けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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8月21日。今日は私の誕生日。
みんなが澪の部屋でパーティーを開いてくれてお開きになった後、私は澪の部屋でみんながくれたプレゼントを眺めていた。
「りつー」
私の後ろで寝転がってるはずの澪の声がする。
「りつってさー」
「んー?」
「私に会えてよかった?」
なんだ?ノロケか?それともめんどくさい病か?
ちらりと振り返ると顔をうつぶせにしてる。どうやら後者らしい。
「どゆこと?」
「私は律に会えて本当に、心からよかったと思ってる。神様が私にくれた、最高のプレゼントだって思う」
「律に会えなかったら、人見知りで内向きで、本ばっかり読んでて、外にもほとんど出ない暗い子になったと思う」
「そうか?」
「律のおかげで180度人生を変えられたんだ。ありがとう」
なんともむずがゆい。どう反応したらいいのか分からなくて黙ってると、
「でも」
と続いた。
「律は、私に出会えてよかった?」
とりあえず全部聞こうと思って、黙っておく。
「律は小さなころから明るくて、元気で、友達がいっぱい居て。ムードメーカーで。誰にでも話しかけられて、かっこよかった」
「人を惹きつける力があって、一緒にいたらとても楽しくて。私もすごく楽しくて・・・・・・。
でも、私はそんな律に、何をしてあげられたのかな」
「私が側に居なかったら、違う出会いがあったんじゃないかとか」
「私のせいで・・・我慢したこともあったんじゃないかって」
そこまで言ったところで泣き出した。
やれやれ。ホントめんどくさい。まあ、そこが大好きなんだけど。
「忘れたのかー?好きな子にちょっかい出したって。私から澪に近づいて言ったんだから澪は何にも悪くないじゃん」
「明るくて元気があるのは認めるけどさ、それは澪が側に居てくれたからだし。澪がいなかったらみんなとバンド組めなかったんだぞ?」
「それに、ほら。勉強とか。めっちゃ澪に頼ってたし。受験勉強だって自分のことそっちのけで教えてくれただろ。おかげで一緒の大学行けたんだ。澪には感謝してる。なっ?澪のおかげで私の人生いい事尽くめじゃん?」
澪の背中をさすってやると小さく震えた。
「澪を不安にさせたことは謝る。でも、澪だってそうだぞ?いつも私ばっかり・・・」
そこまで言って気がついた。もしかして・・・。
「もしかして、澪のほうから言ってくれなかったり、シてくれなかったのも・・・・・・」
「・・・・・・律の足手まといになりたくなかった」


マジかよ。別れること考えてたなんて・・・。最低な誕生日だ。
「ちょっと、ほら。起きろ!」
嫌がる澪を無理やり座らせてこちらを向かせる。
「私は澪の側に居たい。誰よりも好きだって言い切れるし守りたいし。それが私の本音だし、夢であって、何を捨てても叶えたいって思ってる。
でも、それが一方通行だったらどうしようもないよ。叶いっこないんだから。
気持ちを聞かせてよ。澪は私のためだったら、私と別れてもいいって思ってるの?」
「ちがう」
大きな瞳からぽろぽろ涙をこぼしながら首を振った。
「ちがうよ。私も律と一緒に居たい。いつまでも、いつまでも。毎晩、そう願って眠ってた。でも、怖かった。ずっと怖かった。女の子同士だもん。もう私たちも大学生だよ?いつまでも社会の目を背けていられるわけにはいかないってわかってる。唯たちが認めてくれても世間はそうじゃないよ。私のせいで律が傷つくかもしれないなんて耐えられないよ」
「耐えられる!」
澪の目を見て叫んだ。必死だった。驚いた彼女の瞳から涙がパッ飛び散った
「澪が側に居てくれたら耐えられる。私を信じろ」
そのまま澪を思いっきり抱き寄せた。いつの間にか汗だくで、彼女の体はすごく熱かった。
「世間知らずの私だけど、この気持ちは絶対に変わらない。澪が好きだ。本気だ。」
届いてよ。一番伝えたい想い、もっと早く伝えなきゃいけなかった想いなんだよ。何度でも言ってやる。
どうして、今日澪がこんなこと言い出したのか、今わかった。
今までのズルズルした関係を清算して、ゼロから考えたかったんだと思う。
文字通り、生まれ変わるかのような。未来に向けて。
背中に手が回った。
「すき・・・大好き、だよ。律。生まれてきてくれて、本当にありがとう」
キスしてるときよりもシてるときよりも、本当の意味で今この瞬間、澪とひとつになれた気がした。

神様。ありがとう。最高のプレゼントをありがとう。


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