投稿日:2010/01/01(金) 02:37:56
「澪ーみかんとって」
「お前の方が近いだろ、ったく」
「お前の方が近いだろ、ったく」
なーんて言いつつも、ちゃんと渡してくれるあたりが、澪らしい。
受け取ったみかんを剥いて。ひとつ、口に放り込む。
…すっげー甘くて、美味しい。
受け取ったみかんを剥いて。ひとつ、口に放り込む。
…すっげー甘くて、美味しい。
「澪、このみかんすっげー甘いぞ」
「そう?・・よかったな」
「そう?・・よかったな」
甘そうなの選んで渡してくれたんだと思ってみる。
…自惚れかな。
…自惚れかな。
「ほんとに甘いぞ、ひとつ食う?」
「うん、もらう」
「うん、もらう」
澪がこっちを向いてきたので、その口にみかんを放り込む。
「どーだ?」
「ん。・・あ、ほんとに甘い」
「だろー!さっすが私!」
「選んだのは、私だぞ」
「ん。・・あ、ほんとに甘い」
「だろー!さっすが私!」
「選んだのは、私だぞ」
まったくもって、そのとおり。
…だけど。
…だけど。
「澪が私のためにって選んでくれたやつが甘かったんだから、私が凄いんだぞ!」
「んなっ!・・・い、意味がわからん」
「んなっ!・・・い、意味がわからん」
否定をしてこないってことは、自惚れじゃなかったってことだよな?
そう思ったら、たまらなく嬉しくなった。へへっ。
だから、顔を赤らめて視線をそらす澪に近づいて、抱きついてみる。
そう思ったら、たまらなく嬉しくなった。へへっ。
だから、顔を赤らめて視線をそらす澪に近づいて、抱きついてみる。
「・・ん、どしたの?」
「んー、なんとなく」
「そっか」
「んー、なんとなく」
「そっか」
くっついてみたら、澪は落ち着いた声で問いかけてきて。
…ついさっきまで、恥ずかしがってた癖に。
…ついさっきまで、恥ずかしがってた癖に。
「澪」
「ん?」
「これからも、よろしくな」
「・・こっちこそ、これからもよろしくね」
「ん?」
「これからも、よろしくな」
「・・こっちこそ、これからもよろしくね」
…なんだか変な感じ。
澪もそう思ったらしく、二人して笑いあう。
澪もそう思ったらしく、二人して笑いあう。
「澪」
「今度はなんだ?」
「今度はなんだ?」
みかんを食べて、くっついて、笑い合って。
こんなふうに過ごす時間が、なんだかあったかくて。
こんなふうに過ごす時間が、なんだかあったかくて。
「私、いますっげー幸せ」
澪も、澪もそう思って、くれるかな。
「・・・律」
私を呼ぶ声と共に、頬に添えられる手。
そして。
そして。
「私も」
私が望んでいた声と共に、唇に柔らかい感触が、した。
おわる。