けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

メリクリ

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匿名ユーザー

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今日は、クリスマス・イヴ。
街は浮かれ気分で、正にクリスマス一色。
我が放課後ティータイムも例外無く、クリスマス一色。
私がいつもの調子で
「よーし!今日はクリスマスの前夜祭だー!」
と声を上げると
「ケーキだね!りっちゃん!!」
唯がふんす!と立ち上がり
「クリスマスケーキ、手配しておいたの~♪」
と、ムギがいつものニコニコ顔で大きめのケーキを持ち出してきた。
「急に呼び出されたと思ったら、こういうコトだったんですか…」
受験真っ只中の梓が、相変わらずの呆れ顔を浮かべ
「まぁ…折角だから。息抜きだと思って、な?」
澪がなだめた。
唯の実家を会場に「クリスマスの前夜祭」は、なんだかんだで盛り上がった。
憂ちゃんにも手伝ってもらった…っていうか、唯が前夜祭の事を伝えた途端はりきったらしく。
料理はそれはそれは豪勢なモノだった。
ちゃっかり話を聞きつけたさわちゃんが現役の軽音部員を引き連れて乱入したり
「せっかくだから」って言って唯が和を誘って招き入れたり
受験組に気を遣って、梓が純ちゃんも誘ったり。
前夜祭、というか本番さながらの盛り上がりだった。
「あまり遅くなっても、明日が本番だし!」っていう唯らしい理由で、日付が変わる前に前夜祭は、お開き。
そう、明日が本番のクリスマス・パーティー。
寮でサークルの連中と盛り上がる予定、だ。
浮いた話の無い…と言えば、失礼だけど。仲の良い仲間達だなって、思った。



クリスマスの前夜祭が終わり、皆で片付けして。
唯とかさわちゃんはコタツで寝ちゃったりしてたけど…
…いつも通り、グダグダな流れで、解散。
私は上手く澪と二人で、抜け出した。

‥‥‥やっと、ふたりきりに、なれた。

私と澪は、恋人同士。
周りには言ってないけど……知ってか知らずか、周りはちょくちょくからかってくる。
いつものノリでかわしてるけど‥‥内心、嬉しかったり。
放課後ティータイムをはじめ、なまじ仲の良い仲間が多いだけに、ふたりきりってシチュエーションは中々無いし、嬉しい。
……まぁ、寮でよく互いの部屋でふたりきりになったりはしてるけど。
それでも今日は、クリスマス・イヴ。
別に、私も澪もキリシタンじゃないけど……気分が変わる。そして互いに変に意識しちゃってるってのも、わかる。
今回のクリスマスの前夜祭も、私が勢いで言っちゃったけど、澪は特に反対しなかった。
明日の大学のサークルでのクリスマス・パーティーも、変に二人だけ欠席てのも、おかしーし‥‥。
止むを得ず、私と澪はクリスマスを「みんな」と過ごすコトになっていた。
‥‥それだけに、今のシチュエーションはホント願ったり叶ったり。
よくよく考えると、唯がコタツでダウンしてて、ムギは珍しく憂ちゃんと洗い物したがったりして

‥‥気を、遣われてたのカモ。

そんな中。寒空の下、私と澪は寮に向かっていた。
夜空には、雪がチラついていた。
イヴとクリスマスと、週末が重なったにも関わらず、天気予報は荒れ模様。
でも、幸いにも予報はちょっと外れて雪が降っていた。
「いやー、楽しかったなー♪」
「‥うん」
私の声に、澪は組んだ腕を握って答えた。
「私が救った軽音部も安泰みたいだし、な!」
「‥そうだな!」
澪は頷きつつ、また身を寄せてきた。
とっても、嬉しそう。
今日、あらためて顔を合わせた後輩達は恐縮しつつも、軽音部を楽しんでるみたいだった。
さわちゃんは何も言わなかったけど、私達も数年前はあんな感じだった‥のかな?
「‥ふぅ…」
右腕に澪を携えつつ、寒空を見上げて息をついた。
息が、白かった。
右腕が、暖かった。
コート越しの澪の、体温を感じた。
顔を見なくても、微笑んでいるのがわかった。
自然に腕を組んで、並んで歩いてる。
数年前は…考えられなかった。
只の幼馴染みで、只の同級生だった。

……こうなったのは、あの歌詞のせい。

………‥‥冬の日。

あの歌詞で私の気持ちは決まり、私と澪は付き合うコトになった。
付き合うまでは、色々と面倒だったんだけど‥‥
‥‥こうやって自然と腕組んで歩くようになったんだな‥って、しみじみ思った。
同時に、タイミングを探していた。
クリスマスプレゼントを渡す‥‥タイミング。
いつからかは知らないけど、クリスマスには彼女にプレゼントをあげるってのが世間の常識、らしい。
女同士の私達に、彼氏も彼女も無いんだけど………

……渡すなら、私からかなって、思って。

学生の身分で生意気にも、指輪を買った。
そんなエンゲージリングとか大それたモノは買えないけど‥‥私なりに調べまくって、シルバーのペアリングを探し当てた。
澪の指のサイズなんて、こんだけ長いこと一緒に居れば把握してるし。
只、プレゼントの指輪を探しながら不思議な気持ちになった。
澪に何かプレゼントするーなんて、いつもの事。
その度にからかってやろう、とか驚かしてやろう、とか。悪巧みしてたのに。

必死に…指輪を探してた。

「…………いっしょに、いようね」って、ココロの中で言い合ったあの日から、澪は特別なヒトになっていた。
幼馴染みから、同級生から、同じ軽音部員から、バンドのリズム隊から……

…恋人に、なっていた。

勿論、同じ大学に通ってるし、長い付き合いだし。バンドでも。リズム隊を担ってる二人、だし。

女同士‥‥だし………

…それでも、恋人になったんだな‥って、不思議な気持ちになっていた。

プレゼントは、袋から出してあって、私のコートのポケットの中。
タイミングを伺っていると、コンビニの明かりが目に入った。
「‥なぁ、澪。なんかあったかいの買ってかないか?」
「‥う、うん」
思いっ切り私にくっついていた澪は、返事をしてちょっと離れた。
‥流石に、人気のある所では気が引けるらしい。
それでも、澪は私の手を握っていた。
コンビニで肉まんとホットの紅茶を買った。
コンビニの前で、紅茶を分け合った。
やっぱり、ムギの紅茶が一番だな!とか、軽口を叩いた。
雪が、絶え間なく降りていた。



私と澪は、ゆっくり降る雪の中。寝床の寮へ歩いていた。
澪は、相変わらず私の腕にくっついていた。
寒そうに、幸せそうに。
梓をなだめていた「お姉さん」な顔とは真逆の顔だった。
「…ふふっ…」
私は、横目で思わず笑みが溢れて、黒髪を 撫でた。
「んんっ‥」
澪は気持ち良さそうに、身を捩らせて私の身体に擦り寄った。
ホンット、幸せそうだなーって思った所で。
私はポケットの中でペアリングを装着して、もう片方をスタンバって
「‥みおー?」
私は澪に声を掛けた。
「なにー?」
澪が声を返した隙に

…ぎゅっ

私は、澪を抱き締めた。

「…?」

澪は、呆気に取られて、固まった。
私は、左手で澪の黒髪を撫で

「……付き合ってくれて、ありがとな‥」

耳元で、囁いた。

「‥‥う、うん…」

澪は、動揺しつつ答えた。
私は右手をポケットから出し、澪の左手を掴んで

「……メリー・クリスマス」

撫でた右手を、澪の左手に添えて。

「………」

右手で、プレゼントを黙り込んだ澪の左手の薬指に、はめた。
私は、言葉を探して

「……これからも、ずっと‥‥いっしょに、いような!」

いつも通りにニカっと笑って。左手と右手で、澪の左手を包んだ。

「……ッ‥」

澪は包まれた左手を見つめたまま。みるみるうちに涙目になった。

「…」

私は、右手で澪の左手を握り

ぎゅっ‥‥‥

左手で、私より上背の澪を抱き寄せた。

「ッ‥‥‥」

澪は、私の肩で静かに泣いた。

「…」

私は、左手で澪の黒髪をやさしく、撫でた。



‥‥澪が、泣き止んで。
私と澪は、寮へ向かった。
もう寮が目と鼻の先って所で
「…りつ‥」
「ん?」
澪は、何かに気付いたらしい。
「ゆき…」
落とした目線の先の地面を見て、言った。
泣き止んでからも。ずっと、黙ってたし。
何か、言いたかったんだろう。
「‥今日、さみーもんな!」
私が、言い終わるやいなや

ぎゅっ

「‥‥っ?」

澪が、力任せに抱き着いてきた。

「……」

澪は、震えていた。

「‥り‥‥りつ……」

頭の横で、力無い声が聞こえた。

「…どうした?」

私は、黒髪を撫でた。

「‥‥ッ」

黒髪は、無言で私を抱き締めた。
ちょっとだけ、嗚咽が聞こえた。

「…」

私は、やさしく黒髪を撫でた。

「……り‥つぅ‥」

コートと、肩で篭った声で、澪は言った。

「…」

私は、無言で黒髪を撫でて答えた。

「…ひぐっ‥‥」

黒髪は、懐かしい涙声をちょっと‥こらえて、言った。



「………いっしょに、いようね……んぐっ‥‥」



私は、震える黒髪をまた撫でて



……ぎゅ‥



抱き締めて、応えた。


  • 澪が可愛すぎて悶えた
    律澪最高だな -- 名無しさん (2011-12-30 12:16:32)
  • お幸せになー! -- 名無しさん (2012-01-03 17:01:34)
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