けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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投稿日:2010/01/15(金) 00:33:30

「よし、時計もしっかり合わせたし、あとは時間まで待つだけだな」

もうすぐ澪の誕生日。
仲良き幼馴染みの1年に1度の特別な日だ、どこの誰よりも早く祝ってやろうじゃないか。
そう決心した私はケータイを握りしめ正確な時を刻む時計とにらめっこしている。
試験勉強は……まあ、親友のため一時休止ってことで。
もう時期が時期だけに普段はちゃんと勉強してるんだからな。
今はあくまでも一時休止、勉強より親友が大事だもんな。
っと、そんなことを考えてる間にもう時間だ。

「……3、2、1、0!」

私は時計の数字が全て0になるのと同時にケータイのボタンに力を込めた。

    ◆     ◆     ◆

もうすぐ私の誕生日。
今までなら手放しで喜んでいられたんだけど今年はそういうわけにもいかない。

「えーっと……、ここをこうして……」
と、こんな感じで来たる受験シーズンに向けて勉強中。
どうやら今年は参考書とにらめっこしながら誕生日を迎えることになりそうだ。
ま、こんな迎え方も高校生らしくていいかな、なんて思ったりもするけど。

ふと時計に目をやると間もなく日付が変わろうとしていた。

「もしかして律は0時ジャストにお祝いのメールくれたりするのかな? うん、きっと送ってくるな」

もう長いつきあいだ、律の考えることはある程度想像できる。きっと数秒後、携帯電話が着信を告げるはず。
心の中でカウントダウンをしながら携帯電話を眺める。
(3、2、1、0……)
カウントダウンが終わった直後、着信を知らせる携帯電話。
ほらね、思った通り。少し勝ち誇った気持ちで携帯電話を手に取る。
……あれ、違う。電話だ!





    ◆     ◆     ◆

「澪、誕生日おめでとう」
「あ、ああ、ありがとう。にしても電話してくるとはな。メールは送ってくるんじゃないかとは思ったけど」
「やっぱこういうのって言葉で伝えたほうがいいだろ」
「そうだけど、でもそれなら明日学校で言えばよかったんじゃないか」
「誰よりも早く澪の誕生日をお祝いしたかったんだよ」
「そっか……、ありがと」
「なあに、いいってことよ。ところで今さらだけどさ、電話して大丈夫だった?」
「ホントに今さらだな。勉強してたところだから律の声聴けて、ちょうどいい気分転換になったよ」
「そうか。もうすぐ本番なんだから、あんまり夜遅くまで無理すんなよ」
「そういう律はちゃんと勉強してるのか?」
「もちろん! このままじゃセンターで満点取っちゃう勢いだぞ」
「あれ? 起きてるのに寝言か?」
「……電話しなきゃよかったかな」
「うそうそ、冗談だって。律も頑張ってるもんな」
「お互いこの努力が報われるといいな」
「そうだな。そのためにあと少しの頑張りだ。みんなで笑って春を迎えよう」
「それじゃそうなるように私ももう少し勉強するとしますか。澪、さっきも言ったけど、あんま無理すんなよ」
「それはお互い様だろ」
「そうだな。それじゃ澪、改めて誕生日おめでとう」
「ん、ありがと」
「きっと明日会ったらまた言うんだろうけどな」
「何度言われても嬉しいもんだよ」
「じゃあ何回も言ってやるから楽しみにしとけよ。それじゃ澪、おやすみ、また明日」
「おやすみ、律、また明日」

    ◆     ◆     ◆

ふふ、澪のやつ、少し慌ててたな。
まさか電話してくるとは思ってなかっただろうな。
まあ、こんな時間に電話するってのも非常識な気がするけどそこは御愛嬌。
長いつきあいなんだから少しくらい大目にみてくれるだろうし。
さてと、1つ目のサプライズは終了、っと。
さあ、まだまだ誕生日の1日は始まったばかり。
澪しゃん、たくさんのサプライズ、楽しみに待っててくださいよ~。

    ◆     ◆     ◆

ふう、まさか電話してくるとはね。
律のほうが一枚上手だったってことかな、くやしいけど。
でも、声聴けてホントにいい気分転換にはなったな。
なんか律の声は安心するんだよなあ。
さて、心機一転、もう少し勉強頑張るか。
みんなと、律と、笑って春を迎えられるように。



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