けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

カモメ

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集

海沿いの道を歩く

潮風が私の髪を持ち上げる

あいつがここに居たらきっと褒めてくれるんだろうな

 『きれいなかみだねー!』

あの人の声のように、ぴゅうと海鳴りの風が通った


……

私は今大学3年生

日々勉強に就活に励んでいる。…もちろん友達作りにも

そして、律が留学してから1年になる

便りはほとんど無い

まさか本当の渡り鳥になるなんて思わなかった

それでも私は待ち続ける

 あの人が、待っていてくれ と言ったから

 私は明日を捨てて海を渡り、律に逢おうとはおもわない

 あなたがくれた明日だから、

  あなたの腕が 迎えに来てくれる筈だから



……


防波堤に腰掛けて、水平線を眺める

さんさんと照る太陽が水面に照り返して眩しい

「夏だなあ」

思わず口にしてしまう


私がこの町でひとり暮らしをはじめてもう半年になる

とにかく海の見えるところに住みたかったんだ

律と、繋がっていられる気がしたから

……

くー   くー

一羽のカモメがひゅるひゅると飛んでいる

くー    くー

そこにもう一羽、カモメが飛んでくる

くー くー

二羽のカモメは、寄り添いながら、水平線の向こうへきえていった



私は立ちあがって、両手を思い切り広げる

また潮風が吹く。私のワンピースが翻った

どれだけ私が腕を伸ばそうと、羽が生えてないんだ 飛べっこないんだ

それでも腕で翼を創りつづけた

カモメになりたくて、律に逢いたくて


でも、私は人間。あなたの許へは飛んで行けないの


だから、せめてと、

 「りつ」

あなたの名前を、呼び続けてるの


おわり



おまけ

……

「ムギの教えてくれた住所からしてこのへんなんだけどなあー」

「んー…迷子だ」

   「りつ」

「!?」

くー   くー

「(なんだ、カモメか…ん?)」

「あはは…カモメにでもなろうってか?」


「おーい!」


ほんとに終わり


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