木漏れ日が心地良い、夏の日。
私は、木のふもと。青々と茂る芝生。
彼女の膝枕で、寝ていた。
私は、木のふもと。青々と茂る芝生。
彼女の膝枕で、寝ていた。
「りつー?」
「‥んぁ?」
「寝ちゃ、ダメだぞ?」
「‥うん‥」
「‥んぁ?」
「寝ちゃ、ダメだぞ?」
「‥うん‥」
私は、膝の上で、寝そうになった。
「まったく…」
澪は、溜め息をついた。
HTTとしてメジャーデビュー☆、して。音楽活動の、たまの休み。
暫く来てなかったしーってコトで。我が母校に遊びに来ていた。
暫く来てなかったしーってコトで。我が母校に遊びに来ていた。
夏休みで部活以外は静かな校舎を、二人で歩いた。
階段を登る度、上の方から演奏が聞こえてきた。
階段を登る度、上の方から演奏が聞こえてきた。
………音楽室だ。
HTTの原点、軽音部。
………ちゃんと、続いてるんだ。
安心した私と澪は、音楽室にだけ寄らずに。
庭の木陰で、涼を取っていた。
庭の木陰で、涼を取っていた。
「律ー」
「なに?」
「あの時の私達より、上手いんじゃないか?」
「そーかも‥な」
「なに?」
「あの時の私達より、上手いんじゃないか?」
「そーかも‥な」
澪は、木の向こうから聞こえる演奏を褒めた。
私は、澪の膝の上で、頷いた。
私は、澪の膝の上で、頷いた。
「まぁ‥よく続いてるもんだよな、軽音部も」
「そうだね」
「私と澪が、さわちゃんのトコ行ってなかったら……」
「…なかったら?」
「‥軽音部なんて、廃部になってたんだし」
HTTも、って。私が言うと
「…そうだな」
澪は頷き、私の髪を撫でた。
「んんっ‥」
私は身を捩らせた。
「そうだね」
「私と澪が、さわちゃんのトコ行ってなかったら……」
「…なかったら?」
「‥軽音部なんて、廃部になってたんだし」
HTTも、って。私が言うと
「…そうだな」
澪は頷き、私の髪を撫でた。
「んんっ‥」
私は身を捩らせた。
そーいや、高校卒業してから。入学、卒業してから。
………何年、経ってるのかな
高校卒業して、大学受かって
地道~なライヴ活動が実って
メジャーデビューまで漕ぎ着けて。
地道~なライヴ活動が実って
メジャーデビューまで漕ぎ着けて。
……気付いたら、四捨五入したら三十路、だ。
「‥夢は武道館!!なんて言ってたよな、律?」
「あ~、そーだったなぁ」
「夢まで、あと少し。だね‥」
「あぁ‥‥‥ぁ、そうだ」
「あ~、そーだったなぁ」
「夢まで、あと少し。だね‥」
「あぁ‥‥‥ぁ、そうだ」
私は腕を曲げ、澪の手を掴んで。澪の顔を見上げた。
「‥ん?」
「もう一つ、夢。あったんだ」
「なに?もう一つ、って」
「もう一つ、夢。あったんだ」
「なに?もう一つ、って」
私は、澪の手をきゅっ、と握った。
「………結婚。しよう」
「……ッ!」
澪は驚いて目を大きく見開き、見る見る内に涙目になっていった。
「…」
澪は、無言で静かに頷いて
‥ぎゅ
私の手を握って、応えた。
向こうから、軽音部の演奏が聞こえた。