役者は、実際に舞台上に立ち、その演劇の意図を身体や言葉を使って表現する人。演者。


役者をやる人のための十カ条より



以下の内容で、特に「 ダメ、ゼッタイ 」という部分には 、「 今いいこと言った 」という部分には で色をつけています。

練習してください

至極当然の話。練習なくして役作りなどできない。演じる脚本の方向性によっても練習方法は変わってくるが、まず第一に行ってほしいのは 基礎体力作り からだ。演劇は体育会系文化部である。体力なくしてスキルは養われない。
よく食べ、よく動き、よく寝ることを常に心がけてほしい。それができれば、後は発声法・静動・感情表現などの基本スキルから、殺陣・ダンス・歌などの発展スキルまで、後は自分の余裕と相談して幅広く練習を進めていってもらいたい。このとき、何をするにしても 一人より二人のほうが効率が良い ということを付け加えておく。
一人でストイックにブツブツ暗唱し続けるのもときには大切だが、 練習するのと練習した気になるのは全くの別物である。 芝居というものは、最終的に人との会話なのだから。ご注意願いたい。

人を見よう

ただボサッと周りをガン見すればいいってもんじゃなく、 興味を持って人をみること
興味があればその人の良い点をどんどん自分に取り入れることができるし、逆に悪い点はどんどんダメ出しできるはずである。参加者内でのコミュニケーションも広がり、公演全体のスキルアップにも貢献する。

それではどのように相手に興味を持てばいいか。それは普段の何気ない会話にも 積極的に首を突っ込む ことだろう。人によって得意なタイプと苦手なタイプがあるのは仕方のない話。だからと言って、苦手な人間とのコミュニケーションをおろそかにしていいという言い訳にはならない。
どうしても話しづらい人がいるようなら、自分と相手どちらとも気軽に話せる第三者を介在させてみてはどうか。ある程度緊張もほぐれ、必要な情報交換がスムーズに行えるはずである。

芝居において 孤立はタブー 。こだわりとわがままは別物だということを念頭に置いてもらいたい。ともあれ簡単なようで意外と難しいが、大切。必ずやってみよう。

10秒考えたらもう動け

実はこれ、演出にも言える事項であることに気付いた。
どう演技していいのかわからない、演出の意図がつかめない――けいこ場でそんな状態に陥った時、自分が理解できるまで10分でも20分でも考え込んだりする人がいる。

不要なこととは言わないが、この場においては時間の無駄。 けいこ場はディベートの場でなく稽古をする場である 。つまりは身体全体を使っている時間のほうが長い場のはず。必要なディベートなら飯食いに行ったときとかに集中してやってしまおう。それでも、どうしても時間的に間に合わず、準備が不十分なまま稽古場に臨んで意味不明なダメ出しを食らうときがあるだろう。そんな時はその場で消火しようとせず、 いったん保留にして次に臨む ように心がけたい。
合間に息抜きして気持ちに余裕をもたせれば、今まで見えてこなかったこともみえてくるようになるはずだ。ただしその際、消火猶予を自分に設けるといいだろう。 ダメをためたまま消化しないでると保留する意味がない 。小さなことからコツコツと。稽古の時はすぐに動き出せるように余計なことは一切考えずに、頭を空にして練習しよう。

空気は読むだけじゃだめ

日によって、参加者のテンションはさまざまに変化する。出席人数が少なかったり、ジャンに負けたり、誕パがあったり、レアキャラがお目見えになったり…その時その時で稽古場の空気があって、それを大切にするのは公演全体を円滑に進めるための一手段ではある。

ただし、 その場だけの空気に流されて先が見えていないのはかなり危険 。シメるときはシメる、休む時は休むで、練習計画に則ったスタイルを使い分けなけれ最終的に痛い目を見るのは自分である。
トップ人やスタッフ陣にまかせっきりになるのではなく、実際に舞台に出る役者たち自身も、状況に適した空気というものをつくっていければ理想的。空気が読めるようになったら、 敢えて読まないのも必要だ おいうことを覚えておこう。
まぁ、さしあたり素で空気が読めないといろいろ問題なので、まずはそこから。

ナルシスト一歩手前で

役者はおのれに自信がないと話にならない
割り当てられたキャラクター如何を問わず、舞台上に立つ以上は自分をうんとアピールすべきだ。実際、身体が伸び切らなかったり視点が定まらなかったり客席に顔を向けられなかったり、そんな自信なさそうな役者が舞台上で立ち回っている姿は正直見苦しい。
キャラクターイメージやシーンイメージにもよりけりだが、舞台上で自信を持ってパシッと客に見栄を切れる役者はやはり恰好よく見えるものだ。もちろん、その自身は日々の努力によって裏打ちされるべきだが、ぶっちゃけ空自信でもないよりマシ。

役者をやる人は、自分が嫌いといった理由から己の変身願望に基づいて舞台上に立ちたがる傾向の人が多く見受けられる。その動機自体は良いことだと思うが、やはり 本当の自分をないがしろにして新たな自分は開拓できない とも思う。キャラクターもやはり作品。自信のない人間が自信のある作品を生み出すことができますか?ということ。
では自信を持つためにどうしたらいいのか。それは 人の意見をよく聞き、自分の良い面悪い面をしっかり把握する ことからはじまる。自分の武器を弱点を把握できたら、あとは自信を持って舞台に臨むだけだ。

かぼちゃに振り回されるな

芝居には観客がいる。観客は役者の芝居を見て何かしらの感銘を受ける。舞台上に立つものがもろに感じ取れる一番は「笑い」であろう。コメディ系の脚本であるならば、客から笑いが取れなければ価値がないといっても過言ではない。それゆえ、客から笑いをとるためのアクションや間の取り方など、ち密な計算が事前に要求されるのであるが。

ここでは客のリアクションが予想通りであったかどうかの結果論ではなく、それを受けての役者自身の心構えについて述べておこう。
まず、舞台上にいる間はどんなに笑いが起ころうと起こるまいと、 その場のテンションをいたずらに上下させてはいけない 。理由は簡単。ここは自分たちが楽しいと信じて作り上げてきたもののすべてを披露する場だ。その場の客の評価を受けて汗っていつもと違うことをしてしまっては、今までに培ってきた努力が報われない。
何より学生演劇とはいえ、同じ金額を払って見に来ているお客さんに違う質の演技を見せてしまうのは失礼だろう。

一般に「魔の〇ステ」とかいう形で、上演時間帯によって異様に客の反応が固いときがある。しかしそれは単純に笑いのつぼが我々と違っていたり、単に恥ずかしくて笑い声を外に飛ばせない客だったりするかもしれない。 決してこちらが面白くないものを見せているわけではない のだ。
公演期間に費やした約一、二カ月間。その間に磨いてきた各々の努力。それを客に認められたいのであれば、まず自分自身が揺るぐことなくその努力を認めてやる必要がる。それがわかれば、後はもう最初から最後まで自分たちの世界を思う存分見せつけてやるだけである。 役者に求められるものは集中力 。稽古場ではそれも十分に養うように。

できないのは百も承知

「劇団しろちゃん」のしろは素人のしろ。それは誰もがみんな一度は通る道。最初からできたにこしたことはないが、普通はできなくて当たり前。
できないからといって落ち込んだり腐ったりするのは勘違い。 謙虚に行こう 。今出来なくても本番までにできるようになればいい。もし本番までにできなかったとしたら、それは自分の努力が足りなかったからだときっちり反省して次に生かす。
決して 己のレベルを見誤ってはいけない 。ただし、意地にならない程度に「何くそ!」と挑戦し続けるのは大歓迎。負けず嫌いスピリッツは己のスキルを向上させる栄養源である。
常にポジティブシンキング。 焦らず、貪欲に 。取捨選択はもちろん必要だが、己のフロンティア精神を支えるうえではこの姿勢はしっかりと身に付けておいた方がよい。

プライオリティは自己管理

役者は日々のたゆまぬ努力が必要。しかし彼らは身体が資本なので、しごきすぎてその商売道具がブレイクしてしまうと元も子もない。健全な精神は健全な肉体に宿る。

どんなに頑張ってもなんだか調子が上がらないときは、 思い切って休むことも大切だ 。そして、休むからには次の稽古までに万全を期した状態まで体調を整えておく。これはもはや芝居をやるうえで義務といっても過言ではない。
当然、休んでる間は周りから遅れをとってしまうが、そんな時は 一人で挽回しようとせず周りを頼って欲しい 。そういうときのための仲間なのだから。とにかく、これだけは強く言っておこう。 体調を壊すことは罪悪である 。無茶はやっても、無理だけはするな。

つまり何がしたいのか

自分たちがこの芝居に参加した理由。役者を志望したわけ。芝居開始の段階で、そこには各々が心に決めた最終目的地が存在するはずである。このキャラクターを演じ切りたい。この舞台に立ちたい、客からもっと評価されたい、新しいスキルを身につけたい…。
公演全体の最終目的はもちろん公演の成功にほかならないが、それとは別に個々人がなしと出たい理想の功績。スタッフも含め、役者をやるものはむねにそれを意識して稽古い励んでもらいたい。

はっきり言おう。どんなに脚本に興味があっても、どんなに演出に必要とされても、 これがない者は公演に参加しない方が良い 。私が演出なら頼まれても絶対に参加させない。
やりたい人間が集まってやる活動だからこそ、やるからには強い意識を持ってやり遂げるべき だと思う。自由というのは、えてしてそういうものだ。

楽しいアクターズライフを

あとは問題なく舞台上で演じ続けるだけ。思う存分、
芝居を楽しんでください。