けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

30

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匿名ユーザー

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8月の、30日。
平日だけど、たまたま終日オフになった。
私と律は、何処へ行く予定も立てず。
只々、部屋でダラダラしていた。
予定、と言っても大学生活は中々忙しいし。
一年目、ともなれば上手くいかないコトもあって、ヘコンだり。
慣れないキャンパスライフに追われ、講義の後HTTの練習に集中して打ち込んでると
オフの日にどっか行こう。なんて気にはならなかった。

‥とは言っても、せっかくの夏だ。
もう、キャンパスの隅のひまわりが日照りにくたびれてるくらい過ぎてしまったけど。

「律ー」
「ん?」
「‥海、いこっか」
「あ、あぁ」

律を、海に誘った。



天気予報では、台風の進路予報とか流れてて。
数日後には荒模様になるらしい。
運良く太陽が味方して、今日は青空だった。

ずっとダラダラしてて、やっと外に出たんだ。
海に行く前に、アイスクリームショップに寄ってアイスを買った。
一刻よりは涼しくはなったけど、日中はまだまだ暑い。
お店の前のベンチに座って、二人でアイスを食べた。
おいしいねー、なんて言い合いながらアイス食べて
律に隙を突かれて大きく一口、私のアイスを食べられて‥
ちょっと拗ねてたら、こうかん!って言って律はアイスを差し出してきて
私は、ちょっと一口、律のアイスを食べた。
おいしいだろー?って言って笑顔を投げてくる律。
‥うん、って小さく頷く私。
ちょっと‥照れてしまった。
そういえば、何も無しにこうやって二人で出掛けるのも久々だったし
デートらしいデート、してるなって思ったりして。

………。

アイスのコーンをもぐもぐ、と食べ終わると
「よし、海だ!」
笑顔の律が、私の手を引いて走りだした。
とても、楽しそうで。なんか、嬉しくなった。

…ぎゅっ

私は、律の手をしっかり握って。走った。



電車に乗って、海にやってきた。
ベンチで律に手を引かれてから、ずっと。手をつないでいた。
改札を出て、少し道を行くと、海があった。
台風が来る前だからか、ちょっと波が荒れていた。
潮風が、心地良い。
砂浜には、海水浴客。
平日という事もあり、人手は少なめだった。
泳いで遊ぼう、とか何も相談せずに来た私と律は、とりあえず砂浜沿いの遊歩道を歩いた。
砂浜の端っこに差し掛かると、やがて岩山混じりの砂浜が現れた。
「ちょっと、行ってみよっか」
私は律の言葉に頷き、手を引かれて
遊歩道を外れて、岩山の方に向かって歩いた。

「やっぱ荒れてんなー」
律は、岩山に打ち付ける波飛沫を見ながら言った。
「台風、来てるしね」
私が応えると
「…このへん、かな」
律は、私の手を引いた。
岩山と砂浜の境目。丁度、二人で座れるスペースがあった。
岩をちょっと手で払って、律は私を座らせた。
すると
「澪ー。ちょっと、あっち向いてて?」
「う、うん」
私は、律が指した方向を向いた。
「そのままだぞー?」
「うん」
私は、視界の外の律に返事をした。

ザッ

律が、砂浜に降りた音が聞こえた。
‥‥何かしてるんだろうって、思った。
少し、経って
「……澪ー」
「ん?」
「こっち向いて、オッケーだぞー」
律は、砂浜から岩の上に登り、サンダルの砂を落としていた。
「‥なに?」
私は不思議そうな表情で、律を見上げた。
「ふふーん」
律は、なにやら企んでいるカオをして、得意気に笑い
「‥よっと」
私の隣に、腰掛けた。


「‥ん?」
私は、律を見た。
「澪?」
「なに?」
「アレ!」
律は、岩と岩の隙間の砂場を指さした。
「え…?」
私は、砂場に目をやった。
「っ…!」
私は、一気に真っ赤になった。
「へへー」
律は悪戯っぽく、笑った。
砂場には、ハートを頭にした相合傘が書いてあった。
その、相合傘には

「りつ みお」

律と、私の名前が書いてあった。
相合傘の傍らには、おそらく律が使ったであろう木の枝が、転がっていた。
「相合傘!!」
律は、私の手を握って笑った。
「………」
私は赤面して、無言になるしかなかった。
いつものイタズラなら、迷わず拳骨を飛ばしてる所だけど‥
‥照れて、それどころじゃかった。
「‥みーおちゅわん?」
「…」
「てれちゃった~?」
「そんなことっ…!」
律の冷やかしに、私がムキになった所で

‥ザザァッ!!

突然、岩山に大波が押し寄せた。
「おぉっ!」
「キャッ!」
思わず声を上げる、律と私。
幸い、岩山の上に座っていたので二人は事無きを得た。
細かい飛沫が、ちょっと冷たかった。
‥‥だが
「あちゃー‥」
残念がる、律。
相合傘は、大波にだいぶかき消されてしまった。
木の枝も、波に飲み込まれて海へと消えていった。
「せっかく書いたのになー」
ちぇー、っと足をバタつかせる律。
「‥残念‥‥だったね‥」
私は、やっと口を開いた。
「‥‥残念?」
するとまた、鬼の首を取ったように律が冷やかそうとしてきた。
「残念って!澪しゃん、まさか~!?」
まじまじ、と私の顔を覗き込んでくる律。
「………もうっ!」

‥ちゅっ

私は、うるさい律の唇をキスで塞いだ。

「…なっ!」

すぐ唇を離すと、すぐに律の顔が赤くなった。

「…ッ」

私は、顔を背けて律の手を握った。

‥ザザァ‥

岩山に、また波が打ち付けた。

律は、熱くなった手で


ぎゅ‥‥


‥‥私の手を、握り返した。


  • いーねいーね♪ -- 名無しさん (2012-01-23 00:25:21)
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