嵐の夜の読書

池澤夏樹 『嵐の夜の読書』 みすず書房 2010.4

毎日新聞の「今週の書評」を集めたもの

1999
『ヴァインランド』 ピンチョン 軽いノリの中に隠されている思い核 県立 8階壁書架908セ2-11 市立書庫 大学908.Se22.2-11
『パラダイス』 モリスン アメリカの原理が見えてくる小説 県立 7F外国文学933モ 市立書庫
『宙返り(上・下)』 大江健三郎 「終末」に対向する想像力とトポス 県立 7F日本文学オオ1-2 913.6オオ1-2
『銀河の道 虹の架け橋』 大林太良 知力の基本的な働きを思い出す快感 県立 8F社会科学388オ
『アレクサンドリア』 ロンドー 魅力的な都市の楽しいエッセー 県立 8F人文科学242ロ

2000
『ドキュメント沖縄返還交渉』 三木健 30年後に実感する歴史的アイロニー 8F社会科学319.1ミ
『我々はなぜ戦争をしたのか 米国・ベトナム 敵との対話』 東大作 両国の本音をあらわにする対話 8F人文科学223.1ヒ
『舞踏会へ向かう三人の農夫』 パワーズ 20世紀という時代を描く重量級の小説 県立 市立 大学933.7P87
『アフリカの世界 音楽学者のおもしろフィールドワーク』 塚田健一 人間の知恵のとんでもない奥深さ
『聞書アフリカン・アメリカン文化の誕生 カリブ海域黒人の生きるための闘い』 ミンツ 奴隷制を生きた人々が継承し創造した 県立 8F人文科学259ミ
『アメリカ帝国への報復』 ジョンソン 横暴な帝国と衛星国の行方は 県立 9F
『天使の記憶』 ヒューストン ヨーロッパの受難をテーマに 県立 市立953ヒ
『ザ・ビートルズ・アンソロジー』 しなやかな権力奪取、溌剌たる無血革命 県立 9F 市立D764ザ
『極北の迷宮 北極探検とヴィクトリア朝文化』 谷田博幸 社会の肖像を描くく 県立

2001
『天皇の戦争責任』 加藤ほか 論戦で解く戦後日本精神史の最大課題 県立
『鰹節』 宮下章 モルジブから琉球人が伝えた? 県立 8F自然科学667.2ミ
『遠い場所の記憶 自伝』 サイード 場違いな者として生きること 県立
『立花隆、「旧石器発掘ねつ造」事件を追う』 立花隆ほか スクープの後で欲しい情報 大学旧
『わたしたちが孤児だったころ』 イシグロ 現代世界の前史描くメタ探偵小説 県立 市立書庫
『須賀敦子のミラノ』 大竹昭子 全集の完結をもって… 県立 7階壁書架910.2ス
『スピティの谷へ』 謝孝浩ほか 人とはこんなにいとおしいものか 7階書庫
『敗北を抱きしめて(上・下)』 ダワー 戦後史の根源的な問いに答える本
『ホワイト・ティース(上・下)』 スミス 20世紀後半を描いた大きな戯画 県立 7F933ス 市立
『アンチゴネ』 ボーショー オイディプスの娘が語る家族の愛憎 県立 大学953.7.B28
『武揚伝(上・下)』 佐々木譲 明治元年、新政権……県立 7F日本文学ササ1-2
『アイヌ近現代史読本』 小笠原信之 この剛直な思想を論破できるか 県立 市立316オ
『人道的介入 正義の武力行使はあるか』 最上敏樹 岩波新書 日本に準備と覚悟はあるのだろうか 県立 7FS319.8モ 市立 大学 公立
『9・11』 チョムスキー 米国の醜い一面の具体的な肖像 県立 8F社会科学316.4チ 市立316チ
『イヴの七人の娘たち』 サイクス 民族や人種の概念が崩れていく 県立 8F自然科学469.2サ 市立 大学469.2.Sy2

2002
『香港の起源(1・2)』 モー 時代の全体像を描く歴史小説の大作 県立 7F外国文学933モ1 市立書庫
『わたし琵琶湖の漁師です』 戸田直弘 味覚に訴える古典的な知恵の漁
『語り伝えよ、子どもたちに ホロコーストを知る』 ブルッフフェルドほか ユダヤ人虐殺を伝え読書を挑発する 県立 大学316.88.B78
『偶然 帆船アザールの冒険』 クレジオ ロマンチックで雄々しい衰退 県立 7F外国文学953ル 市立953ル
『リチャード・ブローティガン』 藤本和子 世界の聖性を描いた作家の美しい墓碑 県立
『緑の資本論』 中沢新一 利子のないイスラムからの一撃 県立 8F人文科学104ナ
『晴子情歌(上・下)』 高村薫 誠実に生きた日本人の肖像に会う
『マーティン・ドレスラーの夢』 ミルハウザー 物質的な夢想家の国、アメリカ 県立 7F外国文学933ミ 市立書庫
『レイチェル』 りア こうしてエコロジーは力を得た 県立 8F人文科学289.3カ 大学289.5.C22
『アンダーワールド(上・下)』 デリーロ あなたは「アメリカ」を買いますか? 県立 7F外国文学933テ1 市立書庫
『あの夕陽・牧師館』 県立 7FBヒノ 市立書庫 『光』 県立 7階書庫 市立書庫 『Living Zero』 市立書庫 日野啓三
『極北の動物誌』 プルーイット 「豊か」といわれる自然の本当の姿 8F自然科学482.5フ 市立書庫 大学482.53.P95
『なぜ戦争は終わらないか ユーゴ問題で民族・紛争・国際政治を考える』 千田善 世界を本当に動かしているもの

2003
『ヴァギナ・モノローグ』 エンスラー 語ることがなぜ解放なのだろう
『ケセン語訳 新約聖書(1) マタイによる福音書』
『金笠詩選』 チェ・ソギ おそろしく人間くさい放浪詩人 県立 8階書庫 市立929キ 大学旧
『輝く日の宮』 丸谷才一 著者の全仕事を一本の小説に盛ったら 県立 7F日本文学マル 市立913.6マル
『暴力に逆らって書く 大江健三郎往復書簡』 大江健三郎 世界に対してシニカルではいけない 県立 7階壁書架915.6オ 市立915.6オ
『他者の苦痛へのまなざし』 ソンタグ 写真は悲惨を伝えうるか 挑発的な問い 県立 8F一般調査070.1ソ 大学070.17.So48
『沖縄おじぃおばぁの極楽音楽人生』 中江裕司 永遠に終わらない大人の学芸会 地域サービス
『ららら科學の子』 矢作俊彦 切なすぎる記憶と現実のずれ 県立 7Fヤハ 市立
『蟻』 7F外国文学953ウ1 市立書庫 ウェルベル 『蟻の時代』 7F外国文学953ウ 市立書庫 『蟻の革命』 アリ文明とヒト文明の劇的出会い
『春画 秘めたる笑いの世界』 白倉ほか 「手放しの喜び」が生む普遍性 大学大型本721.8.Sh83

2004
『呪医の末裔 東アフリカ・オデニョ一族の二十世紀』 松田素二 生きた現代のアフリカ人に出会う
『家守綺譚』 梨木香歩 現世と異界を往来する心地よさ 県立 7F日本文学ナシ 市立913.6ナシ
『ゴールデンアワー』 四元康祐 所在なかった過去へのため息 県立
『カイエ・ソバージュ(全5巻)』 中沢新一 自然と人間の関係取り戻す格闘 8F社会科学389ナ
『「正しい戦争」は本当にあるのか』 藤原帰一 単純で好戦的な理想論を崩すには 県立 8F社会科学319.8フ
『戦争とテレビ』 カミングス 低俗から高尚までその霞の本性とは 8F社会科学699.6カ 市立書庫 大学699.8.C95
『ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間』 山田寛 彼らはなぜ150万人を殺したのか 8F人文科学223.5ヤ
『百年佳約』 村田喜代子 時代超える異文化の出会い・融合 県立 7F日本文学ムラ 市立913.6ムラ
『トランス=アトランティック』 ゴンブローヴィッチ 作者と訳者の追求した愛国心への諷刺 7階壁書架983コ
『与那国島サトウキビ刈り援農隊』 藤野雅之 地方発30年の農業支援に学べ
『ヴァレリーの肖像』 清水徹 自己隠しと演出の間で揺れた格闘の跡

2005
『イタリア・ユダヤ人の風景』 河島英昭 悲劇の臨場感伝える肖像画の束 県立
『永遠の子ども』 フォレスト 「個人的な体験」乗り越える文学の力 県立 7Fシヨ 市立
『日本の古代語を探る 詩学への道』 西郷信綱 おぼろな古代が動き出す知的快感 集英社新書 7FS810.2サ
『宮本常一写真・日記集成(全2巻・別巻1)』 宮本常一 終りなき旅が伝えた「変わる日本」 県立
『ペルセポリスⅠ・Ⅱ』 サトラピ 国際社会の力関係描く傑作自伝
『素数の音楽』 ソートイ 調和求め迷路を辿る数学者の冒険 県立 8F自然科学412テ 市立書庫 大学412.D99
『イヨマンテの花矢 続・アイヌの碑』 ◯野茂 アイヌ復権にかけた豊穣な思い出 県立 8F人文科学289.1カ
『新リア王(上・下)』 高村薫 日本人の精神に挑んだ政治と信仰の果て

2006
『悲劇週間』 矢作俊彦 メキシコ革命を生きた堀口大學 県立 7F日本文学ヤハ 市立913.6ヤハ
『人間の暗闇 ナチ絶滅収容所長との対話』 セレニー 巨大な罪を実現させた凡人の悪 県立 大学234.07.Se81
『花はさくら木』 辻原登 時代物の魅力と今風の楽しみを兼備 県立 市立913.6ツジ
『世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて』 柄谷行人 互酬に基づく社会変化への道
『占領の記憶/記憶の占領 戦後沖縄・日本とアメリカ』 モラスキー 文学にとって他者とは何か 県立
『風の影(上・下)』 サフォン ゆったり楽しめる多様な素材の織物 県立 7FB963ル1 市立963ル1-2
『思想としての<共和国> 日本のデモクラシーのために』 ドゥブレほか 「革命」の原点から日本を問う
『制服捜査』 佐々木譲 県立 7F日本文学ササ 市立913.6ササ
『祖先の物語 ドーキンスの生命史』 ドーキンス 精妙にして論理的な自然のパノラマ 県立 8F自然科学467.5ト1 市立467ド1-2
『わが悲しき娼婦たちの思い出』 ガルシア=マルケス 老人と「眠れる美女」の間に何が起きたか 県立 7F外国文学963カ 市立963ガ
『獄中記』 佐藤優 自前の「原理」もつ思索者の512日 県立 7階壁書架916サ 市立916サ

2007
『オオカミを放つ 森・動物・人のよい関係を求めて』 丸山ほか 日本の生態系を回復させるために 県立 市立489オ
『アレクサンドリア四重奏1 ジュスティーヌ』 ダレル 虚構の国際都市に浮かぶ美しい蜃気楼 市立933ダ1-4
『ブラッサイ パリの越境者』 今橋映子 ジャンル超えた芸術家像、象徴的に 県立 市立740イ
『猫のゆりかご』7FB933ホ6FYBホネ大学旧『スローターハウス5』7FB933ホ6FYBホネ大学旧『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』(県立) ヴォネガット
『ぼくの家には、むささびが棲んでいた 徳山村の記録』 大牧冨士夫 昭和の初め、濃密な生活があった
岩波文庫80年特集:『ローマ帝国衰亡史』ギボン 県立'76-'93 9F 大学新'95筑摩 『万葉集』 『定家八代抄』 『朝鮮詩集』 『玉台新詠集』 『ギリシア恋愛小曲集』
『「成長の限界」からカブ・ヒル村へ ドネラ・H・メドウズと接続可能なコミュニティ』 メドウズ 大量消費に抗する暮らしの場の実践
『異郷の死 知里幸恵、そのまわり』 西成彦ほか 「アイヌ語の翻訳」が意味するもの 県立 市立929イ
『ガラスの家 プラムディヤ選集7』 トゥール 独立運動をめぐる矛盾と煩悶 県立
『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』 亀山郁夫 精密な読みが紡ぎ出す楽しい推理 光文社新書 7FS983ト 市立980.28ド 大学983.Ka36

2008
『臈たしアナベル・リイ 総毛立つつ身まかりつ』 大江健三郎 女性原理の強さと救済をめぐる奔放な小説 県立 市立913.6オオ
『詩の風景・詩人の肖像』 白石かずこ 現代詩へ導く見事な仕掛け 県立 7階書庫
『バートルビーと仲間たち』 ビラ=マタス 「書かないこと」をめぐる小説的エッセー 県立 7F963ヒ 市立963ビ 読了
『かもめの日』 黒川創 互いにつながり、生きる都会の人々 県立 7F日本文学クロ 市立913.6クロ
『チューバはうたう mit Tuba』 瀬川深 痛快にして爽快な「楽器の快楽」 県立 市立書庫
『鳥学大全』 秋篠宮文仁 超学際的な知的好奇心を集め連ねて 県立
『ザ・ロード』 マッカーシー 叙情的文体で描かれる「世界の終末」 県立 7F外国文学933マ 8F海外資料W933M 市立933マ
『海の沸点/沖縄ミルクプラントの最后/ピカドン・キジムナー』 坂手洋二 飛び交う台詞から響く「人間の声」
『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』 佐野眞一 「アリババの洞窟」には何があったか 県立 8F人文科学219.9サ 市立219サ
『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』 水村美苗 世界の言語状況、明快に解き明かす 県立 7F外展示3810.4ミ 市立810ミ
『女神記』 桐野夏生 怨みという感情をつかさどるもの 県立 7F日本文学キリ 市立913.6キリ

1998-2008(今年の3冊)
1998
『龍秘御天歌』 村田喜代子
『ノルウェーの汀の物語』 ヴァッスムー 県立 7F外国文学943ハ2 市立書庫
『<日本人>の境界 沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで』 小熊英二
1999
『パラダイス』 モリスン 県立 7F外国文学933モ 市立書庫
『魂込め(まぶいぐみ)』 目取真俊 県立 7F日本文学メト 市立書庫
『宇宙の果てまで』 小平桂一 県立 市立 大学442.3.Ko17
2000
『日本人の魂の源郷 沖縄久高島』 比嘉康雄
『朗読者』 シュリンク
『天使の記憶』 ヒューストン 県立 市立953ヒ
2001
『敗北を抱きしめて』 ダワー
『水俣病の科学』 増補版 西村肇ほか 県立 大学493.15.N84
『唐シルクロード十話』 ウィットフィールド 大学新220.W68
2002
『晴子情歌』 高村薫
『セーヌは左右を分かち、漢口は南北を隔てる』 ◯世和 県立
『人類最古の哲学』 中沢新一 県立 8F人文科学164ナ 市立164ナ 大学164.N46
2003
『そこから青い闇がささやき』 山崎佳代子 8F社会科学302.3ヤ
『クルディスタンを訪ねて トルコに暮らす国なき民』 松浦範子 県立 8F社会科学316.8マ
『ケセン語訳 新約聖書(1) マタイによる福音書』
2004
『ジャスミン』 辻原登 県立 7F日本文学ツシ 市立913.6ツジ
『ラディカル・オーラル・ヒストリー オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』 保苅実
『地図に仕える者たち』 バレット 県立 9F
2005
『日本領サイパン島の一万日』 野村進 9F 市立916ノ
『素数の音楽』 ソートイ 県立 8F自然科学412テ 市立書庫 大学412.D99
『生きる意味「システム」「責任」「生命」への批判』 イリイチほか
2006
『新リア王』 高村薫
『ロリータ』 ナボコフ 県立'05 7F外国文学933ナ
『クマムシ?! 小さな怪物』  鈴木忠 県立 8F自然科学483.9ス 市立 大学483.99.Su96
2007
『信頼』 リンギス 県立
『ガラスの家』 トゥール
『『カラマゾーフの兄弟』続編を空想する』 亀山郁夫

2008
『詩の風景・詩人の肖像』 白石かずこ
『かもめの日』 黒川創
『責任という虚構』 小坂井敏晶 県立
最終更新:2024年03月15日 12:25
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