私は、寝ていた。
律に、抱き着いて。
夜まで、仕事して。
深夜に、酔っ払った律を迎えに行って。
マンションに帰るなり、律に押し倒されて。
・・・一頻り、愛し合って。
明日は土曜だし、シャワーは起きてからでイイやって思って。
果てたまま、律に抱き着いて、眠った。
気付いたら、律は居なかった。
後ろから聞こえる物音から、律は寝酒を取りに行ったみたい。、
律の足音が近付く。
律が、私の隣に寄り添った。
プシュッ
律は缶ビールを開けた。
一口飲み、私の頭を撫でた。
私は起きてたけど。寝たフリをして、律の腰に擦り寄った。
律は、私の髪越しに肩を撫でた。
寝たフリをしている私は、寝言を言うフリをした。
「律・・・」
「・・・ん?」
律が気付くと、私はムニャムニャと寝たフリで、呟いた。
「あったかい・・」
律は、私の頭を撫でた。
あったかい、律の手。
あったかい、律の身体。
あったかい、律の身体。
律はビールを飲み干すと、空き缶をヘッドボードに置いた。
布団の中に入ってきた。
私はムニャムニャと、律に抱き着いた。
律は、私を抱き寄せた。
私は、寝たフリで、囁くフリをした。
「りつ・・」
「・・ん?」
「あいしてる・・」
律のふふっ、と笑う声が聞こえた気がした。
私はそのまま、眠った。