けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

律のお願いを断ってみた

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

定期テストが近づいてきた木曜日の帰り道
「澪ちゃ~ん。勉強おせーてー」
案の定律が泣きついてきた。
「やだ」
当然私は断る。テスト勉強は自分でやらないとためにならないからな。
「え~、そんなこといわないでさ~。ね~お願いみお~」
いつものように律は食い下がる。でも今度という今度はちゃんと断る
んだからな。
「ダメだ。自分でやらないと律のためにならないからな」
「そんなこといって~結局は教えてくれるんでしょ?澪しゃんやさし~」
あ、この言い方なんかカチンときた。そりゃいままでそうだったけどさ。
「今度という今度はダメ。律はやればできるんだから自分で頑張りなよ」
家についたので私は律をほっといて家の中に入る。
「みおのばかーおにーひとでなしーおっぱいおばけー」

……外から何か聞こえるけど無視しよう。とりあえず明日一発殴ろうかな。

「ごちそうさま」
夕食を食べ終えて私は部屋に戻る。さあ、私も試験勉強をしよう。
「おかえり」
何故か私の部屋にヤツがいた。ああデジャブ。
「この漫画おもしろいね」
「漫画読んでてもいいから私の邪魔するなよ」
私は律の前を素通りして机へとむかう。
「みーおしゃん。澪しゃんが大好きな駅前のガトー」
「太るからいらない」
同じ手がそう何度も通じると思ったら大間違いだぞ。
「なっ!あの食いしん坊の澪がガトーショコラを断るなんて!!」
後ろから律のおおげさな台詞が聞こえるけどそんな安い挑発にも乗らない
んだからな。私は黙々と勉強を始める。
「…………」
「…………」
「…………」
「澪…ほんとに勉強教えてくれないの?」
「うん。自分でやらないと身に付かないからな。」
「どうしても?」
「どうしても」
「そっか…んじゃ帰るな」
「ああ、律も頑張れよ」
しょんぼりして帰る律に胸が少し痛んだけどこれも律のため。
心を鬼にしよう。


翌朝いつものところで律と合流する。律はなんだか少し元気がない。
昨日一生懸命試験勉強して疲れてるのかな。
「律、試験勉強はちゃんと進んでるか?」
「あーうん。まあなー。」
気のない返事。まあ普段真面目にやってない分苦労はしてるのかな。
この分だと放課後にまた泣きついてくるかも。でも、うん。今回は
律のために心を鬼にするんだからな。これは律のためなんだ。


そして放課後。試験前なので部活は休み。私と律は寄り道せずにまっ
すぐ家に帰る。
「澪」
きた!でも今回は何度お願いされてもダメなんだからな。
「何、りつ」
「……ん、なんでもない。じゃあな」
律は大人しく帰った。あれ?おかしいな。ちょっと拍子抜け。
まあ律も今回は自力でやる気になってるのはいいことだし私も頑張ろう。


土曜日。私は朝から机に向かう。なんか昨日から勉強が捗らない。
「なんか調子でないな。そういえば律もちゃんと勉強してるかな」
なんとなく独り言。テストの点数で律に負けるわけにはいかないしちゃ
んとやらないと。私は気をとりなおして教科書に視線を戻した。

ふと時計に目をやると二時間が経過していた。キリもいいしちょっと
休憩しようかな。
「律、メールもよこさないけど大丈夫かな」
携帯を手にとりチェックするが着信もメールも無い。
「律、わからないとことかないのかなあ」
また独り言。
てか、さっきから律のことばっか考えすぎだろ私!!
まったくもう!普段全く勉強してない律がちゃんと試験勉強できるわけ
ないよな。律が赤点とって追試とかになると軽音部の活動に支障が出る
んだからな。補習で一緒に帰れないとかイヤなんだからな。
「ああもう!!律が悪いんだからなっ!!」
私は勉強道具と荷物を持って部屋を出た。


「お邪魔しまーす。あ、おばさんこんにちは」
勝手知ったる律の家。私は律のマお母さんに挨拶し階段を登る。
「入るぞー。律、勉強すすんでる~?」
私は律の部屋のドアを開ける。
「………」
「…………」
「…………………」
「律…何…してるんだ?」
「…ァ…RPGのレベル上げ…」
スタスタスタスタスタ………ガツン!!!!!!!!!!


「なんだ、あんまり進んでないじゃないか」
律のノートを開いてみるとやっぱりよろしくない状態だった。
「だってわかんないんだもーん」
「だもーんじゃないだろ。律が赤点だとみんなが迷惑するんだぞ」
「ぶーぶー」
「ほら、どうしてもわからないとこは教えてやるから勉強するぞ」
「えっ!教えてくれるの?」
「はぁ…しょうがないだろ…このままじゃ律、赤点確定だもん」
「ありがとみおー」
律がぎゅうっと抱きついてくる。はあ…現金なやつ。

それからテーブルに教科書とノートをならべて二人で勉強を始めた。
要点を教えてあげると律は多少は苦労しながらも問題を解いていく。
やっぱり律はやればできるんだよなあ。その後も黙々と勉強をする。

「えへへ」
「何ニヤニヤしてるんだよ気味が悪い」
さっきから律は異常に機嫌がいい。どうしたんだろ。
「なんでもないよーん」
ノートに落書きでもしてるのかと思って覗いてみる。あれ?落書き
どころか思ったよりも勉強が進んでる。ほんとにどうしたんだろ。
その後も律にしては珍しく緊張が途切れることなく勉強が進んだ。

律の家で晩ごはんをごちそうになり、律の部屋で食休み中。
また律はニヤニヤしてる。
「なんだよ律。今日はやけに機嫌がいいな」
「ん~なんでか知りたい?」
「うん。」
「だってな、みおが勉強教えてくれてうれしいんだもーん」
「なんだよそれ」
「んーあのな、澪に勉強教わるの断られて…実はちょっとショックだ
 ったんだ」
「え?」
なんだか意外な答えが返ってきた。
「なんだよそれ」
「澪が私のお願いきいてくれるのって当たり前じゃなかったんだなって」
ちょっと律の表情が曇ったと思ったら途端に満面の笑顔で
「でも澪はやっぱり最後には私のお願いきいてくれるだなー」
律は私におもいっきり抱きついてきた。
「こら、はーなーせー」
「やーだー」
「はーなーれーろー」
「やーだーみぃーおーちゅーしようぜー」
「なっおいやめろりつぅ~」
「今夜は寝かせないぜ子猫ちゃーん」
「ああそうだな。今夜は徹夜で勉強だな」
「へっ!?」
私は律を引き剥がしてノートに視線を向ける。赤くなった顔なんて見せて
やらないんだからな。
「なんだよーノリが悪いぞみおー」
律がブツブツ文句をいう。でも今日はダメ。試験勉強はちゃんとやらないと。
「ちゃんと勉強やらないなら帰ろうかな」
私はノートに視線を向けたまま律にそう告げる。
「わっかりました!ちゃんと勉強します!!」
ほんと現金なやつ。でもほんとにかわいいやつ。

私のほんとに大好きなやつ。


悪戦苦闘する律に要点を教えながら勉強を続ける。要点をつかんできたせい
かだんだん律が質問してくることが減ってきて二人で黙々と勉強する時間が
続いた。ふと律の方を見ると……寝てる。
またこいつは…そう思って律のノートを見ると…あれ?ちゃんとできてる。
ちゃんと真面目にやってたんだな。飽きたんじゃなくて疲れて寝ちゃった
のか。
「しょうがないな」
律に毛布をかけてあげる。せっかく勉強したのに風邪ひいちゃったら元も
子もないもんな。
「ノートによだれたらすなよ」
ふとつぶやきながらスースー眠る律の寝顔を見る。寝顔はほんとに無邪気
でかわいいな。いつものうるさすぎるほどの律とはまるで別人。
「私はお前のお願いを聞いて当たり前…か」
律のおでこをつついてやると「んんっ」なんて声が聞こえる。
律のやすらかな寝顔を見てたらなんだか私まで眠くなってきちゃった。
このペースなら明日もみっちり勉強やれば試験には十分間に合うかな。
そのためにお泊りセットももってきたし今日はこのままお泊りしちゃお。
私も一眠りさせてもらって目が覚めたら律と一緒にお風呂入って髪が乾く
までおしゃべりして…そんなことを考えてたらほんとに眠くなってきた。

律の抱き枕を抱き締めて横になる。
…結局律に勉強教えることになっちゃったな…でもやっぱり律を放って
おくと落ち着かないし…ああまぶたが重い…やっぱりりつがわるいんだ
からな…目を閉じる…勉強しかしてないけどなんだかんだで今日は楽し
かったな…


やっぱり私に本当に律のお願いを断ることなんてできないんだろうな…
そんなことを考えながら私は眠りにおちた。

おしまい


  • なんだかんだで、澪は優しいな -- アクティブ (2012-04-22 15:33:26)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー