卑怯者 - けいおん！澪×律スレ @ ウィキ

近付く、高校生活最後の文化祭。
私と律は不本意ながら「ロミオとジュリエット」の主役を任され…。
それでも稽古の成果か。結構、サマになってきた。
放課後に稽古して、帰ってからも律の家で稽古して。
聡も最初は笑っていたが、今や晩御飯の食卓で上達振りを感心する位になっていた。

今日も、律の部屋で稽古中。

「私は律が演じるロミオを想像し、律は私が演じるジュリエット」を想像する手法を編み出した私達は、サクサク稽古をこなしていった。
で、ある意味ハイライトのシーン。

ロミオとジュリエットが、抱き合うシーン。

まず、ロミオが石垣を乗り越えて、ジュリエットに逢いに来る。
私達はベッドをお城に見立てて、ベッドの上をバルコニーに見立てた。
私は、ベッドに上った。
「何故ここに…屋敷の石垣は高くて簡単には登れないのに…」
ジュリエット役に入り込んでる律。
普段から色々と演技してちょっかい出してるだけあって、中々の演技。
私は、律‥もとい。ジュリエットと対峙した。
「高い石垣等、恋の軽い翼で飛び越えて見せましょう」
律が入り込んでるお陰で、私も入り込めた。
「おお‥ロミオ‥」
「ジュリエット‥」
私とジュリエットは、見つめ合った。
ジュリエットの目が、本気だった。
私も、本気で見つめた。

「ロミオ‥」

「ジュリエット‥」
ココで、ロミオとジュリエットは、抱き合う。

私が、ジュリエットの背中に腕を回す。
ジュリエットも、私の背中に腕を回す。
役に入り込んではいるけど、何度練習してても多少の意識はあった。
そして

ぎゅっ

って、抱き合う筈だったんだけど。
互いに身体を寄せ合った、その瞬間。

ちゅっ

えっ

『……………』

ジュリエットは、私の唇を奪った。
役に入り込んでいた私は、唇を奪われたまま。ジュリエットを抱き締めた。
ジュリエット‥‥じゃない。律は、私の唇を奪ったまま、私を抱き締めた。

「…っ」
私は面食らったまま、目を見開いていた。
律は、目を閉じていた。
狙っていた事は、明らかだった。
律は瞼を微かに動かしながら、舌先で私の唇をくすぐってきた。
柔らかくて滑らかな感触が、私の身体の力を少し、奪った。
緩んだ私の唇に律の舌は、いとも簡単に侵入してきた。

「んっ…っ!!」
私は、思わず力んで目を閉じた。
律は、優しく抱き締めてきた。
律の舌が私の口を掻き回して。
唾液が混じり合って。
甘い味が、拡がった。

「‥んふぅ‥」
私は、やっと唇の隙間と鼻で息をした。
拡がった甘い味が、私の胸の奥をぎゅうっと締め付けた。
律は、私の背中を撫でつつ、抱き締めた。

ヤバい、オチる。

私は、甘い味に酔い、ゆっくりと脱力した。
律は、私を抱き締めたまま、腰を降ろした。

唇も、くっつけたまま。

律は器用に、合わせた口から溢れる唾液を唇で掬いながら。
私をベッドに寝かせた。
私は、律の舌に意識を持ってかれそうになりつつ、堪えていた。
律の舌使いに時折、身体を震わせながら。
律の腕が、私の胸の辺りに移って、何かしていた。
肩の辺りに、違和感を感じた。
‥‥けど。ソレどころじゃ、なかった。

れろっ

「っんはぁっ!」
律の舌は、私を解放した。
オチ掛けていた私は、なんとか理性を取り戻した。
「‥なに、するんだよ‥」
肩で息をしながら、私を見下ろす律に目線をやると
「‥‥キス」
律は、優しく答えた。
「なんで‥キス、とか‥」
私は気が気じゃない心境で律を睨んだ。
律は、私の頬を撫で
「キス、だけ…」
優しく、微笑んだ。
「…キスだけって…。い、いいけど…、いや、よくないけど!」
オチ掛けていた私は口を滑らしたが、何とか抑え。
抵抗しようと、身体を起こそうとした。
「‥っ!?」
思うように、動かない。
「なっ‥!?」
気付くと、私はブラまで、露にしていた。
私がオチ掛けてる間に。
律は私のブレザーを中途半端に脱がせ、シャツのボタンをひとつ残して外し。
シャツを中途半端に、脱がせていた。
腕が、思うように動かなかった。
「‥今日は、ピンクなんだな?」
律は、優しくも、意地悪く話し掛けてきた。
私は恥ずかしさのあまり、唇を噛んだ後
「劇の練習はどうするんだよ…!?」
静かに、怒鳴った。
律は、カチューシャを外し
「あとで…、な?」
私の頭を撫でてきた。
前髮が降りた律。
私の弱点の一つは、前髮が降りた律だった。
律は、ソレを知っていた。

ゆっくりと顔を近付けてくる、律。

「‥‥‥卑怯者」
私は、口だけの精一杯の抵抗をした。

「…」
律の顔が、私の首元に降りた。

「‥ぁっ!」
律の唇が、鎖骨に触れた。
律を抱き締めたかったけど、上手く腕を動かせなかった。

「‥」

くっ

律は、無言で私の鎖骨に歯を立てた。

その瞬間、私は、オチた。

• 攻め律は美味しいなｗｗｗ -- 名無しさん (2011-07-28 18:42:04)