けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

ミルキー・ミルキー・ウェイ

最終更新:

mioritsu

- view
だれでも歓迎! 編集

低気圧が、天の川を隠して

真っ青な空と湿気を残して過ぎ去って。

晩御飯に冷やし中華食べて。

レコーディングまでまだ休みあるしーってダラダラ、ゴロゴロする律。

私は、連れ出した。

「律ー」
「んー?」
「ドライブ、いこ?」
「んー…」
律は少し悩んで
「‥そう‥、だな」
ゆっくり、身体を起こした。
「休みだからって、ゴロゴロしてるのも良くないぞ?」
私は律の手を掴んで立ち上がらせた。
「まー、なぁ」
律は、ダラダラと着替え始めた。
すんごくやる気ない声。

‥でも、どんな態度でも私の誘いを断らない律を、私は大好きだった。



私はマンションの駐車場からクルマを発車させ、夜の街を走った。
助手席には、片肘付いてウィンドウの外を眺める律。

「‥澪ー」
「‥ん?」
「コンビニ、寄りたい」
「わかった」

コンビニに寄って、スタバのカフェオレを二つ買った。

「‥澪ー」
「‥ん?」
「‥今日、土曜日か」
「そうだな‥」

ウィンドウの外の、賑やかな街の喧騒を眺めて律が言った。
そういえば、そうだった。
ミュージシャンとか、バンドマンとか…どう言えばいいか分かんないけど。
HTTでデビューしてから。曜日感覚なんか、無くなっていた。
ソレこそ、ライヴの客入りだったり、街の様子で初めて曜日を認識したりしていた。

「‥次のアルバムのテーマ、どうすっか」
「‥んー」

ウィンドウの外を眺めながら、律が仕事の話をした。
桜高軽音部時代から、律は実質的にバンドのリーダーだった。
普段は「やる気ない感じ」でも、バンドの中で一番バンドの事を考えていた。

「‥天の川、とか?」
「この前見られなかったって、だけじゃね?」
「まぁ、ね」
「真面目に考えろよー」

私と律は軽口を叩き合った。
クルマは、街から離れた高台へと向かっていた。


ウゥン…

私は高台の空き地にクルマを止め、エンジンを切った。

「‥ん?」
「律、降りるぞ?」
「あぁ…」

私と律は、クルマから降りた。

バタン

「‥おぉー!」
「‥綺麗!」

クルマのドアを閉めると同時に見えたのは夜空と、そこに散りばめられた星達だった。
街から離れた高台は、絶好の夜景スポットだった。

私と律は、クルマの前で並んだ。

「キレイだなー」
「ホント‥」

どちらからともなく手を繋ぎ、ボンネットに腰掛け、夜空を見上げた。

「七夕に晴れてくれれば良かったのになー」
「ね、ホント」

私は左手で律の右手、律は右手で私の左手を、握り締め合った。

「…」

私は、頬を赤くして、沈黙した。

「‥どした?」

律は、ちょっと心配そうに。私の顔を覗いてきた。

「…」

ちゅっ

私は、律の唇にちょっと。くちづけした。

「‥っ」

律は、ちょっとだけ。驚いた。

「‥キス、したかった」

七夕、曇ってたし…と、私は俯いた。

「…そっか」

律はふふっ、と笑った。


‥七夕の夜。天の川が光る星空を見ながら。キスしたかった。


そんな私の希望を、律は汲み取ってくれたらしい。

「‥みお?」
「‥なに?」

律は私に声を掛けると左手で私の顎を摘み

ちゅっ

律は、私の唇にちょっと。くちづけした。

「……」

私は結構、驚いた。

「‥天の川、だけどさ」
「‥うん」
「彦星と織姫って、一年に一回しか、会えないんだよな?」
「うん」
「‥じゃ、天の川じゃなくても。平気だな!!」

律はニカっと、笑った。

「‥へいき?」
「あぁ!」

ちゅっ

律はまたちょっと、くちづけて

「私と澪は、ずっと一緒だからな!」

またニカっと、笑った。
彦星と織姫は一年に一度だけど。私と律は、常にいっしょ。

私は嬉しくなって。顔を赤くしてうつむき

「ずっと、って…」
「ん‥?」
「‥どのくらい?」

ちょっと、意地悪な質問をしてみた。
すると、律は

「‥ま、とりあえず。あの世の先までは、一緒だな!」

へへっ、と笑った。

「…そうだな」

私は頷き


「来世でも、いっしょ。だろうな」


キスをした。


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー