ねむねむ大王

 夏休み初日の朝。まだ7時にもならない時間に、悠貴は既に目を覚まして早々に着替えを済ませ、
机に座っていた。彼は少し退屈そうに、視線を窓の外に見える、朝日に照らされた東京タワーに向けて
いる。今日は母に頼んでロボット展に連れていってもらうつもりだったが、興奮しすぎたためか随分
早くに目が覚めてしまい、いささか暇を持て余しているところだった。同室の未来は二段ベッドの下で
カーテンを閉めたまま、まだ眠っている様子だ。両親もまだ起きていないようで、家の中はシンと
静まり返っている。

「お姉ちゃん、起きて。なんかして遊ぼ!」
 一人っきりなのに耐えられなくなった悠貴は、姉に声をかけたが、返事はなかった。
「ねえ、起きてよぉ…」
 悠貴はベッドの脇までいき、もう一度カーテン越しに姉に声をかけるが、やはり返事はなかった。
「お姉ちゃん?」
 常々、勝手に開けるなと言われてはいたが、悠貴はそぉっとカーテンを開けて中の様子を伺った。
ベッドでは、ピンクのパジャマ姿の未来が、ぐーすかと軽いいびきをかき、仰向けで軽くバンザイを
するような格好でぐっすりと眠っていた。しまりなく開いた口の端からは、タラリと涎が一筋垂れ、
脚はがばっと大きく広げられ、パジャマの上はおへそまでめくれあがっている。寝る時に身体にかけて
いた薄手のブランケットは、暑かったのか邪魔そうに跳ねのけられて、ベッドの脇で丸まっていた。

「ねえお姉ちゃん」
 乙女らしからぬ寝相の未来を、悠貴は肩を掴んで軽くゆすったが、それでも彼女はまったく起きる
気配がない。ふと見ると、ベッドの脇に、未来のお気に入りの黄色いクアンパのぬいぐるみとともに、
ケータイが置かれている。きっとベッドの中で夜遅くまでケータイをいじっていたのだろう。
「もぉ…」
 ケータイ星人なんだから…。不満げに溜息を漏らした悠貴は、困ったように、未来のしまりのない
寝顔を見た。一緒にロボット展にいきたいのに、ちゃんと起きてくれるかなぁ…。

(そうだ…!)
 だが、未来の寝顔を見ていた悠貴が、ふと丸出しになっている未来のお腹に目を留め、その顔に
イタズラっぽい笑みを浮かべた。(くすぐっちゃえ…)
 悠貴はベッドの横で立ち膝になり、人差し指を立てると、丸出しになっている未来のお腹に近付けて
いき、そっと脇腹を擦った。未来の寝顔にほとんど変化はなかったが、お腹だけがびくっ、びくっと
痙攣するように波打ち、悠貴は可笑しくてクスクスと笑いを漏らした。

(ここはどうかな?)
 悠貴は次に姉のちっちゃなおヘソへ指先を持っていった。そこへ指先をそっと潜らせると、未来の
腹筋がぐぐっと強張った。さらに爪先で底をかりかりと軽く引っ掻くと、くすぐった時のように
びくびくとお腹が震えるが、やはり目を覚ます様子はなく、悠貴は姉の震えるお腹と、表情を変えない
寝顔とを、愉快そうに代わる代わる眺めた。

(ようし…)
 未来をくすぐっていた悠貴の目が輝いた。彼のその目は、小さく上下している未来のなだらかな胸に
向けられる。(おっぱいつついたらどうなるかな?)
 その思いつきに悠貴はクスクスしながら、くすぐっていたおヘソから指を離すと、自分に近い方の
未来の右胸の上へと持っていった。そして一度息を吸うと、パジャマに包まれた小さな膨らみに指先を
押しつけた。(えい!)

 くにゅっ

(!?)
 その瞬間、悠貴はまるで熱いものに触れでもしたように、さっと指を引っ込めた。柔らかい…。
思いもしなかった姉の胸の柔らかさに、悠貴はどぎまぎとしながら、姉の乳房をつついた指先を
見つめた。お姉ちゃんのおっぱい、こんなに柔らかいんだ…。
 悠貴はしばらくの間、今触ってしまった未来の胸と指とを交互に見比べていたが、やがてそろそろと、
その指を再び未来の胸へと持っていった。

 つん…

 恐る恐るといったふうに、悠貴はもう一度未来の胸をつついた。パジャマ越しに柔らかい膨らみの
感触がはっきりと伝わってきて、悠貴は生唾を飲み込んだ。つんつん、つんつん、と悠貴は二度三度と
未来の微乳を繰り返しつついた。指先を押し返してくるもっちりとした弾力に、悠貴は「わぁ」と
驚きと感動の入り混じった表情を浮かべる。悠貴はさらに何度かつんつんとそこを突いていたが、
やがて手を開くと、姉の膨らみにそっと押し当ててみた。
(うわぁ…)
 掌いっぱいに柔らかい膨らみが伝わって来る。悠貴は胸をドキドキとさせながら、さらにそっと
掌で未来の乳房を撫で転がしたり軽く握りしめたりして、その柔らかさを味わった。

 未来の胸をさすりながら、悠貴はそっと姉の寝顔を伺った。大きく開けられていた口が閉じられ、
どことなく切なげな表情になったような気がするが、相変わらず起きる気配はない。悠貴は未来の胸に
視線を戻し、しばらく慈しむようにそこを撫で回していたが、やがて彼はその手を止めると、両手を
ベッドの横枠に乗せ、じっと姉の寝顔を見つめた。
(お、起きないよね…?)
 悠貴はベッドの枠越しに腕を伸ばし、未来のパジャマの前に両手を持っていった。唇を戦慄かせ
ながら、悠貴は一番上のボタンに手を掛け、こっそりと外し始めた。一つ、二つと、緊張に震える
指先でもどかしそうに外していき、やがて悠貴は全てのボタンを外し終えると、そこで一度大きく
息をついてから、パジャマの前をそっと引き開いた。

(わぁ…)
 未来はブラジャーも肌着も着けておらず、パジャマの下からはすぐさま膨らみかけた乳房が姿を現し、
悠貴は息を飲んだ。白い小さな膨らみの先端では、ピンクがかった薄茶色の乳輪が、寝息に合わせて
小さく上下している。ちょっと前までは一緒にお風呂に入っていて見慣れていたはずなのに、その時
よりほんのちょっと膨らみ始めているだけの姉の乳房が、今はなんだか眩く感じられる。
 悠貴は立ち膝になってベッドの横枠に手を掛けた格好で、しばらくの間未来の白い胸を眩そうに
見つめ、それからそっと、さっきパジャマの上から触っていた右側の膨らみへと手を伸ばし、そこに
ぴたりと押し当てた。

(…!)
 掌に姉の乳房の感触を感じた瞬間、悠貴は短く息を吐いた。パジャマの上から触ったよりもずっと
柔らかくて暖かく、なによりもすべすべとした乳肌がなんとも艶めかしく心地よい。未来の乳肉の
愛らしい手触りに、悠貴はしばし陶然としていたが、やがてそっと手を動かし、そこを撫で擦り始めた。
 乳果を軽く押さえながら、ゆっくりとこねるように掌を回してみる。時々その柔らかな膨らみを
そっと握りしめ、掌にこつんと当たる小さな乳首を、指先できゅっと摘まんで…「ん…」
「はっ!?」
 その時、乳蕾を弄られた未来が小さく呻いて微かに身じろぎをし、悠貴は弾かれたように姉の
乳房から手を離した。興奮でドキドキしていた心臓が、今度は驚きでドキドキし始める。悠貴は凍り
ついたようになって姉を見つめていたが、未来は目を覚ますようなことはなく、それっきり、また
穏やかな寝息を立て始めた。

(びっくりした~)
 しばらく金縛りにあったように身じろぎ一つしないで立ち尽くしていた悠貴だったが、姉が目を
覚まさないとわかると、ようやく緊張を解き、まだばくばくとしている胸へ手をやって、ほっと
安堵の息をついた。もうこんなことやめよう。すぐ怒るし。それでロボット展に一緒に行ってくれなく
なったら困ってしまう。

 悠貴は、引き広げた未来のパジャマの前を掴むと、そっと閉じ合せようとした。しかしそこで、
悠貴は微かに上下する剥き出しの乳房に目を奪われ、両手でパジャマを掴んだまま動きを止めた。
白く小さな二つの膨らみと、その頂点の愛らしい薄桜色の突起を、悠貴はしばしの間、魅入られた
ように見つめていたが、やがて掴んでいたパジャマをぱさりと手離した。

(もうちょっと…もうちょっとだけ…)

 悠貴は未来の身体の上に身を乗り出すようにして、右手を奥の方にある未来の左側の乳房へと持って
いった。先刻のようにそちらの肉果をさわさわと揉み始め、さらに左手をこちら側の乳丘に置き、
悠貴は姉の両方の膨らみを弄り回した。きゅむきゅむ、ぷにゅぷにゅと揉みにじり、さすり回し、
そして指先で乳輪や乳首をそっと擦り、摘まんでみる。
「ん…」
「!?」
 悠貴が未来の乳首を指先で扱いていると、未来がまた小声で呻いて身動きし、悠貴のその手は
ピタリと止まった。だが、さっきのように慌てて離れたりはせず、乳丘に乗せた手はそのままで、
警戒したようにじっと未来の寝顔を伺う。その頬は微かに赤らみ、少し顔をしかめて寝苦しそうな
感じにしているが、それでも目を覚ます気配はなさそうだった。
 まだ起きそうにない、まだ大丈夫…。

 再び悠貴の手が動き始めた。滑らかな乳肌をそっと撫で、乳果をやわやわと軽く揉みしめ、乳蕾を
指先で押さえて転がす。
「ん…あ…」
 乳首を弄られる未来が小さく身じろぎして吐息を漏らすが、悠貴はもう手を休めることなく、姉の
胸を触り続けた。温かくて柔らかい密やかな膨らみと、その先端の小さな突起を、手で、指で、
余すことなく味わう。悠貴に弄られているうちに、未来の少し茶色がかった薄桃色の乳輪はぷっくりと
膨らみ、先端の突起はツンと尖り始めた。

「んふ…ん…」
 次第に熱っぽさを増す未来の吐息を聞きながら、悠貴はコリコリとしてきた乳首をさらに執拗に
こね回した。乳房を撫で擦り、軽く握って勃起した乳頭を突き出させると、先端を軽く摘まんで
くりくりと扱き、引っ張り、逆に指先で乳輪に押し込んだり、掌で擦るように転がす。そして、手で
弄るだけでは我慢しきれなくなった悠貴は、姉の胸に顔を近寄せると、自分に近い右側の乳首に
そっと口をつけた。
「ふぁ…ん…っ」
 未来の背中がびくっと震え、一段と大きな喘ぎが漏れた。しかし、まだ目を覚まそうとはしない。
ちゅくっ、ちゅくっと微かな音を立てながら、悠貴が未来の乳首を吸い始めても、未来は眠ったまま、
ただ、微かな喘ぎを漏らし、時折ぴくっ、ぴくっと小さく身体を震わせるだけだ。

(お姉ちゃん…いい匂いがする…)
 未来の甘い体臭が、悠貴の鼻をくすぐる。姉の匂いを胸一杯に吸い込みながら、悠貴は胸蕾を
吸い立て、舌で乳輪や乳頭を舐め転がした。向こう側の乳丘に置かれた右手は、さわさわとその小さな
膨らみを揉みしだき、固くなった先端の突起をくりくりと扱き立てている。
「はっ、あ…う…ん…」
 未来の喘ぎが強まり、はぁ…はぁ…と寝息も荒くなってくる。頬ははっきりと紅潮し、肌がじっとりと
汗ばみだしていたが、決して部屋が暑いせいではなかった。

「ふぅ……」
 やがて、未来の乳首を存分に味わった悠貴は、そこからそっと口を離した。自分の涎でべとべとに
濡れ光り、強く吸われたせいで色味を濃くした乳首を少し潤んだ瞳で見つめ、それから未来の顔へと
視線を移した。頬が上気して寝息も乱れているが、未来はまだぐっすりと眠っている。
(まだ起きないや…)
 別に起こすつもりでやっていたわけではないし、むしろ目を覚まされたら困るところだが、これだけ
身体を触ってもまだ起きそうにない未来に、悠貴は少し呆れたような顔になった。でも…
(だったらもうちょっと…大丈夫だよね?)
 これなら、もうちょっと身体を触ってもきっと起きたりしない。悠貴は自分にそう言い聞かせながら、
胸が剥き出しになった姉の寝姿を眺めた。その目は、寝顔から剥き出しの乳房に、それからお腹へと
ゆっくり移り、そして最後に、太股の間のデルタ部分に留まった。一年くらい前までは一緒にお風呂に
入っていたこともあって、パジャマの下には一本の縦スジがあることは悠貴も知っている。だが、
しっかり見たことはなかったし、もちろん触ったことなど一度もない。女のコの…お姉ちゃんの
アソコって、どんな感じなんだろう…。
 さらなる好奇心に突き動かされた悠貴は、緊張した面持ちで、恐る恐る未来の股間へと手を伸ばして
いった。

 悠貴は未来の股の間に差し込むようにして、性器の上のあたりにぺたりと右手をつけた。ちらりと
姉の寝顔に視線をやり、その程度では目を覚ましそうにないと見ると、緊張していた顔が緩んで、
わくわくとした表情に変わる。そして悠貴は掌全体を使い、未来の股間をパジャマの上からゆっくりと
擦り始めた。掌に微かに感じる、パジャマの下の形状に意識を凝らし、すっ、すっ、と手を前後させ、
やがて掌床を浮かして揃えた指の腹で、そして最後には中指だけで、股間の真ん中にある、割れ目の
あたりをすりすりと何度もさする。

 悠貴は指先にわずかに力を込めた。中指がパジャマと下着ごと割れ目の中に押し込まれ、そのまま
指先を前後させると、パジャマが割れ目の形に食い込んでいく。
「ん…ふ…」
「あ…」
 と、未来がどことなく悩ましげな吐息を漏らして脚をもぞりと動かし、悠貴は慌ててそこから指を
どけた。しかし未来はそれっきり動かず、悠貴はほっと胸を撫で下ろした。まだもう少し触って
いたい…。悠貴は再度姉の股間に手をやろうとしたが、ふと考えが変わってその手を止めた。パジャマの
上からなんかじゃなく、直に触ってみたい。そして直に見てみたい…。
 悠貴は未来の寝顔に目をやり、ぐっすり眠っているのを確かめると、そおっとパジャマのズボンの
両脇に指を差し入れた。

 胸をドキドキさせながら、悠貴が未来のズボンをそろそろと引っ張り下ろしていくと、前に小さな
カエルのワンポイントのついた、純白のパンツが現れた。悠貴はその腰のところにも指先を入れ、
パジャマと一緒に引き下ろしていく。(…あれ?)
 だがすぐに、未来の太股の付け根、いわゆるVラインの上端が見えたあたりで、パジャマと下着は
お尻に引っ掛かって動かなくなってしまった。悠貴は下着のゴムが伸びそうになるほどぐいぐいと
引っ張り、無理矢理脱がそうとするが、なかなかうまくいかない。
「う…ん…」
 しかしその時、下着が腰に食い込むのがくすぐったかったのか、未来が腰をよじってお尻を浮かせ、
悠貴はその一瞬の隙を逃さず、ずるりとパジャマと下着をずり下げた。

「あ…!?」
 パジャマと下着は一気に太股まで下げられ、未来の下半身が丸出しとなった。その光景に、悠貴の
心臓が激しく跳ねあがった。未来は軽く両膝を曲げて股を広げた格好で寝ていて、悠貴が見たかった
肉の割れ目を、惜しみなくさらけ出していた。さらにそこには、悠貴が思ってもみなかったものまでが、
一緒に姿を晒していた。
(お姉ちゃん、毛が生えてる…!)
 割れ目の上部にうっすらと生え始めていた産毛に、悠貴は心の中で茫然としたように呟いた。乳房の
膨らみと同様に、それも以前一緒にお風呂に入っていた頃にはなかったものだ。下着とパジャマを
脛のところまで下ろしていきながら、悠貴はしげしげと姉の肢体を眺め回した。膨らみかけた胸と、
生え始めた恥毛…。昨夜「子供のくせに」と言われて、自分だって子供じゃんと小声で言い返したが、
悠貴はそれが間違いだったと知った。自分の知らない間に、姉はオトナになっていたのだ。

 悠貴はオトナになった…なり始めた未来の身体を上から下までじろじろと眺めながら、彼女の腰の横
あたりに戻って跪くと、一番の目的だった秘裂へと視線を定めた。そしてそこに向けてそろそろと右手を
伸ばしていったが、寸前でどうしても躊躇われ、代わりにすぐ脇の内腿にそっと触れた。一瞬、広げて
いた脚がびくんと閉じられ、悠貴の手を挟みこんだが、すぐに力が緩んで、自由に手を動かせるように
なる。悠貴は張りと弾力のある姉の太股の肌をさわさわと撫でながら、徐々に股間へ手を近付けていき、
やがて意を決すると、割れ目を覆うように静かに手を置いた。

 中指の腹に、股間の中央を走る溝を感じ、悠貴はぐびっと喉を鳴らした。下腹の肌はわずかに
汗ばんでしっとりとし、掌底のあたりには、さらさらした柔らかい産毛の感触がある。
 悠貴は呼吸を整えるかのように二、三度大きく息をついてから、パジャマの上からしていたように、
掌全体を使ってそこを撫で始めた。割れ目が全て見えるくらいにまで手を引き、そして全てが隠れて
しまうまで股の間に差し込み、大きくすっすっと手を前後させる。掌をくすぐる、萌え始めたばかりの
柔らかな恥毛や、ぽってりした陰唇やその間のクレヴァスの感触を楽しみながら、すっ、すっ、すっ…
と何度かさすり、悠貴はさらに思い切って、指先を曲げて割れ目の中に忍び込ませた。

 指先に、しっとりとした柔らかい肉の感触を感じる。悠貴はその柔肉をなぞりながら、割れ目の中で
指先を上下に動かした。
「う…ふ…んっ…」
 淫肉を弄られる未来が、眠ったまま深い吐息をついた。腰がもじもじと動くが、悠貴は構わずに、
姉の媚肉をくにくにとこね回す。そうして悠貴は、しばし未来の中にある襞状の柔らかな肉の手触りを
楽しんでいたが、おもむろにそこから指を外すと、秘唇の脇につけ、左手も伸ばして反対側の脇に
つけ、割れ目をくぱっと引き開けた。

(うわぁ…)
 未来の秘密の割れ目の中から、薄桃色の花びらのような襞肉が姿を現し、悠貴の目が真ん丸に
見開かれた。(凄いや…)
 悠貴は上から覗き込むように上体を屈め、広げた肉唇の内側をつぶさに眺めた。さっき指先に感じた、
いかにも柔らかそうな薄桜色の襞状の肉が、ひくひくと風に揺れる花びらのように揺れている。その
合間の下の方に、きゅっと窄まった穴があり、とろりとした液体が涎のように垂れていた。汗とはまた
違った、甘酸っぱい女の香りが微かに立ち昇って、悠貴の鼻腔を満たしていく。

(お姉ちゃんの中ってこんなふうなんだ…)
 姉の美しい生殖器を眺めているうちに、悠貴の胸のドキドキは強まり、ペニスがなんだかむずむずと
疼いて、彼は腰をもぞもぞとさせた。下半身からこみ上げてくる衝動の赴くまま、悠貴は右手を
肉門から離して左手だけにそこを任せ、内側の襞肉にその指先をはべらせた。
 しっとり湿った柔軟な秘肉は、悠貴が軽く押しただけでくにゅりと形を変える。悠貴は秘花を
指先でくにくにとこね回したり花弁の奥の粘膜をつつっとなぞり、クレヴァスの中にくまなく指を
這わせていった。そして悠貴は、愛蜜をたたえる処女口を捉えると、溢れる秘蜜を掬い取るように
その入口の周りを何度かさすってから、ゆっくりと指を膣の中に潜り込ませた。

「ん…っ…」
 未来が眠りながら小さく呻き、びくんと腰を震わせた。その寝顔は、なんだか寝苦しそうに眉根が
寄せられている。悠貴は姉を起こさないよう慎重に、きつく締まった秘道の中にそっと指を潜らせて
いき、第一関節くらいまで入り込んだあたりで、柔らかな粘膜が盛り上がって狭くなっている箇所に
突き当って動きを止めた。未来の処女の証だ。それの意味することはわからなかったが、悠貴は
より慎重に、肉洞を押し広げるように指をくねらせながら、さらに奥へと進ませていった。
 そしてついに悠貴は根元まで挿入を果たすと、蜜に溢れた胎内を探るように、静かに指先で膣壁を
擦り始めた。ぬちゅ、ぬちゅという微かな水音を響かせ、指はぬるつく膣内の隅々まで、余すことなく
弄っていく。まだ中一で男を知らない未来の狭い処女道だったが、小3の悠貴の小さな指は、たいした
抵抗もなく彼女の中を動き回った。

「ん…ふ…あ…」
 身体の奥深くをくすぐられ、未来がまた小さく喘いだ。悠貴の指に内部の襞々を丹念に擦り上げられる
うち、眠りながら愉悦の波に襲われ、頬が赤く上気していった。
「は…うん…あ…ふ…」
 未来の口からは、喘ぎが次々と漏れていく。しかしそこには、はっきりと甘い響きが混じり始めて
いた。険しかった寝顔は次第にとろけたように緩み、小さな胸丘は荒くなりつつある呼吸にあわせて
大きく上下している。白かった胸は、頬っぺと同じようにほんのり赤味を帯び、その美しさをいや増して
いた。

(……)
 未来の性器を弄りながら、時折ちらちらと彼女の寝顔を伺っていた悠貴の目が、その胸に留まった。
吸い寄せられるように、悠貴は未来の生殖器を弄る手は休めずに、姉の乳房へと顔を近付けていった。
「んふっ…あ…」
 悠貴が再び乳首を咥えてちゅうちゅうと吸い始め、性器と乳房を同時に責められた未来の喘ぎが
強くなっていく。「あ…は…ぁ…んっ…あっ…あ…」
 切なげに喘ぎながら、未来は悠貴の指を求めるように、腰を緩やかに動かしだした。胎内では媚肉が
うねうねと蠢いて、そこを探る指をきゅっきゅっと甘やかに締めつける。新たな愛蜜が奥からトロトロ
溢れてきて、指と腰の動きにあわせて起きるぐちゅぬちゅという淫らな水音が、いっそう大きくなって
きた。それに伴って性臭も一段と強まり、全身にじっとりと浮かんだ汗の臭いと混じって、乳首を
しゃぶる悠貴の鼻にまで届き、悠貴の股間をますます固くさせる。

(どんどんぬるぬるしてくる…)
 姉の甘い体臭を感じつつ、悠貴は蜜でしとどに濡れた秘道を夢中になって弄り回した。じゅぷっ
じゅぷっと指を抜き差しし、根元まで突き入れてぐりぐりと掻き回す。柔肉は熱く火照って、
締めつけられる指が火傷しそうなくらいだ。
(……)
 未来の性器を弄りながら、悠貴は居心地悪そうに腰をもぞもぞと動かした。悠貴の分身は完全に
カチカチになり、ズボンの前が突っ張ってなんとも納まりが悪く、いつしか彼は、我知らずベッドの横に
股間を押し付けだしていた。

「あっ…ん…ふぁ…あ…ん…っ…」
「はぁ、はぁ…んっ!?」
 部屋の中に、未来の喘ぎ声に混じって悠貴の小さな喘ぎも響き始めた。ペニスをぎゅっと押し付ける
たび、悠貴は得も知れぬ気持ちよさを覚え、姉の乳蕾をしゃぶる合間に溜息のような声を漏らす。
(あ…おちんちん…なんだか…)
 それはペニスの強張りを鎮めようとしての行為のはずだったが、いくら擦りつけても一向に落ち着く
気配はなく、逆に強まっていってしまう。込み上げる快感に目尻にうっすらと涙を浮かべ、悠貴は
姉と共に切ない喘ぎを漏らしながら、未来の柔らかな身体を貪るように弄り回した。

「ふあっ、あ…ん…はっ、あ…っ、あぁっ!?」
 そして悠貴が何度目かに指を最奥まで突き入れた瞬間、未来が小さな悲鳴を漏らし、わずかに腰を
浮かしてびくびくと身体を痙攣させた。淫肉が引き絞られて、挿入されている悠貴の指を痛いくらいに
ぎゅっと締めつけてくる。
(お、お姉ちゃん…?)
 眠ったままで軽い絶頂に達した未来を、悠貴は膣に指を突っこんだまま呆然と見つめていた。女性の
絶頂など、見るのはもちろん、そんな現象があることすら知らない彼は、切なげな顔をしてひくひくと
うち震えている未来に、何が起きたのかわからずただただ驚くだけだ。

「あっ、んっ…あ…」
 やがて、未来の痙攣と声は鎮まっていき、浮かしていた腰がベッドに沈みこんだ。悠貴の指の
締め付けも緩まり、彼は姉の生殖器から指を引き抜くと、愛蜜でどろどろになった指をぼんやりと
見つめた。
(凄い…お姉ちゃん…)
 悠貴の目が、未だひくついている淫花に、それから未来の全身に向けられた。まだ完全に絶頂の
余韻は引いていないらしく、胸は大きく上下し、寝顔には悩ましげな表情が浮かんでいる。一方で、
全身の筋肉は弛緩し、汗ばんでしっとりとなった白い肌と相まって、まるで溶け出しているようにも
見える。何が起こったのかはわからない。わからないが、悠貴にはしどけない寝姿の姉は、いっそう
大人っぽく感じられた。

 艶やかな姉の肢体を眺めながら、悠貴は再び腰を動かし、固くなった肉棒をベッドの横に擦りつけ
始めた。が、すぐにその動きは止まっってしまった。こんな固い木枠なんかではなく、目の前の、この
柔らかな姉の身体に押しつけたら、きっともっと気持ちいいはず…。
「はぁ、ふぅ、はぁ…」
 抗いがたい衝動に、悠貴はふらっと身体を起こすと、緊張に震える指をズボンの前に掛けた。
もどかしそうにボタンを外し、チャックを下ろすと、ズボンをパンツごと一気に脱ぎ捨てる。窮屈な
下着から解放されたペニスが、黄緑色のシャツの裾の下からぴょこっと頭をもたげた。

 下半身を丸出しにした悠貴は、そっとベッドにあがると、未来の脚の間へと入り込んだ。悠貴は
ハァハァと大きく息をしながら、胸をはだけ、下半身を丸出しにしている姉に、熱っぽく潤んだ瞳を
向ける。広がった脚の間で、悠貴を誘うように割れ目がわずかに口を開け、内側の秘花をちらりと
覗かせていた。とろりとした透明な粘液を滴らせている膣口も、微かに姿を見せている。
(まだ起きないで、お姉ちゃん…)
 悠貴は心の中でそう祈りながら、未来の膝の裏を持って脚をM字にすると、ゆっくりと姉の身体に
覆いかぶさっていった。脚を押さえていた手を離して、未来の両脇につけて身を乗り出す。そして腰を
突き出し、いきり立った陰茎を肉唇に咥えさせるような形に押しつけると、悠貴はゆっくりと腰を
前後させ、ペニスでスリットを擦り始めた。

 カチカチになった陰茎に、濡れた肉唇や初々しい柔肉がぺとりと張り付き、ずずっ、ずずっと這い
進む。ぞくぞくと身震いしたくなるような快感が下腹部からこみ上げてきて、悠貴は繰り返し肉棒で
スリットを擦りたて、時折先端を押し付けて濡れた秘花をこね回し、ペニス全体で姉の秘部を味わった。
「ん…はぁっ…ん…あ…」
 固くなったペニスが、未来の敏感な肉芽を包皮の上から擦りたて、彼女は再び甘い響きの混じる
喘ぎを漏らし始めた。眠ったままで悩ましげに首を振り、くすぐったそうに腰をもぞもぞと動かす。

「ん…ふ…あ…んっ…ふぁ…」
「はぁ…あ…お姉ちゃん…」
 悠貴は目をとろんとさせながら、腰をかくかくとぎこちなく動かして、必死に姉の股間にペニスを
擦り続けた。思った通り、すごく気持ちがいい。未来が身じろぎすると、イレギュラーな刺激が生じ、
さらに快感が募っていく。
「はぁっ、はぁっ、あっ…お姉ちゃん…はっ、あ……」(あ…ここ…)
 ペニスの先端に、割れ目の中の窪んだ部分を感じ、悠貴はそこを探るように亀頭で軽くつついた。
さっき指を入れていた穴だ。悠貴の脳裏に、熱く濡れた柔肉が指をぐいぐいと締めつけてくる感触が、
ありありと蘇ってくる。ここにおちんちんを入れたらどんな感じだろう…?
「はぁ、はぁ…」
 悠貴は下腹部を見やりながら、ペニスの先端に意識を集中させてその穴の中心と思しき場所を探り
当てると、ペニスの先っぽを固定した。こんなことをしたら起きてしまうかもしれないと、そこで
わずかに躊躇したが、股間の昂りと好奇心を抑えることはできなかった。悠貴は心臓を破裂しそうなほど
ドキドキさせながら、そっと腰を突き出していった。

 ちゅぷっ…と、亀頭が膣口の中に潜り込む。姉を起こさないよう、悠貴はゆっくり、ゆっくりと腰を
進めていく。「う…うん…」狭量な処女道をこじ広げながら、亀頭がずずっ、ずずっと胎内に押し入って
くる感触に、未来が小さく呻いた。寝苦しそうに、眉間に皺が寄せられる。
 あとちょっと、まだ起きないで…。そう願いながら悠貴がさらにペニスを侵入させていくと、肉胴が
半分近くまで入ったところで、その先端が先ほど指で探った時に感じた、一段と狭くなった場所…
未来の処女膜に突き当たった。
「んっ…」
 だが、悠貴がぐっぐっと何度か力を込めると、まだ幼く小さなペニスは、いとも容易くずるりと奥に
入り込んだ。痛みを感じたのか、未来の片膝がぎくんと曲げられ、膣がきゅっと締まったが、すぐに
力は抜けていく。そして悠貴はさらにペニスを奥へ押し進めていき、やがて彼は、完全に未来と繋がる
ことに成功した。

(あ、ぜ、全部入った…)
 姉の熱く濡れた秘肉にペニスを根元まですっぽりと包まれ、悠貴は感激したように心の中で呟いた。
まだ幼いとはいえ、それでも陰茎のほうが指よりは二回りほども太く、痛いほどに勃起していることも
あって、指を入れていた時よりもずっときつく感じられる。ひくひくと蠢く柔らかい肉が、ペニスを
ぎゅっと締めつけ、まるで手で握られているようだ。
「ん…う…ん…」
 未来がまた重苦しい吐息を漏らした。処女喪失の微かな痛みと、まだ狭い処女道に悠貴の分身が
ずっぽりと嵌り込んでいる圧迫感とで、その寝顔は微かに歪んでいる。だが、弟に処女を奪われて
しまったことには全く気付く様子もなく、未来は未だ眠りこけたままだった。

 姉がまだ目を覚まさないのを見て、悠貴は未来の膣壁に擦りつけるようにして、そろそろとペニスを
前後に動かした。
「ん…」
 悠貴の口から溜息が洩れる。ぬるつく柔らかな襞肉が肉胴を擦っていく感触が、言いようのないほど
心地いい。ベッドや、割れ目に擦りつけているよりも何倍も…。悠貴は興奮気味に、しかし姉を
起こさないようにそっと、二度三度とペニスを抽送した。股間からじんわりと込み上げる快感は、
肉棒を動かすにつれどんどん強まっていき、高まる興奮に、抑え気味だった腰の動きは徐々に早く、
激しくなっていく。
「はぁっ、はぁっ、はっ、はぁっ…」
「ん…う…」
 悠貴に荒々しく突き上げられ、未来は寝ながら小さく呻いた。「ふ…ん…ふっ…んっ…」
まだ小さな亀頭が最深部に突き入れられるたびに、彼女小さく開かれた口から息が吐き出されていく。
「はっ、ふっ、あっ、あくっ…」
 苦しげに喘ぐ未来を、悠貴は自覚のないまま犯し続けた。何度も何度もペニスを抜き差しし、時折
最奥まで突き入れたところで下腹部を姉と密着させ、そこに生えている産毛の肌触りを楽しむように
擦りつける。
「ん…あ…うぅん…ふぁ…」
 ペニスで胎内を掻き回され、さらに押し付けられる悠貴の恥骨でクリトリスを擦らたてられて、未来の
喘ぎ声には次第に鼻にかかったような艶っぽい響きが混じり始めていた。頬は紅潮して眉間の皺は消え、
その寝顔はどこか悩ましげになってくる。胎内では愛液がとろとろと滲みだし、ぐちょぐちょになった
襞肉がうねって、そこを激しく出入りする悠貴のペニスを、より深くへと引きずり込もうとするかの
ように蠢く。そして、指でされていた時のように、未来は眠りながら腰を浮かし、弟の腰の動きを
追ってゆっくり動かし始めた。

(凄い…凄いや…お姉ちゃん…っ…!)
「あ、うぅん…はぁっ、あっ、ふぁ…ん…っ」
 未来の腰の動きで一段と高まった官能に、悠貴は心の中で驚嘆の声を挙げながら、必死に腰を振った。
快感を感ずるがままに、かくかく、かくかくと腰を小刻みに前後させ、姉の胎内でペニスを擦る。
溢れる蜜が激しく掻き回されて、ぐちゅっ、ぬちゅっ…と淫らな音を響かせる。未来の腰の動きと
喘ぎは、悠貴に合わせるように強まり、弟のぱんぱんに張りつめた亀頭や肉胴に、媚肉がねっとりと
絡みついて、激しく扱き立てた。

「あっ、お姉ちゃん、あっ、んっ…」
「はっ、あ…あっ、んっ、あっ…」
 悠貴の喘ぎ声が切なげに震える。ペニスや腿の付け根のあたりがじんじん疼き、破裂してしまい
そうだ。未来も悠貴に呼応するように、切羽詰まったような喘ぎを漏らしている。
「はっ、あっ…あ、くぅん…あっ、うんっ! あっ、ふぁっ!?」
 そして未来がひときわ甲高い悲鳴を上げ、背中をぎくんと反り返らせた。腰がぶるぶる震えて
胎内の襞肉がぎゅっと収縮し、悠貴の分身を千切れんばかりにきつく締めつける。それが引き金と
なって悠貴も生まれて初めての絶頂に達し、未来の中でペニスがびゅくんと跳ね震えた。
「あっ!? あ、お、お姉ちゃん…っ!!」
 悠貴は未来の震える腰に、自分の腰をぎゅっと押しつけた。うねる柔肉の中で、悠貴の肉棒が
びくんびくんと何度も何度も律動を繰り返す。
「あっ、あ…! ふぁ…んっ…あ……ん……」
「くっ、あっ!? ふっ、んっ……」
 徐々に、二人の喘ぎ声は静かになっていった。秘肉のうねりとペニスの脈動も次第に収まり、やがて
二人はがくりと脱力し、ゆっくりとベッドに沈みこんでいった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
 しばらく未来の身体に覆いかぶさって荒い息をついていた悠貴は、まだ絶頂感が抜けきらないまま
のろのろと腕を突っ張らせて身体を起こすと、ゆっくりと姉からペニスを引き抜いていった。萎れ
始めた陰茎が未来の中から徐々に姿を現し、完全に引き抜かれると、二人の間にとろりとした銀色の
粘液が糸を引いた。それをぼーっと見つめていた悠貴は、糸が垂れ下がってぷつんと切れると、
思い出したように膝まで下げていたパンツとズボンを引き上げた。
 それから悠貴は、苦労しいしい未来にパンツとパジャマの下を履かせ、上もボタンを留めて、すべて
元通りに戻した。そしてしばらく、ほつれた髪を汗の浮いた額や頬にべったりと張りつけている姉の
寝顔を、ぼんやりと眺めていた。その心の中に、これまで以上に姉への愛おしさが込み上げてくる。
(お姉ちゃん、大好き…)
 愛おしさに突き動かされるがまま、悠貴はそっと未来に顔を寄せると、その唇にちゅっと軽くキスを
した。そしてベッドを下り、再びすやすやと穏やかな寝顔に戻った未来を束の間眺め、それから静かに
カーテンを閉めた。(一緒に橋を見ようね…)


「……暑い…」
 それから少し時間が経ち、時刻が8時を大きく回った頃。まだ朝だというのに早くも暑くなり始めた
部屋で、未来はぼんやりと目を覚ました。夕べ遅くまでケータイをいじっていたせいでまだ全然眠い。
(???)
 のそりと身体を起した未来は、妙な気だるさを感じて寝ぼけまなこを擦りながら首を捻った。なんだか
身体が火照っているし、身体中寝汗でべたべたで、まるでちょっとした運動でもした後みたいだ。
(…やだ!?)
 さらに、アソコが汗とは別の液体でぬるぬるしているのに気付き、未来は頬を赤くした。(わたし、
なんで…。いつの間に…?)
「あ~、もう、なんなのよぉ…」
 まだ眠いやら恥ずかしいやら暑いやらで、未来はぐったりしたような顔をしながらのろのろと
ベッドから下りた。シャワーでも浴びてすっきりしようと、重い体を引きずってドアに向かった彼女の
耳に、どこかから母親と悠貴の声が聞こえてくる。
「ねえママ、今日、ロボット展に連れてって。お姉ちゃんと一緒に」「えぇ? ダメよ悠ちゃん、
今日はママお仕事があるの」………


 エピローグ


「悠貴君…朝早いけど、平気?」
「うん、平気」
 二日後の朝、まだ早い時間。三人が一夜を過ごした六華女学院の校門で、悠貴は真理に笑顔で答えた。
それから悠貴は、それを少し悪戯っぽい笑みに変えると、横目で姉を見やって付け加えた。
「でもお姉ちゃんはダメだと思うよ」
「はぁ?」
「だってねむねむ大王でしょ? お昼まで眠ってるもんね」
「ちょ、そんなわけないでしょ、学校あるっつーの!」
「ふふふふふ…」
 怒る未来に、悠貴が意味深ににやにやと笑ったが、彼女が弟のその笑いの意味を知ることはなかった。



 おしまい
最終更新:2010年03月11日 17:12
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