繋いだ手を、離さないで

「悠貴、真理さん…」
「邪魔だ、どきなさい!」
 水上バス乗り場に向かう途中、人波に飲まれて悠貴と真理の二人とはぐれてしまった未来は、
その姿を探して辺りを見回しながらお台場の歩道をさ迷っていた。乗り場へ急ぐ人々は、そんな
彼女の脇をかすめるようにして追い抜いていき、中には彼女を押しのけて通っていく者もある。
「どこ…?」
 途方にくれて、遂に立ち止まってしまった未来を、後ろから歩いてきた赤シャツの男が、払い除ける
ように突き飛ばした。
「こんなところで立ち止まるんじゃねーよ!」
「きゃ!?」
 よろめいて人の波から外れ、未来が歩道脇の植え込みに倒れそうになったところを、がっしりした
手が掴まえた。「いやっ!?」未来はきつく目を瞑り、反射的に自分を捉まえた人物の胸をドンと
突き、その手から逃れようとする。

「このガキ…!」
「!?」
 怒気の籠った声に、未来はハッとして腕を掴んでいる人物に目を向けた。それは赤い派手なシャツに
金のネックレスをつけ、短く刈り込んだ髪を茶色に染めている体格のいい若い男、一言で言ってしまえば
チンピラだった。普段の未来なら…いや、彼女でなくとも、目を逸らして存在を無視し、決して関わろう
などとは思わない人種だ。まして、この非常時にみな苛立ち殺気立ってるような状態ならなおさらだ。
だがそれ故、未来もつい過敏になり、碌に相手も確かめないで突き飛ばすなどという行為に出てしまった
のであるが…。

「あ、あの、ごめんなさい」
「うるせぇクソガキ! お前ちょっとこっち来いや!」
 未来は軽はずみな行為を後悔しつつ、びくびくと男に謝ったが、それが気に障ったのか、あるいは
優越感でも感じたのか、ますますいきり立ったように未来を怒鳴りつけると、彼女の腕を引っ張って
歩道脇へとずるずる引っ張っていこうとする。
「いっ、嫌っ、離して、離してください…」
 これ以上男を刺激しないよう、未来は出来るだけ静かに、しかし最低限の抵抗を試みたが、男が
彼女を離すことはなかった。もっとも、力いっぱいもがいたところで、大人の男の力にかなうはずも
なかっただろう。
(嫌っ…誰か…真理さん…)
 未来は男に引っ張られながら、水上バス乗り場に向かってぞろぞろと歩く人々に助けを請う視線を
送った。しかし先を急ぐ人々は、彼女に目をくれようともしない。中には気付いて、眉をひそめて
ちらちらと横目で眺める者はいたものの、未来を助けようと足を止めてくれる者は一人もなかった。
頼りの真理の姿もどこにも見えない。未来がいなくなっていることにすら、まだ気付いていないのかも
しれない。

「痛っ!」
 腕を強く引っ張られ、未来は痛みに顔をしかめた。後ろを見ると、チンピラは彼女を、歩道の脇に
建っているマンションの駐輪場の中に連れていこうとしているようだ。室内型のもので、出入り口は
歩道側の一か所しかなく、周りはレンガ風のタイル貼りの壁で囲まれている。奥ゆきは7、8m近く
あり、停電のせいで灯りはついておらず、奥の方はかなり薄暗い。真ん中の通路を挟んで両脇に駐輪
スペースがあるが、避難の足に使ったのか残された自転車はそう多くなく、残っているものは全て
バラバラの方向を向いて倒れてしまっている。

 未来の背筋をぞくっと寒気が走った。こんな所に連れ込んで、いったいどうしようというんだろう?
いや、そんなことはわかっている。まだ中一だったが、それくらいは理解できる年だ。ただ、自分の身に
そんなことが起きるだなんて、考えたこともないし、考えたくもなかった。
(嫌、助けて…助け…)

 恐怖で目の端に涙が浮かぶ。未来は助けを求めるように、歩道を行く群衆に向かって自由な方の腕を
伸ばすが、その手を掴んでくれる者がないまま、彼女はチンピラに駐輪場の中へと引きずり込まれて
いった。

「おらっ」
「きゃあっ!」
 チンピラは未来を通路の一番奥まで連れ込むと、彼女をコンクリートの床に突き飛ばした。横ざまに
倒れて悲鳴をあげる未来を跨ぎ、チンピラは彼女を睨むように見下ろした。
「おう、ガキのくせに随分生意気じゃねーか?」
「ご、ごめんなさい、わたし…許してください」
 未来は謝りながら、後ろ手をついて這うように後ずさり、男の脚の間から抜けだそうとする。だが、
その未来の腰のあたりを、男が軽く蹴りつけた。
「ひっ!」
「大人しくしてろ!」
 軽い一撃だったが、怯える未来にはそれで十分だった。彼女は身体をすくませると、傍目にもわかる
ほどにがたがたと震え始め、蒼ざめた頬に大粒の涙をぽろぽろ零し始めた。(誰か…悠貴…真理さん…)
涙で滲んだ目を男の背後にある外の通りに向け、必死に助けの姿を探すが、悠貴と真理はもちろん、
誰もがわき目も振らずに水上バス乗り場へと急ぎ、こんな建物の奥にいる未来になど気付かない様子だ。
いや、何人かは気付いていただろうが、彼女がここに連れ込まれるのを止めようとした者がいなかった
ように、わざわざ助けに来てくれる者は一人としてなかった。

「お前みたいな生意気なガキは、ちょっと可愛がってやらないとなぁ…」
 いやらしく笑いながら、チンピラは未来の太股の上にどっかりと腰を下ろした。左手で肩を押さえ、
もう一方の手で、未来の小さな胸を服の上からぎゅっと握る。
「ひ…」
「へへ、態度はでかいくせにおっぱいは随分小せぇなぁ、おい?」
 チンピラはにやにやとしながら、未来に顔を近付けて囁くように言う。煙草の常用者なのか、ヤニ
臭い口臭が漂ってくる。
「い、いや、やめて…!」
 未来はぎゅっと目を瞑って顔をそむけ、弱々しく懇願するが、当然のように男がそれを聞き入れる
はずはなく、彼は肩を掴んでいた左手も胸へと移すと、両手で彼女の乳房を荒々しく揉みにじった。
「痛っ! 嫌ぁ…」
 まだ固さの残る乳房をきつく握られ、未来は痛みと嫌悪感に顔を歪めながら、男の腕を掴んでそれを
止めようとするが、怯える中一の少女の腕力では叶うはずもなく、チンピラはいいように彼女の胸を
揉み回した。そして男はひとしきり青い果実のような膨らみを堪能すると、未来の服の裾を掴み、
乱暴に捲り上げた。

「いやぁっ!」
 幼い膨らみを白日の下に晒されてしまった未来が悲鳴をあげる。「やめてっ、見ないでっ!」
「なんだ、ブラもしてねぇのか。まあこんなけ小さけりゃ必要ねーよな」
 チンピラはいやらしい薄ら笑いを浮かべて言うと、剥き出しにした小さな胸丘に、今度は直に手を
乗せて揉みしだき始めた。さらに身体を屈め、べろりと乳肌を舐めあげる。
「ひっ…!?」
 ぐにょっとした生暖かいモノが乳肌を這いずる感触に、嫌悪感の余り一瞬未来の動きが停止した。
そして次の瞬間、彼女は猛然ともがき始めた。「嫌っ、やめて、やめてぇぇ」

「大人しくしてろって」
 未来は泣きながらチンピラの頭や肩をぽかぽかと殴り、押さえつけ、触るのをやめさせようとする。
それは抵抗と呼ぶにはあまりにも可愛らしいものであったが、少々鬱陶しくなったチンピラは苛ついた
ような声を出すと、服を捲り上げていた左手で未来の右腕を掴み、床に押さえつけた。左腕はまだ自由
だったが、効き腕を封じられては、もはや抵抗らしい抵抗にならない。チンピラは左手を振り回す未来を
ものともせずに、彼女の乳肉を口と右手で嬲り回した。

 チンピラは未来の白い乳肌に跡が付くほど強く吸いつき、歯を立て、手で握り潰さんばかりに
ぎゅうっと掴み、乳首を抓り、引っ張る。かと思えば優しくソフトにそっとくすぐるように舐め上げ、
指先で胸の蕾を転がすように愛撫していく。しかしどんなに優しい愛撫だろうと、未来にはおぞましい
だけだ。彼女は泣きじゃくりながら自由な左手で男の頭や肩を叩き、腕を掴んだが、男の行為を止める
ことはできなかった。
 チンピラはちゅぱちゅぱと未来の乳首を吸い立てながら、乳肉を揉みにじっていた右手を徐々に下に
移していった。ウエストラインに沿って、白く滑らかな肌を撫で擦りながら下っていった手は、ほどなく
スカートに辿りついた。男はスカートの裾を掴むと捲りあげて、下着へと手をかける。
「やっ、やだっ!」
 未来は男の意図に気付いて一段と強くもがいたが、男の手は止まらなかった。彼は下着を引き
千切らんばかりに強く引っ張り、未来の太股までずるりと引き下ろした。

「いやーっ!」
「ひへへっ…」
 未来が悲鳴をあげて左手でスカートを押さえて隠そうとするが、チンピラはそれよりも早く彼女の
秘密の場所へ手を這わせた。乳首をしゃぶる口の端からいやらしい笑いを洩らしながら、チンピラは
未来の性器を弄っていく。萌え始めたばかりのさらさらとした陰毛を指先で撫でつけ、スリットを
すっすっと上下に何度かさすってから、男の指は肉唇を割り込んで中へと侵入し、内部の秘肉を
くにくにとこね回した。
「ひっ!?」
 誰にも触らせたことのない秘花を触られ、未来は背筋をぎくんと仰け反らせた。「さっ、触らないで、
いやぁぁぁ…」悲鳴をあげる未来に、チンピラはなおも執拗に性器を嬲り回す。クリトリスを包皮の
上から擦り立て、秘花を掻き回し、そして指は膣口を捉えると、ずぶりとその中に挿入していく。

「痛っ!」
 濡れてもいない狭い処女道に無理矢理指をねじ入れられ、未来の顔が歪む。胎内を弄る男の指の
感触に、その口からは嫌悪の悲鳴が漏れ始めた。
「い、嫌…嫌ぁぁぁ…やめて、やめてーっ!」
 その悲鳴は徐々に大きくなっていく。今までは恐怖でか細い声しか出せなかったが、嫌悪感が
恐怖心を上回り、未来は思いっきり身体を揺すりながら腹の底から声を出して助けを求めた。
「嫌ーーーっ、誰か、誰か助けてっ! 誰かーーっ!!!」
「うわっ」
 大声で助けを求めながら、未来は自由な左手で性器を弄っている男の右手を掴むと、思いっきり
引っ掻いた。チンピラはたまらずに、慌てて膣から指を引き抜いて振り回し、未来の爪から逃れる。
「くそっ、このガキ!」
 男は未来の右手を押さえていた方の手も離し、悪態をつきながらミミズ腫れのできた腕を押さえた。
が、未来の抵抗はそこまでであった。

「静かにしやがれ!!」
「きゃあっ!?」
 頭にカッと血を昇らせたチンピラは、未来の頬に強烈なビンタを喰らわせた。返しざまに手の甲で
さらにもう一発。わずか二度頬を張られただけで、未来の意識は半分飛んでしまった。

「あ…く…」
「くくっ」
 男は、意識朦朧となった未来を見てほくそ笑み、再び彼女の上に覆いかぶさって胸に舌を這わせ
始めた。もう未来の右腕を押さえるのはやめ、左の手も乳房に這わせて揉みしだき、右手は股間へと
伸ばしてそこを弄る。
「いや…あ…」
 男の手が秘密の部分に触れるのを感じ、未来は弱々しい悲鳴を漏らした。その手がふらふらと動いて
秘所を弄りだした男の腕を掴むが、ほとんど力は入らなかった。

「ひひ、指一本でもきつきつだな…」
「ひっ、あっ…」
 膣に指を挿入されて胎内を弄られ、淫核を擦り立てられても、未来は身体をびくびく震わせて小さく
呻くことしかできなかった。チンピラはすっかり抵抗の止んだ未来を濡れさせようと、乳房や乳首を
舐め回し、揉みしだき、そして下腹部にやった手では淫芯を何度も何度も擦り立て、指を抽送してと、
執拗に愛撫を繰り返した。しかしまだ中一で男性経験もないうえ、無理矢理触られているのでは、
そう簡単に濡れるわけがない。

(ちっ…)
 なかなか身体の準備が整わない未来に、次第にチンピラが苛つき始めたその時だった。
「お、おい君、何をしてるんだ…」
「!?」
 入口の方から声がして、チンピラは振り返った。未来も、霞んだ目を男の背後に向ける。そこには、
入口を一歩入ったくらいのところで、バーコード頭で小太りの、いかにも『オジさん』という形容が
ぴったりの中年男性が、おどおどした様子で立っていた。

 よかった、誰か来てくれたんだ…。未来は朦朧となりながらも、助けが来たことに顔を輝かせた。
しかし…

「あぁん?」
 チンピラが不機嫌そうに睨みつけると、その中年男性はビクっと怯えた顔になった。相手が弱気
なのを見てとったチンピラは、ニヤリとすると彼に向って怒鳴りつけた。
「うるせぇオッさん、余計なお節介なんだよ! すっこんでろ!!」
「いや、でも、あの…」
「とっととあっちいきな、殺されてーか!?」
 中年男性はもごもごと何か言いかけたが、チンピラがさらに怒鳴ると、彼はそのまま二人に背を向け、
そそくさと歩道の群衆の方へと戻り始めた。
(待って、行かないで…)
 未来は心の中で叫んだが、それが中年男性に届くことはなく、彼はすぐに雑踏に紛れ見えなくなって
しまった。

「へへ、続きだ」
 中年男性が見えなくなってしまうと、チンピラは再び未来の方へ顔を向けた。一瞬で潰えた希望に
愕然となっている未来の耳には、さっきのチンピラの言葉がこだましていた。“お節介”…それは
ベビーカーを助ける真理に彼女が言ったのと同じ言葉だ。
 きっと罰が当たったんだ。未来は朦朧としながら、そんなことを思った。困ってるお母さんと泣いている
小さな子み気付きながらもを助けようとしなかったこと、それを助ける真理をお節介などと言ったこと。
いや、そもそも『こんな世界、壊れちゃえばいいのに』なんてメールしたのが、この悪夢の全ての始まり
だったのかもしれない。これは、そんなことを考えていた自分への罰なんだ…

 完全に諦めてしまった未来に、チンピラは彼女の脚の間に膝を入れ変えると、太股を抱えて股間を
上向かせた。ロクに毛も生え揃っておらず、ただ黒いスジが一本走っているだけのようなまだ幼い
未来の性器を、チンピラはさも愉快そうにしげしげと眺め、そしておもむろにそこへ顔を埋め、男は
割れ目を舐め始めた。
「あ…ひっ…」
 チンピラは舌を大きく動かして、びくびくと震える未来のスリットの中に、たっぷりと唾液を塗り
込んでいった。特に膣口は入念に湿らせ、舌先を尖らせて胎内に侵入させ、中にも唾液を送り込み、
そして指も使って奥までせっせと湿らせていった。こんな時に止めにくる人間などそうそういない
だろうが、彼だってお台場からさっさと脱出したいのだ、あまり悠長なことはしていられない。
濡れないなら濡らすまでだ。

(もうこれくらいでいいか…)
 ほどなくして、未来の生殖器が完全に唾液で濡れそぼってしまうと、男はにんまりとほくそ笑んで
彼女の股間から顔を離した。抱えていた太股も放し、床に置く。そして男はベルトを緩めると、
ズボンと下着をまとめて引き下ろした。
「ひ…!?」
 未来の朦朧とした目にも、男のいきり立った怒張ははっきりとわかり、彼女は怯えた声を漏らした。
先端部分は赤黒く膨れあがり、黒ずんだ肉胴には太い血管が幾筋も浮かんでいる。成人のモノと
しては、小さくはないが決して大きいわけでもなかったが、始めて見る勃起したペニスのグロテスクな
様相と、これからレイプされようかという状況下で、未来にとってそれはとてつもなく巨大に見えた。

 そんなモノを入れられたら裂けちゃう、死んじゃう…。歯の根をガチガチと鳴らして震え慄く未来に、
チンピラは腰を落としてペニスの先端を彼女の性器に押し当てた。左腕で彼女の太股をがっちりと
押さえ、右手にぺっぺっと唾を吐きかけてからペニスを握り、肉胴にもたっぷりと唾を擦り込みつつ
位置をずらしていき、未来の処女口へと先っぽを導く。

 なんであの時、真理が差しだしてくれた手を拒んだんだろう。亀頭が膣口に押し当てられるのを感じ
ながら
、未来はぼんやりと思った。本当は心細かったのに、本当はその手を握りたかったのになんで…
「いっ…!」
 狭小な処女口を無理矢理こじ開けて亀頭が未来の胎内へと侵入し、彼女の後悔の念は、下半身に
走った激痛で中断された。「あっ、痛っ…ひっ…」痛身に呻く未来の胎内に、なおもチンピラの怒張は
ギリギリとねじ込まれていき、その先端は彼女の処女の証である繊細な粘膜の盛り上がりへと到達した。
一段と狭まったその場所で、男の分身はその進行をいったん止めたが、チンピラが「ふんっ」と力を
こめると処女膜はあっさりと引き裂かれ、肉棒は一気に未来の奥深くへと潜り込んだ。
「ひぎっ!? あっ、ひっ…痛いっ、助けて…誰か…あっ!? ママ、ママぁ…」
 焼けた鉄杭でも突っ込まれたかのような激痛に、未来の目がかっと見開かれ、背中が反り返った。
彼女の中に入りきらずにいた肉胴を、処女の証だった血が一筋、伝い落ちていく。未来は身体を捩って
痛みから…その痛みをもたらすモノから逃れようとするが、身体はほとんどいうことを聞いてくれず、
わずかに身じろぎしたくらいでしかなかった。

「うぅっ、痛い…痛いよぉ…ひっ…」
「ひひっ」
 泣き呻く未来に、男は下卑た短い笑いを漏らすと、腰を抽送させ始めた。痛みに戦く秘肉から分身を
引き抜いていくと、破瓜の血に染まった肉胴が徐々に姿を現す。そして亀頭を残してすべて引き抜いた
あたりで、それを再び未来の中にずぶずぶと沈めていく。
「い、痛い、やめて、やめ…ひぃっ、ママっ、悠貴っ、嫌ぁぁ…」
 怒張がわずかに動くだけで、身を引き裂かれるような激痛が未来を襲う。いちだんと大きな悲鳴を
あげ、腰をがくがくと震わせる未来に、チンピラは肉棒の抜き差しを繰り返した。その速度は徐々に
早く、強くなっていき、未来の悲鳴もいっそう大きくなる。
「いっ、痛い、痛い…っ…ダ、ダメっ、やめて、許して……かはっ!?」
 泣きながら許しを請う未来に、チンピラが怒張を激しく突き入れた。身体の奥をずんっと突き上げ
られ、未来は首をのけ反らせて息を吐いた。「が…あ…いや…あ…ぐっ、はっ…」

 チンピラは未来の幼い子宮をくり返しくり返し激しく突き上げ、その度に大きく開けられた彼女の
口から、短い息が吐き出される。「あ…が…や、やめ…かはっ…こ、壊れ…壊れちゃ…あ…か…」
 やがて未来は目をかっと見開き、口をぱくぱくさせてかすれた悲鳴を漏らすだけになった。そんな
彼女を、チンピラはなおも責め立てる。腰を小刻みに揺するように浅く短く前後させ、気まぐれに
ずんっ、ずんっと激しく突き上げ、根元まで突き入れると腰を回して未来の胎内を肉棒でめちゃくちゃに
掻き回す。狭い肉洞の中でびくびくと痙攣するように震える柔肉が、激しく動くペニスをぎちぎちと
きつく締め付けてきて、がむしゃらに腰を動かしていた男は、数分ともたずに頂点まで昇りつめた。

「おら、出すぞっ!」
「ひっ!?」
 最後に男は叫ぶように言うと、未来の中に深々と肉棒を突き立てて、彼女の子宮めがけて思いっきり
精を放った。子宮に何か熱いものが注ぎ込まれるのを感じて、未来は身体をぶるっと震わせた。
「ひっ、あっ…」
 未来の胎内で男の怒張がびゅくっ、びゅくっと跳ねるように震え、その脈動にあわせて熱い奔流が
次々に未来の子宮を襲う。未来はひっ、ひっと小さな悲鳴を漏らしていたが、やがてペニスの律動が
静まって射精が止まると、その悲鳴も聞こえなくなった。

イラスト:メンクイさん

「ふぅ…」
 未来の中に最後の一滴までザーメンを注ぎ終えると、男はすっきりとした顔をして、ゆっくりと
彼女から分身を引き抜いた。「へへ、これに懲りたらこれからはあんまり舐めた態度すんじゃねーぞ」
そう言いながらズボンを引き上げ、かちゃかちゃとベルトを締める。そして男は最後に、抜け殻の
ようになって床に横たわる未来の顔に、ぺっと唾を吐き掛けると、外の人波の中へと戻っていった。


「……?」
 それからどれくらい時間が経っただろうか。ぴくりとも動かずに床に転がっていた未来の顔が微かに
動き、輝きを失っていた瞳に光が戻った。彼女の反応を引きだしたのは、外から途切れ途切れに
聞こえてた声だった。

「おい、あれ…?」
「やだっ、ほっといていきましょう」
「あーあ、気の毒に…」

 通行人の一部が、下半身を剥き出しにして横たわっている未来に気付き、ひそひそと囁き合っていた。
しかし、それでも彼らは未来を助けにこようとはせずに、そのまま通り過ぎていく。そんな人々に
汚された無残な姿を晒すのが惨めで、悔しくて、未来は気力を振り絞ってのろのろと身体を起すと、
スカートのすそを直して男に犯された股間を隠した。それから、ずきずきと痛む下半身に鞭打って
なんとか立ちあがると、傍らに転がっていたバッグを拾い上げてティッシュを取り出し、破瓜の血や
男の唾液と精液とで汚れた股間を拭い、足首にひっかかったままだった下着を引きあげた。そして
ぱんぱんと服についた埃を払い、涙をぐいっと拭くと、未来は表へと向けてよろよろと歩きだした。


「邪魔だっ!」
「きゃっ」
 歩道に出てふらふらと歩いていた未来は、後ろから来た男が押しのけられてよろめいた。倒れそうに
なった未来の腕を、何者かの手が伸びてきてがっちりと捉まえる。
「嫌ぁ…」
 悪夢の始まりとなった出来事が脳裏に甦り、未来は弱々しい悲鳴を漏らしてその手を振り払おうとした。
「未来ちゃん!」

「……真理さん…」
 聞き覚えのある声に未来が顔をあげると、そこには真理の姿があった。随分探し回ったようで、
息をきらしている。
「お姉ちゃん!」
「悠貴…」
 その身体の向こうから、悠貴がひょこっと心配そうな顔を出す。放心したように二人を見る未来に、
真理は息を弾ませながら言った。「やっぱり手、繋いでいこ!」

 しっかりと彼女の手を握ってくる真理の手を、未来は呆然としたように見つめた。どうやら二人とも、
未来の身に何が起きたのか知らないようだ。今頃来てくれても、今頃手を繋いでも、もう何もかも
手遅れだ。今さら、もう…。
「……うん」
 だが、未来は小さく肯くと、真理の手をしっかりと握り返した。例えもう手遅れでも、無関心な人々の
中で、わずかでも自分を気にかけてくれる人がいてくれることが、未来には無性にうれしかった。

 そして未来は、悠貴と真理と共に、水上バス乗り場へと…我が家へと向けて歩き始めた。



 おしまい
最終更新:2010年03月14日 23:56
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