けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

赤ワイン

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mioritsu

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今日は、父の日だった。
日中、律と買い物して。その時に一緒に父の日プレゼント買って。
夕方にHTTの練習に行って。その後は、各々実家に帰ってパ‥‥父さんにプレゼントして。
夜、帰れるようなら互いに連絡して、アパートに帰ろうって事になっていた。

私は実家で久し振りに晩御飯を食べ、パパ‥‥もういいや。パパにプレゼントのGUCCIのネクタイあげて。
パパは凄く喜んでくれて、ポロシャツのまま「締めてみていいか?」なんて言いながら封を空けて締めて見せた。
ママも笑顔で褒めてくれて。私も、笑顔で。一家団欒を楽しんだ。
夜が更けない内にママが「そろそろ、アパート戻ったら?律ちゃんが待ってるんでしょ?」って気遣ってくれて。
パパも「コレで、パパも暫く寂しくならないからな!」とか笑ってて。
まだ律から連絡は来ていなかったが、ママの言葉に甘えてアパートに帰る事にした。
実家を出てから律に、メールした。
もし律が実家に泊まっても、私は大丈夫だよって一言添えて。
一応コンビニで寝酒を買って、アパートに帰った。

アパートに帰って、エリザベスを所定の位置に仕舞い、買い物袋を広げた。
化粧水と洗顔フォームを洗面台に置いた所で、インターホンが鳴った。
律が、帰ってきた。
「たーだいまーっ♪」
「おかえり」
ただいま、とおかえり、のキスをして。
リビングで今日の買い物の整理をしつつ、お互いの実家の近況報告をした。
私のパパとママは相変わらずで、律のパパとママも相変わらず。
聡に彼女が出来たとか出来てないとか、ビッグニュースもあった。
真相は、本人がはぐらかしたらしく、闇の中らしい。
「どっちにしろ、近い内に挨拶に来させなきゃな!!」
律は自分の事のように喜んでいた。
私達の関係はどう説明するんだろう…なんて野暮なギモンはとりあえず置いといて。
一通り買い物の整理が済み、二人ともパジャマに着替えた所で。
「あ、澪ー」
「なにー?」
「じゃーん!!」
「へ!?」
「赤ワイーン!!」
律がバッグからゴソゴソと取り出したのは、赤ワインの瓶と、コルク抜きだった。
「ど、どうしたんだ?買ったの?」
「いんや」
律は首を振り
「父さんがゴルフコンペやらなんやらで沢山貰ったらしくてさ。余ってるから良かったら持ってけって」
事情を説明した。
「プレゼントした矢先に貰うのもアレかと思ったんだけどさ」
余しとくのもアレだよなーって、律は笑った。
「へぇ~」
私は赤ワインの瓶をまじまじと見つめた。
「‥飲んでみよっか?」
「‥うん」
律の誘いに、私は頷いた。
「よーし!じゃ、待ってて」
律はキッチンからグラスを二つ持ってきた。
「‥色気無くて、ゴメンな」
「別に、大丈夫だよ」
私が笑顔で答えると、律は手際良くコルクを抜いた。
「律。手馴れてるな」
「父さんの晩酌に付き合う事もあったからなー。ほら」
律は私のグラスにワインを注いだ。
「ありがと。じゃ、律も‥」
私は律のグラスにワインを注いだ。
「サンキュ‥」
律は少し頬を赤く染めた。
「‥ん?どした?」
「‥いや‥えっと‥」
律は深呼吸して、グラスを差し出してきた。
私も応じて、グラスを差し出した。
「……君の瞳に、乾杯っ‥」
律は照れに照れながら、言った。

………………。

少しの間。静寂が支配した。
‥‥が、私は耐え切れなくなり
「‥ぷっ!」
吹き出した。


「笑うなよ‥」
律の顔は真っ赤だった。
「いや、キザっていうかなんていうか‥ぷっ!」
「笑うなー!」
「じゃあ、なんで言ったの?笑うに決まってんじゃん!」
「澪に・・言ってみたかったんだよ・・」
律はそういうと、少し拗ねた。
「・・ふふっ」
まぁ、そんなことだろうとは思ったが、敢えて言わないでおいた。
その代わり
「りーつ」
「・・・ん?」
「ほら。グラス」
私は、グラスを差し出し、拗ねる律にグラスを差し出すように促した。
「・・うん・・・」
律は渋々グラスを差し出した。
私は律の瞳を見つめ
「・・美しい君に、乾杯」
グラスを鳴らした。
「・・・」
律は、少々唖然とした。
「・・律?」
「…あ、あぁ。か、乾杯」
律は戸惑いながら、グラスに口を付けた。
「・・くすっ」
私は顔を赤くした律の顔を見てから、グラスに口を付けた。
「…あ、美味しい」
赤ワインは、美味しかった。
「そ、そうだな・・」
律は、どこか戸惑ったままだった。
「…」
私は少し呆れて、律の隣に身を移した。
「・・なに?」
律が前を向いたまま、聞いてきた。
「緊張、しちゃうからさ・・」
私は律の肩に頭を乗せて答えた。
「緊張?」
「うん・・・」
私はグラスを傾けてワインを一口飲んでから

「美しい君が目の前に居ると、緊張しちゃってさ…」
そう言って、グラスを置いた。
自分でも何言ってるんだ、と思ったけど。
実際、律は美しいと思うし、そんな律をからかうのも面白いし・・
ま、いっか。と思った。

「…」
案の定、律は照れた様子でワインを一口飲み、グラスを置いた。
そして

ぐいっ

私を強引に抱き寄せ、キスしてきた。
見え透いた、照れ隠しのキス。

ワインの酸味と律の唾液の甘味が、私の口に侵入してきた。
私が律の唇を一通り舐めると、唇は離れた。

私は、美しい律の顔を見上げ、聞いた
「・・ワイン、美味しい?」

律は、答える代わりに、またキスしてきた。
私は、腕を律の背中に回した。

小さい頃。父の日はパパにプレゼントあげて。
喜ぶパパが嬉しくて抱き着いてたけど・・

ごめんね、パパ。


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