]]が起こした戦いからであった。 そして幕を開けた[[蜉蝣時代]]、その決着をつける最後の戦いが、再び[[ルディック城]]だったことは人の成した足跡を皮肉る悪戯か…… 三路から進入してくる[[ベルザフィリス]]国軍に対して、とりあえず防衛陣を敷くものの、最初から要害の[[ルディック城]]に誘い込むしかない[[ロー・レアルス]]国軍は、ある程度足止めだけすると軍勢を徐々に下げて城へと集結させた。 &bold(){両軍の戦力} ---- |>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''攻撃側''|BGCOLOR(#cccccc):|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''守備側''| |>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/beruzafirisu.PNG)&br()[[ベルザフィリス]]国軍|CENTER:''軍勢''|>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/ro-rearusu.PNG)&br()[[ロー・レアルス]]国軍| |>|>|>|>|CENTER:総兵力270000|CENTER:''兵力''|>|>|>|>|CENTER:総兵力96000| |>|>|>|>|CENTER:[[ガイヴェルド]]|CENTER:''総指揮''|>|>|>|>|CENTER:[[ベルザウス]]([[将星将軍]])| |>|>|>|>|CENTER:[[ディルセア]]|CENTER:''軍師''|>|>|>|>|CENTER:[[ルー]]([[将星将軍]])| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''主要参戦者''| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/gaiverudo.JPG,width=55,height=68)&br()[[ガイヴェルド]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/delirusea.JPG,width=55,height=68)&br()[[ディルセア]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/renilira.JPG,width=55,height=68)&br()[[レニィラ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/baiarasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[バイアラス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/rideli.JPG,width=55,height=68)&br()[[リディ]]||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/beruzausu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ベルザウス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/ruu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ルー]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/0.JPG,width=55,height=68)&br()[[リヴァドル]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/guroorivasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[グローリヴァス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/zorudesuku.JPG,width=55,height=68)&br()[[ゾルデスク]]| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/virugasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ヴィルガス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/ragobezasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ラゴベザス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/deligudo.JPG,width=55,height=68)&br()[[ディグド]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/gizaia.JPG,width=55,height=68)&br()[[ギザイア]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/romi.JPG,width=55,height=68)&br()[[ロミ]]||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/meneva.JPG,width=55,height=68)&br()[[メネヴァ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/fakuto.JPG,width=55,height=68)&br()[[ファクト]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/doluba.JPG,width=55,height=68)&br()[[ドゥバ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/garuda.JPG,width=55,height=68)&br()[[ガルダ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/0.JPG,width=55,height=68)&br()[[シリナ]]| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/siruvisu.JPG,width=55,height=68)&br()[[シルヴァス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/rivairusia.JPG,width=55,height=68)&br()[[リヴァイルシア]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/si-vasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[シーヴァス]]||||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/nodolu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ノードゥ]]||||| &bold(){前哨戦} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/70.JPG,left) この戦いで、[[ガイヴェルド]]は[[ディルセア]]を変わらず軍師として抜擢したが、その兵力は明らかに減少されていた。 [[ディルセア]]は、既にこの時自分が[[ガイヴェルド]]の元で出来ることは終わった事を悟っていた。 1月20日、[[ベルザフィリス]]国軍の一部隊が近隣の村で略奪行為を行い、村に火を放った。その煙は[[ルディック城]]に布陣する[[ロー・レアルス]]国軍にもはっきりと見え、これに怒った[[メネヴァ]]が、自身の部隊と周囲の部隊を結集させて2万の兵力で出陣、[[ヴィルガス]]部隊と戦闘状態となる。 &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/71.JPG,left) しかし、そこには[[リディ]]部隊、[[ギザイア]]部隊が集結し、誘い込まれた[[メネヴァ]]部隊は兵力を失うわけにもいかずすぐさま後退する。だがこれを逃がさずに追撃する[[ベルザフィリス]]国軍、結局[[メネヴァ]]は緒戦から大事な兵力を失い、[[ベルザウス]]の救援により漸く後退する。 &bold(){1月21日 北東区の戦斗} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/73.JPG,left) 翌日、今度は[[ヴィルガス]]、[[リディ]]部隊が[[メネヴァ]]の陣に総攻撃を仕掛け、「北東区の戦斗」が開幕する。 今度は[[ベルザウス]]も、[[ギザイア]]部隊の攻撃に対処しなければならず、[[メネヴァ]]を援護することが出来ない。 結局[[メネヴァ]]は、数倍の兵力を擁する[[リディ]]、[[ヴィルガス]]を相手に奮戦するものの、部隊は壊滅して彼も戦死する。 序盤の戦いでなんとしても極地的な勝利を収めて士気を上げたかった[[ロー・レアルス]]国軍にとって手痛い敗戦であった。 この後、[[ベルザウス]]は陣地を放棄し、一旦城に戻って再び軍議を開く。 1月22日、[[ルディック城]]内で軍議が開かれた。 この時、[[ルー]]の元に内通を促す使者がやってきたが、誰もそのような流言に乗ることはなかった。出身も目的も異なり、中にはかつて敵同士だった者もいる、にもかかわらず、[[将星将軍]]は驚くほど協調がとれていた。 それが、滅びの美学を完成させようとする将たちの本能だったのかどうかはわからない。 軍議では、城外に機動部隊を配置し、極地的な勝利を重ねていくことで戦線を混乱させ、相手の部隊間に隙を作らせるという結論に達した。その機動部隊に志願したのが[[グローリヴァス]]であり、[[ルー]]がこれを援護する事となる。 [[レイディック]]が戦死した[[シャリアル遠征]]のとき、この二人は包囲する側とされる側であった、にも関わらず、乱世が成せる技か、二人の間には友情が生まれていた。 だが、[[ルー]]自身敵の出現場所によって臨機応変に動かなければならず、[[グローリヴァス]]を援護することは不可能だと悟っていた。[[グローリヴァス]]もそれを承知の上で死を覚悟しての志願であった。 すぐに出陣した[[グローリヴァス]]部隊と、[[リヴァイルシア]]部隊の交戦により「北区の戦斗」が開幕する。 [[グローリヴァス]]部隊の動きは凄まじく、[[リヴァイルシア]]は第一陣が全滅、しかし、第二陣、三陣と控える[[ベルザフィリス]]国軍に対して、[[グローリヴァス]]部隊はたった1部隊で連戦しなくてはならなかった。 そして同じ頃、[[ルー]]は[[ディルセア]]部隊と交戦していた。 [[ディルセア]]虎の子と呼ばれた最強の騎馬部隊に対して、[[ルー]]は槍隊を駆使して戦い、大陸に名を轟かせた[[ディルセア]]の騎馬部隊も無傷な者は一人もいないところまで追い詰められていた。 結局[[ディルセア]]部隊はおびただしい屍を残して後退する。 &bold(){1月23日 南区の戦斗} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/74.JPG,left) しかし、1月23日、「南区の戦斗」が始まり、[[シルヴァス]]、[[レニィラ]]、[[バイアラス]]の総攻撃によって[[リヴァドル]]が戦死、続く24日に[[ディグド]]、[[ラゴベザス]]の波状攻撃によって、ついに[[グローリヴァス]]部隊も壊滅、彼も壮絶な戦死を遂げる。 両軍は一旦後退し、補給と軍議を行った。 補給といっても、[[ロー・レアルス]]国軍に補充する兵力は存在せず、特攻前の最後の休息にも近かった。 &bold(){1月27日 ルディック城落城} ---- 1月27日、両軍は最後の激突を繰り広げた。 だがこの戦いは、[[ガイヴェルド]]の最後の戦いにしてはあまり出来のよいものではなかった。 それは、もはや特攻して、華々しい散り花を咲かす道しか残されていない[[ロー・レアルス]]国軍と、勝利後の恩賞を考え始め、最後の最後まできたこの局面で戦死するのはあまりにも惜しいと考える[[ベルザフィリス]]国軍の、決戦に対する姿勢の違いの現れであった。 [[ルー]]は7人の影武者を駆使して神出鬼没の戦いを見せ、[[ベルザフィリス]]国軍を混乱させると、[[ガイヴェルド]]本陣に突撃、本陣の旗は倒れ、[[ガイヴェルド]]自身馬に乗り剣を振るう所まで追い詰められていた。 戦いながら日付は変わり1月28日、[[シーヴァス]]、[[レニィラ]]、[[シルヴァス]]、[[バイアラス]]部隊の総攻撃により[[ルディック城]]は炎に包まれていた。 城内の決戦で、[[ベルザウス]]、[[シリナ]]、[[ガルダ]]、[[ドゥバ]]は戦死し、[[ファクト]]、[[ゾルデスク]]、[[ノードゥ]]は城を包む炎の中に身を投げた。 城が燃えるのを見た[[ルー]]は、闇夜に紛れて一旦姿を消すと、早朝に[[ガイヴェルド]]本陣に向かって特攻を仕掛けた。 この時、[[ルー]]と共に駆け抜けた騎馬は108騎。一人、また一人と討たれる中、ひたすら彼らは[[ガイヴェルド]]本陣を目指した。この突撃に対して[[ベルザフィリス]]国軍は、ほとんど防衛が機能しなかった。それは[[ルディック城]]も落ち、天下統一が成し遂げた今、勝利の美酒を飲みかける寸前で何故命を捨てなければならないのかという自己保身のためである。 たった一人、この突撃を本気で食い止めようとしていた[[リディ]]も、腕を斬られて負傷、この傷は思ったより深く、彼女は二度と槍をもてなくなる。 しかし、神憑りな突撃も、たった108人ではやがて限界が訪れた。同日昼過ぎ、[[ルー]]の戦死をもって、ルディックの戦いは完全に終わりを遂げた。 &bold(){戦いの結末} ---- [[ベルザフィリス]]によって統一されたこの土地にようやく平穏な日々が訪れた。 [[ガイヴェルド]]は、[[ルディック城]]を再建すると、そこを新首都(後に帝都)とし、各地に功績のあった将軍を領主として派遣した。 かつて[[ルディック]]帝国が、領地を各区に別けたのとは異なり、独自の法体勢などは一切認めず、あくまでも[[ベルザフィリス]]国法のみで統一し、領主としてその土地の発展を任されることとなった将軍達。 だが、[[ディルセア]]は新領土の授与を辞退し、隠居を申し出た。 [[ガイヴェルド]]もこれを止める事なく、すんなりと承諾。こうして[[ディルセア]]は、全ての肩書きを捨てて再び旅人となり歴史の表舞台から姿を消す。 この頃、天下を統一した諸将は新たな領土でそれぞれの乱世の後始末に入っていた。 [[バイアラス]]は、家族や、一兵卒時代から苦楽を共にした友人達と栄華を楽しみ、[[リディ]]は[[アレス]]の墓を作り、武器を捨てると相変わらずの無口さで治世に務めた。 [[ギザイア]]は、完全に互いを憎む関係になっていた[[シーヴァス]]にあえて不毛の土地を与えると、彼が反乱せざるをえないところまで追い詰めて、後顧の憂いなく彼を討ち取った。 [[ディグド]]は、かつて[[シャリアル]]国に仕えていた頃の領土を貰うと、妻子を殺した[[メスロー]]の一族を見つけ出し、報復として皆殺しとした。 [[ラゴベザス]]は、[[デイロード]]の墓参りをすませると、[[デイロード]]の遺児を連れて隠居。故郷の村へと戻り、そこで昔の様に畑を耕す生活を送った。 [[ヴィルガス]]は、ようやく手にした平穏な日々を楽しみ、治世に務め、[[レニィラ]]は養子を貰い、子育てという新たな戦いに四苦八苦しながら領土を統治していった。 [[蜉蝣時代]]は終わりを告げ、大きな戦いは終わったが、この後、[[国崩れの乱]]が勃発し、更に大寒波の到来により、あれだけの戦乱を経て、ようやく手に入れたこの地を、自ら捨てなければならない日がくることとなる。 &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/zairyou/50.GIF,left)
&bold(){概要} ---- ルディックの陣とは、[[蜉蝣時代]]の戦乱の中で、[[アルファ]]711年1月、[[ベルザフィリス]]国軍と[[ロー・レアルス]]国軍の間に起きた戦いである。 [[蜉蝣時代]]の終幕を告げる、最後の戦いとなった。 &bold(){戦闘に至るまでの背景} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/map/711-01.JPG,left) ▲711年1月における勢力図 天下分け目の[[ヴァイグの戦い]]に勝利を収めた[[ベルザフィリス]]国軍は、[[ガイヴェルド]]を先頭に凱旋した。 この勝敗は、一つの戦いの勝敗とは、意味も重みも違っていた。 次の時代の覇者がどちらであるかを明白としたものであり、事実、この一戦を境目に、[[ロー・レアルス]]国の各都市は、[[ベルザフィリス]]国への内応を申し込み、[[ロー・レアルス]]国からの要請には露骨なサボタージュを決め込んだ。 だが、これで戦乱が終わる……という訳ではなかった。 [[ベルザフィリス]]国は、[[ディグド]]、[[ギザイア]]を中心とした和平派と呼ばれる派閥が出来つつあった。彼らは[[ロー・レアルス]]国を滅ぼさず、このまま均衡状態を維持して外交によって平和的に二国共存をもって戦乱の時代を終わらせるという主張を持っていた。 それに対して二国の共存は、いずれ禍根を作るかもしれないという理由から、あくまでも[[ベルザフィリス]]国の天下統一にこだわる[[ガイヴェルド]]、[[ディルセア]]、[[バイアラス]]を中心とした交戦派が正面より対立する。 その一方、国主を失った[[ロー・レアルス]]国も同様の火種を抱えていた。 [[メファイザス]]亡き後、[[ロー・レアルス]]国は[[ベルザウス]]、[[ルー]]、[[ドゥバ]]、[[リヴァドル]]の4人を中心としつつ、それを[[グローリヴァス]]、[[ロードレア]]国滅亡後にその配下となった[[メネヴァ]]達が補佐して統治していた。 彼ら個々の能力と人徳もあり、比較的まとまっていたこの時代を、国主不在の[[ロー・レアルス]][[将星将軍]]統率時代と呼ぶ。 その彼らにしても、外交により生き残る道を探そうとする[[ベルザウス]]、[[グローリヴァス]]の和平派、徹底抗戦を訴える[[ドゥバ]]達交戦派が存在していたが、元々彼らに選択の余地がなかったこともあり、[[ベルザフィリス]]国の対立とは違い、彼らはとりあえず団結していた。 710年の秋、この年から徐々にこの地方に寒波が襲い始める。 各地で不作が続き、食料を失った[[ロー・レアルス]]領土の村人が、国境を越えて[[ベルザフィリス]]国領土の村を襲った。これを鎮圧するべく[[ベルザフィリス]]国の国境守備部隊が動き、[[ロー・レアルス]]領土の村を攻め滅ぼす。 これに怒った部隊が動き始め、両国は上層部の意向を無視して臨戦態勢となる。 こうなると、最早時代の流れが彼らを動かしていると自らを納得させ、両国の交戦派が動き出し、[[ベルザフィリス]]国軍は[[ロー・レアルス]]国軍を完全に沈黙させる最後の決戦へと出陣した。 迎え撃つ[[ロー・レアルス]]国は、かつて[[ルディック]]国の首都であり、この大陸を一度は統治していた[[ルディック城]]を最後の拠点として、全軍を集結させた。 ここに、[[ルディックの陣]]が幕を開ける。 全ての始まりは、[[ルディック]]国の[[バルディゴス]]が起こした戦いからであった。 そして幕を開けた[[蜉蝣時代]]、その決着をつける最後の戦いが、再び[[ルディック城]]だったことは人の成した足跡を皮肉る悪戯か…… 三路から進入してくる[[ベルザフィリス]]国軍に対して、とりあえず防衛陣を敷くものの、最初から要害の[[ルディック城]]に誘い込むしかない[[ロー・レアルス]]国軍は、ある程度足止めだけすると軍勢を徐々に下げて城へと集結させた。 &bold(){両軍の戦力} ---- |>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''攻撃側''|BGCOLOR(#cccccc):|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''守備側''| |>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/beruzafirisu.PNG)&br()[[ベルザフィリス]]国軍|CENTER:''軍勢''|>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/ro-rearusu.PNG)&br()[[ロー・レアルス]]国軍| |>|>|>|>|CENTER:総兵力270000|CENTER:''兵力''|>|>|>|>|CENTER:総兵力96000| |>|>|>|>|CENTER:[[ガイヴェルド]]|CENTER:''総指揮''|>|>|>|>|CENTER:[[ベルザウス]]([[将星将軍]])| |>|>|>|>|CENTER:[[ディルセア]]|CENTER:''軍師''|>|>|>|>|CENTER:[[ルー]]([[将星将軍]])| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''主要参戦者''| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/gaiverudo.JPG,width=55,height=68)&br()[[ガイヴェルド]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/delirusea.JPG,width=55,height=68)&br()[[ディルセア]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/renilira.JPG,width=55,height=68)&br()[[レニィラ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/baiarasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[バイアラス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/rideli.JPG,width=55,height=68)&br()[[リディ]]||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/beruzausu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ベルザウス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/ruu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ルー]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/0.JPG,width=55,height=68)&br()[[リヴァドル]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/guroorivasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[グローリヴァス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/zorudesuku.JPG,width=55,height=68)&br()[[ゾルデスク]]| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/virugasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ヴィルガス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/ragobezasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ラゴベザス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/deligudo.JPG,width=55,height=68)&br()[[ディグド]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/gizaia.JPG,width=55,height=68)&br()[[ギザイア]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/romi.JPG,width=55,height=68)&br()[[ロミ]]||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/meneva.JPG,width=55,height=68)&br()[[メネヴァ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/fakuto.JPG,width=55,height=68)&br()[[ファクト]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/doluba.JPG,width=55,height=68)&br()[[ドゥバ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/garuda.JPG,width=55,height=68)&br()[[ガルダ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/0.JPG,width=55,height=68)&br()[[シリナ]]| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/siruvisu.JPG,width=55,height=68)&br()[[シルヴァス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/rivairusia.JPG,width=55,height=68)&br()[[リヴァイルシア]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/si-vasu.JPG,width=55,height=68)&br()[[シーヴァス]]||||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/busyou/kao/nodolu.JPG,width=55,height=68)&br()[[ノードゥ]]||||| &bold(){前哨戦} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/70.JPG,left) この戦いで、[[ガイヴェルド]]は[[ディルセア]]を変わらず軍師として抜擢したが、その兵力は明らかに減少されていた。 [[ディルセア]]は、既にこの時自分が[[ガイヴェルド]]の元で出来ることは終わった事を悟っていた。 1月20日、[[ベルザフィリス]]国軍の一部隊が近隣の村で略奪行為を行い、村に火を放った。その煙は[[ルディック城]]に布陣する[[ロー・レアルス]]国軍にもはっきりと見え、これに怒った[[メネヴァ]]が、自身の部隊と周囲の部隊を結集させて2万の兵力で出陣、[[ヴィルガス]]部隊と戦闘状態となる。 &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/71.JPG,left) しかし、そこには[[リディ]]部隊、[[ギザイア]]部隊が集結し、誘い込まれた[[メネヴァ]]部隊は兵力を失うわけにもいかずすぐさま後退する。だがこれを逃がさずに追撃する[[ベルザフィリス]]国軍、結局[[メネヴァ]]は緒戦から大事な兵力を失い、[[ベルザウス]]の救援により漸く後退する。 &bold(){1月21日 北東区の戦斗} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/73.JPG,left) 翌日、今度は[[ヴィルガス]]、[[リディ]]部隊が[[メネヴァ]]の陣に総攻撃を仕掛け、「北東区の戦斗」が開幕する。 今度は[[ベルザウス]]も、[[ギザイア]]部隊の攻撃に対処しなければならず、[[メネヴァ]]を援護することが出来ない。 結局[[メネヴァ]]は、数倍の兵力を擁する[[リディ]]、[[ヴィルガス]]を相手に奮戦するものの、部隊は壊滅して彼も戦死する。 序盤の戦いでなんとしても極地的な勝利を収めて士気を上げたかった[[ロー・レアルス]]国軍にとって手痛い敗戦であった。 この後、[[ベルザウス]]は陣地を放棄し、一旦城に戻って再び軍議を開く。 1月22日、[[ルディック城]]内で軍議が開かれた。 この時、[[ルー]]の元に内通を促す使者がやってきたが、誰もそのような流言に乗ることはなかった。出身も目的も異なり、中にはかつて敵同士だった者もいる、にもかかわらず、[[将星将軍]]は驚くほど協調がとれていた。 それが、滅びの美学を完成させようとする将たちの本能だったのかどうかはわからない。 軍議では、城外に機動部隊を配置し、極地的な勝利を重ねていくことで戦線を混乱させ、相手の部隊間に隙を作らせるという結論に達した。その機動部隊に志願したのが[[グローリヴァス]]であり、[[ルー]]がこれを援護する事となる。 [[レイディック]]が戦死した[[シャリアル遠征]]のとき、この二人は包囲する側とされる側であった、にも関わらず、乱世が成せる技か、二人の間には友情が生まれていた。 だが、[[ルー]]自身敵の出現場所によって臨機応変に動かなければならず、[[グローリヴァス]]を援護することは不可能だと悟っていた。[[グローリヴァス]]もそれを承知の上で死を覚悟しての志願であった。 すぐに出陣した[[グローリヴァス]]部隊と、[[リヴァイルシア]]部隊の交戦により「北区の戦斗」が開幕する。 [[グローリヴァス]]部隊の動きは凄まじく、[[リヴァイルシア]]は第一陣が全滅、しかし、第二陣、三陣と控える[[ベルザフィリス]]国軍に対して、[[グローリヴァス]]部隊はたった1部隊で連戦しなくてはならなかった。 そして同じ頃、[[ルー]]は[[ディルセア]]部隊と交戦していた。 [[ディルセア]]虎の子と呼ばれた最強の騎馬部隊に対して、[[ルー]]は槍隊を駆使して戦い、大陸に名を轟かせた[[ディルセア]]の騎馬部隊も無傷な者は一人もいないところまで追い詰められていた。 結局[[ディルセア]]部隊はおびただしい屍を残して後退する。 &bold(){1月23日 南区の戦斗} ---- &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/kagerousenki/monogatari/map/74.JPG,left) しかし、1月23日に「南区の戦斗」が始まり、[[シルヴァス]]、[[レニィラ]]、[[バイアラス]]の総攻撃によって[[リヴァドル]]が戦死、続く24日に[[ディグド]]、[[ラゴベザス]]の波状攻撃によって、ついに[[グローリヴァス]]部隊も壊滅、彼も壮絶な戦死を遂げる。 両軍は一旦後退し、補給と軍議を行った。 補給といっても、[[ロー・レアルス]]国軍に補充する兵力は存在せず、特攻前の最後の休息にも近かった。 &bold(){1月27日 ルディック城落城} ---- 1月27日、両軍は最後の激突を繰り広げた。 だがこの戦いは、[[ガイヴェルド]]の最後の戦いにしてはあまり出来のよいものではなかった。 それは、もはや特攻して、華々しい散り花を咲かす道しか残されていない[[ロー・レアルス]]国軍と、勝利後の恩賞を考え始め、最後の最後まできたこの局面で戦死するのはあまりにも惜しいと考える[[ベルザフィリス]]国軍の、決戦に対する姿勢の違いの現れであった。 [[ルー]]は7人の影武者を駆使して神出鬼没の戦いを見せ、[[ベルザフィリス]]国軍を混乱させると、[[ガイヴェルド]]本陣に突撃、本陣の旗は倒れ、[[ガイヴェルド]]自身馬に乗り剣を振るう所まで追い詰められていた。 戦いながら日付は変わり1月28日、[[シーヴァス]]、[[レニィラ]]、[[シルヴァス]]、[[バイアラス]]部隊の総攻撃により[[ルディック城]]は炎に包まれていた。 城内の決戦で、[[ベルザウス]]、[[シリナ]]、[[ガルダ]]、[[ドゥバ]]は戦死し、[[ファクト]]、[[ゾルデスク]]、[[ノードゥ]]は城を包む炎の中に身を投げた。 城が燃えるのを見た[[ルー]]は、闇夜に紛れて一旦姿を消すと、早朝に[[ガイヴェルド]]本陣に向かって特攻を仕掛けた。 この時、[[ルー]]と共に駆け抜けた騎馬は108騎。一人、また一人と討たれる中、ひたすら彼らは[[ガイヴェルド]]本陣を目指した。この突撃に対して[[ベルザフィリス]]国軍は、ほとんど防衛が機能しなかった。それは[[ルディック城]]も落ち、天下統一が成し遂げた今、勝利の美酒を飲みかける寸前で何故命を捨てなければならないのかという自己保身のためである。 たった一人、この突撃を本気で食い止めようとしていた[[リディ]]も、腕を斬られて負傷、この傷は思ったより深く、彼女は二度と槍をもてなくなる。 しかし、神憑りな突撃も、たった108人ではやがて限界が訪れた。同日昼過ぎ、[[ルー]]の戦死をもって、ルディックの戦いは完全に終わりを遂げた。 &bold(){戦いの結末} ---- [[ベルザフィリス]]によって統一されたこの土地にようやく平穏な日々が訪れた。 [[ガイヴェルド]]は、[[ルディック城]]を再建すると、そこを新首都(後に帝都)とし、各地に功績のあった将軍を領主として派遣した。 かつて[[ルディック]]帝国が、領地を各区に別けたのとは異なり、独自の法体勢などは一切認めず、あくまでも[[ベルザフィリス]]国法のみで統一し、領主としてその土地の発展を任されることとなった将軍達。 だが、[[ディルセア]]は新領土の授与を辞退し、隠居を申し出た。 [[ガイヴェルド]]もこれを止める事なく、すんなりと承諾。こうして[[ディルセア]]は、全ての肩書きを捨てて再び旅人となり歴史の表舞台から姿を消す。 この頃、天下を統一した諸将は新たな領土でそれぞれの乱世の後始末に入っていた。 [[バイアラス]]は、家族や、一兵卒時代から苦楽を共にした友人達と栄華を楽しみ、[[リディ]]は[[アレス]]の墓を作り、武器を捨てると相変わらずの無口さで治世に務めた。 [[ギザイア]]は、完全に互いを憎む関係になっていた[[シーヴァス]]にあえて不毛の土地を与えると、彼が反乱せざるをえないところまで追い詰めて、後顧の憂いなく彼を討ち取った。 [[ディグド]]は、かつて[[シャリアル]]国に仕えていた頃の領土を貰うと、妻子を殺した[[メスロー]]の一族を見つけ出し、報復として皆殺しとした。 [[ラゴベザス]]は、[[デイロード]]の墓参りをすませると、[[デイロード]]の遺児を連れて隠居。故郷の村へと戻り、そこで昔の様に畑を耕す生活を送った。 [[ヴィルガス]]は、ようやく手にした平穏な日々を楽しみ、治世に務め、[[レニィラ]]は養子を貰い、子育てという新たな戦いに四苦八苦しながら領土を統治していった。 [[蜉蝣時代]]は終わりを告げ、大きな戦いは終わったが、この後、[[国崩れの乱]]が勃発し、更に大寒波の到来により、あれだけの戦乱を経て、ようやく手に入れたこの地を、自ら捨てなければならない日がくることとなる。 &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/zairyou/50.GIF,left)

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