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河上徹太郎 小林秀雄と正宗白鳥

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河上徹太郎 でも、とにかく小林は好きだったな、白鳥さんが
小林秀雄 そう。
河上 ぼくが忘れられないのは、二人でいっしょに軽井沢で終戦直後に白鳥さんを訪れたことがあったろう。おそらく君ははじめてだろう。
小林 いや、外では前にもお会いしたことがある。
河上 別れて二人でぼくのうちへ帰って、きみは興奮して酔っていた。あのとき、きみは惚れ込んじゃったからな。もっともあのとき、めずらしい葡萄酒を抜いてくれて、二人でご馳走になったけれども。
小林 あのときは葡萄酒を抜いて、とうとう飲まなかったのだよ。
河上 きみは興奮して飲めなかった。
小林 そうじゃないよ。あれは、あのとき奥さんが抜こうとしたんだよ。そうしたら奥さんに電話がかかったのだよ。奥さんが行っちゃったのよ。半分抜いて行っちゃったんだよ。ところが正宗さんは抜きはしないよ、あの人は。だからね、飲みそこなったんだよ(笑)。だからよく覚えている。創元社などにみえたときには、リュックを背負ってね。あのころはまだ戦後のことで、リュックを背負って、そのリュックをさかさまに背負っているのだよ。ハッハッハ。そうすると創元社のやつ驚きやがって、先生、逆さまだというと、どっちでも同じ事だ(笑)。
河上 そういうところは、ちょっと菊池さんみたいなところがあったね。
小林 あるな。
河上 一種の合理主義だからね。
小林 理想主義でね。
河上 理想主義で合理主義・・・、ぼくは今度きみと正宗さんとの有名なトルストイ家出論争というのをまた読み直してみたのだよ。そうしたら、当時感じたのとちょっと違ったものを感じたな。当時ぼくは間違えて批評していたんだ。きみは理想主義で、向こうがリアリズムだというふうにぼくは簡単にさばいていたけれども、そうじゃないな。向こうもリアリズムじゃないよ。あれは一種の理想主義だ。
小林 うん、そうだ。
河上 だから同じことなんだ。きみと同じことを言っているのだ。
小林 うん、同じことなんだよ。まあそういうことも、きみと二人だと議論になりませんわ(笑)。


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