けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

パイナップルのマネ

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匿名ユーザー

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「律ー」
「なにー?」
「律さー。髪伸ばさないのー?」
「なんで!?」
必要以上に反応する律。なんだ、そのリアクション…。


私は律の家に遊びに来ていた。
私はベッドの下に座り雑誌を。律はベッドの上に寝転びマンガを読んでいた。
ソコでなんとなーく律に質問した所、異常に反応されたワケだ。
「なんでって……前に「髪伸ばそっかな~♪」とか言ってただろ?」
「あ、あぁ…」
「伸ばしてみたら?」
「いや、いいや…」
「なんで?律、顔立ち整ってるし、ロングも似合うと思うけど」
「ロングは髪洗うの面倒じゃん!!澪も面倒だろー?」
「いや、私ずっとロングだから。面倒とか分かんない」
「あ、そっか」
「たまに何かに引っ掛かったりとか……そういう時はあるけどね」
「やっぱ大変だろうなー」
「でも、ロングの律も見たいけどな。絶対可愛いし」
「いや、いいよ…」
私が誉めても拒否する律は、珍しい。いつもなら照れる事はあっても拒否はしない。
「まぁ…ロングは手入れとか面倒だからね」
「そう!そうだな!!」
あからさまな反応を示す律。
「律には、デコ出しのカチューシャがすんごく似合ってるもんな」
「分かってるじゃん♪それにね~♪…あ」
少しおだてると律は直ぐ様尻尾を出した。
「あ?」
「あ…なんでもないなんでもないぃ…な、なんでもない!!」
どう考えても何かあるだろ……
「なんでもない、かぁ…」
スッ…
私はベッドの横で立ち上がり、
「なんでもない、んだな?」
膝でベッドに上った。
「あ、あぁ。なんでもないぞ?」
白々しい、を体現する律。
「そっかぁ。なんでもない、かぁ」
私は膝で寝転ぶ律を跨いだ。
「なんでもない…」
私が見下ろすと、みるみる間に弱気になる律。普段は可愛くて凛々しい顔がどんどん不安気になっていく。律、可愛い。
がっ
私は両の手で律の両の手を塞いだ。
「なんでもないの…?」
徐々に律の顔に顔を近付ける私。悲しげに聞いて、目をちょっと憂わせてみる。
「わーかったわかった!!なんでもあるなんでもある!!」
観念した律。手玉に取るとかのレベルじゃなく、律は扱い易い。
つーかなんでもあるって、なんだ。
「じゃ、聞かせて?何なのか」
私は手を離して律を解放し、律の横に寝転んだ。


「なっつかしいねー」
「ホントになー」
天井を見ながら懐かしがる私。と、律。
律が話してくれたのは、私が小学四年の時。作文で賞をもらった時だ。
「あの時は小さかったよねー」
「お互いにな」
「今は私の方が大きいけどね」
「胸とか?」もみっ
バチン
「あいたっ!!」
………で、律が髪を伸ばさない理由。
「パイナップルのマネが、出来なくなる、から…?」
「…そうだよ」
律は顔をそっぽ向けて、白状した。
あの時、律は私の為に特訓してくれて、パイナップルのマネをしてくれた。
ただ、髪を頭のてっぺんで結わえただけなんだが……。
「マネってゆーか、マネになってなかったよ?律。今更だけど」
「わかってるよ…」
そっぽ向いたままの律。
「……なんかさ」
そっぽ向いた律が話し始めた。
「何?」
「あの時、澪、笑ったじゃん?」
「うん」
そりゃパイナップルのマネ、とか言われれば、笑うだろう。
「澪の笑った顔、初めてちゃんと見たなぁって思ってさ」
律はそっぽ、から天井を見上げていた。
「あぁ、二人で遊ぶーとか、なかったしね」
「なんっか、そん時の澪の顔が忘れられなくてさ……」
「……」
てか、そんな幼い頃の話?
「で、なんで髪伸ばさないの?」
「…………パイナップルのマネ、出来なくなるから…」
非常に小さな声で、律は言った。
「聞こえないよ」
「……髪伸ばすと、パイナップルのマネ、出来なくなるだろ?」
…………。
「……なにそれっ」
プッ、と思わず吹き出してしまった。
「笑うなよ!」
顔を真っ赤にする律。私は思わずクッションを抱えて笑いを堪えた。
「ふー…じゃあ、どゆこと?」
私はクッションをベッドの端っこに置いた。
「髪伸ばすと、パイナップルじゃなくなるじゃんか…」
渋っ々、律は答えた。
「別に伸ばしても、結うとかすれば出来るじゃん。パイナップルのマネ」
因みに。パイナップルのマネ、という行為の定義があるのかは、私は知らない。
「いや、なんかさ…あの時じゃなきゃダメっつーかさ…」
とにかく私と目を合わさずにドギマギする律。横顔でも顔が不貞腐れてきてるのが分かる。


こうなってしまうと、律からちゃんとした答えを聞くにはかなりの時間が掛かる。
なので
スッ
私は腕を伸ばして、手で律の髪に触れ
「―――私の笑顔が忘れられないから、でしょ?」


髪を伸ばすと「あの時」のパイナップルのマネが、出来なくなるから。
律がパイナップルのマネをした時の、私の笑顔が忘れられないから。


核心を突いてみた。
「……………うん」
相変わらずの不貞腐れ顔で答える律。
いつも子供っぽいけど、いつにも増して子供っぽい律。可愛い。
「………ありがと」
私は指を伸ばし、律の頬に触れた。
赤くなってて、温かい。
「………」
律は天井を向いたまま。
「………」
私は律の横顔を見つめたまま。
同じベッドの上に、居た。


後で、部室で「なんで髪伸ばさないの?」って聞いてみよう。
唯達に責められて照れる律の顔が目に浮かぶ。

まぁ、私も照れちゃうんだろうな。

パイナップルのマネ、で。


  • いいねぇ -- 名無しさん (2012-01-30 17:49:15)
  • 可愛いなぁ -- 名無しさん (2012-02-01 07:54:30)
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