けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

おあずけ

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匿名ユーザー

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高校三年の、春。
新歓ライヴが終わった。
校内のみの活動とは言え、放課後ティータイムの演奏もだいぶ上手くなっている事を実感した。
律も、部長としてサマになってきたな……と思って。
日頃の感謝の気持ちを込め、プレゼントを買う事にした。



私は、和と喫茶店へ来ていた。
「いいの……?澪」
「大丈夫だって。やっぱり、軽音部が活動出来てるのも和のお陰だし」
私は、律へのプレゼントの買い物に付き合ってもらうついでに、和に紅茶とケーキをおごる事にした。
実際、和には何度も助けられてるし…。
「じゃあ……ありがたく、いただくわね」
「うん。いつも、ありがとな」
「そうね…一年生の頃は、正直、不安ばかりだったもの」
「あ、あぁ…」
「あの唯が軽音部に入る、とかギター始める、とか。凄く驚いたし…」
「う、うん」
確かに、幼馴染みの和にとってはとてもセンセーショナルな出来事だっただろう。
「…でも、軽音部に入って成長したなって思うの。毎日、凄く楽しそうだし」
和は紅茶を一口飲み
「軽音部の皆の、お陰ね」
ニコッと、笑った。
「あ、ありがとう…」
私は思わず照れた。
「でさ、澪」
「ん?」
「律、怒ったりしてない?」
「いや、大丈夫だけど」
「ならいいけど……ずっと前だけど、揉めたりしたじゃない?私と澪が買い物に出掛けたりした時」
一年の学園祭直前の時の話、だ。
「そんなことも、あったな…」
私は溜め息混じりに懐かしくなった。
「…律、何か言ってなかったの?」
「あぁ。私が「和と出掛けて来る」って言ったら「いってらっしゃーい」、みたいな」
「へぇ…」
和は一呼吸置いて
「律も、大人になったのね」
またニコッ、と笑った。
「そ、そうだな!ははは…」
私は何故か照れた。

「ふふっ」
そんな私を見て、和はまた、ママみたいに、笑った。


翌日の放課後。私は「渡したい物がある」と伝え、律の部屋を訪れた。
「で、昨日は和ちゃんとドコ行ってきたのかな~?」
律は私と律のブレザーをハンガーに掛けながら、おどけた。
「べ、別に…」
「冗談だよ、冗談」
律は微笑みつつ
「で、何ー?渡したい物って」
テーブルを挟んだ私の向かいに座った。
「あ、あぁ…」
私はバッグから昨日買ったプレゼントを取り出した。
直接律に付けたくて、ラッピングとかはしなかった。
「律、こっち来て」
律は私に誘われると、立ち上がった。私も、立ち上がった。
「……何?」
律は私の手に下げられたプレゼントを見つめた。
「新歓ライヴ頑張ったからさ。それに、いつも部長としても頑張ってるし、ごほうびだ!」
「ごほうびって、犬じゃねーんだし…」
律は、照れた。
私が手にしているのは、黒の革紐に、シルバーで作られたクロスモチーフのペンダントトップが通されたチョーカー。
「…律なら、こういうのも似合うかな、って…」
「う、うん」
私と律は、立ったまま、照れ合った。
「……じゃ、律わん、リボン取って」
「り、律わん?」
「うん、律わんに、ごほうび付けてあげるからさ」
「だから、なんで律わん?」
「なんとなく。言われてみると律、犬っぽいしさ」
「犬かよ…」
「じゃ、猫がいい?」
「いや、犬がいい、かな…」
「じゃ、律わん、早くリボン取って、ボタン外して?」
「……絶対に唯達の前では言うなよ…」
私は二人きりの時なら呼んでイイんだ、と解釈した。嬉しい。
律わんは渋々リボンをほどき、シャツの第二ボタンまでを、外した。

どきっ

開いたシャツの襟元から律わんの鎖骨が覗き、思わず胸が鳴った。
「……じゃ、付けるね」
「う、うん…」
私は緊張気味に律わんの首に腕を回した。
顔が近付いて、またどきっとした。
なんとか、革紐を結んだ。
「…」
「…」
律わんの首元に、シルバーのクロスが輝いた。
「…似合ってる!似合ってるよ!律わん!」
「…ありがとう!澪にゃん!」
私達は手を合わせて喜び合った。

…ん?

「みお…にゃん?」
「うん、澪にゃん」
律の反撃が始まった。
「なんだよ、澪にゃんって…」
「だって、私だけ律わん、とか言われてもさ」
「だからってにゃん、とか」
「いやいや~澪って猫っぽいじゃん?それとも澪わん、とかの方がイイかー?」
「…澪にゃんの、方が…」
「じゃ、澪にゃん、な!」
律わんはニカッと笑った。悔しい。
悔しいから、反撃する事にした。
私は、座って両手を床に突いた。
「…なに?」
不思議な顔をする律わん。
「…にゃあ」
「え?」
「にゃー、にゃー」
私は、猫の鳴き真似をした。
「…澪にゃん、そういう事か!」
やっと納得した律わん。自分で言っといてそりゃないだろ、と思ったが。
「にゃあ…」
私は、律わんの脚に擦り寄った。
細くて、筋肉質でしなやかな脚。
私は、その脚に髪を擦り付けた。


「ぅわっ!!」
声を上げる律わん。
律わんはからかうと、面白い。
「な、なにすんだよっ!!」
「…にゃあ」
私は構わず擦り寄った。
「わわっ!!」
律わんはたまらず後ずさってしゃがみこんだ。
一瞬、下着が見えた。
「…律わんが澪にゃんって言うから猫の真似したのに…」
私は口を尖らせた。
「……」
律わんは少し考え込み
「…くん、くん」
四つん這いで近付いてきた。
犬の真似、らしい。
律わんは私の正面に来ると
「クンクン」
私の髪を嗅ぎ

にこっ

「ぺろっ」
笑顔で、私の頬を舐めた。
「きゃっ」
私は思わず声を上げた。
「…澪にゃん、だろー?」
律わんは残念そうな顔をした。
「………にゃあ」
私は顔を真っ赤にして、鳴いた。
「はっ、はっ!」
律わんは、犬の真似をしながら抱き着いてきた。
「にゃっ!」
私は驚きの声を上げ、押し倒された。

どさっ

……………。

私は、仰向けで両手を猫の手にしたまま。
律わんは、私を見下ろして犬みたいに舌を出したまま。

見つめ合った。

律わんは、舌を仕舞って顔を近付けて来た。
私は、腕を律わんの首に腕を回した。

その刹那

ガチャッ

「ねーちゃーん!おやつ持ってきたー!!」

聡が、部屋のドアを開けた。

……………………………

私と律わんは、聡と目が合った。

「…………ココ、置いとく」

聡は早足で、テーブルにおやつとジュースが乗ったお盆を置き、真っっっっ赤な顔で退室した。


私と律わんは、暫く固まったまま、動けなかった。


  • 聡、空気読めww -- 名無しさん (2012-01-21 17:49:15)
  • バカップル(●´ω`●) -- 名無しさん (2012-07-16 06:52:54)
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