「…重いだろ…」
「重くない」
「重くない」
今、私は律におんぶされて帰宅してる途中です。
なんでかっていうと、さっき石につまづいて…
ベースを庇うことに夢中になって結構盛大に転んだ。
それで足を擦りむいてしまい…うぅ、思い出しなくない。
当然、私は二つの意味で身動きがとれなくなってしまった。
といった感じなんだけど律がおんぶしてくれるとは思わなかった。
なんでかっていうと、さっき石につまづいて…
ベースを庇うことに夢中になって結構盛大に転んだ。
それで足を擦りむいてしまい…うぅ、思い出しなくない。
当然、私は二つの意味で身動きがとれなくなってしまった。
といった感じなんだけど律がおんぶしてくれるとは思わなかった。
「澪を運べるし、傷も見えないし、一石二鳥だからな」
なんて言っておんぶしてくれるんだけど。
足どりはフラフラしていて、
腕だってプルプル震えて……
足どりはフラフラしていて、
腕だってプルプル震えて……
うぅ…無理してる…
「り、律…もう大丈夫だから」
「だーめ、ちゃんと家まで送るからな」
「重いんだろ…?」
「重くないって」
「でも…」
「何言っても私はやめないからな」
「………」
「まぁ私も澪の胸とか太ももの感触とか味わってるからおあいこだよーなはは、一石四鳥だったな!」
「………ばか」
「…あれ?怒らないのね」
「…ごほうび、ってことで」
「だーめ、ちゃんと家まで送るからな」
「重いんだろ…?」
「重くないって」
「でも…」
「何言っても私はやめないからな」
「………」
「まぁ私も澪の胸とか太ももの感触とか味わってるからおあいこだよーなはは、一石四鳥だったな!」
「………ばか」
「…あれ?怒らないのね」
「…ごほうび、ってことで」
支える小さな手に、力がこもるのを感じる。
分かりやすい奴だ。
分かりやすい奴だ。
家までもう少し。
とりあえず着いたら、消毒して律にお礼言ってそれから…
とか考えてると私の視界が揺れた。
とりあえず着いたら、消毒して律にお礼言ってそれから…
とか考えてると私の視界が揺れた。
今度は律が転んだ。
「澪!大丈夫か!?」
…何で私の心配してんだ。
私は律に抱き抱えられて新たな怪我はない。
おんぶからよくこの姿勢になれたな…
でも、律の背中は土まみれで…
「みっ…澪、ごめん…ごめんな…!」
「私は、大丈夫だよ…それより律は…」
「あ…あぁ、ちょっと背中打った」
おんぶできねーななんて笑ってる。
「わ、私は何ともねーからさ!ほら、今度は抱っこしてやる!」
よろよろと立ち上がる律を見て、私も立ち上がる。
擦り傷なんか気にしてる場合じゃない。
今度は私が背負う番だ。
…何で私の心配してんだ。
私は律に抱き抱えられて新たな怪我はない。
おんぶからよくこの姿勢になれたな…
でも、律の背中は土まみれで…
「みっ…澪、ごめん…ごめんな…!」
「私は、大丈夫だよ…それより律は…」
「あ…あぁ、ちょっと背中打った」
おんぶできねーななんて笑ってる。
「わ、私は何ともねーからさ!ほら、今度は抱っこしてやる!」
よろよろと立ち上がる律を見て、私も立ち上がる。
擦り傷なんか気にしてる場合じゃない。
今度は私が背負う番だ。
「…重いだろ?」
「重くない」
「それ本気で言ってるよな…」
「お前の強がりは分かりやすいからな」
「ちぇっ…おんぶされ返されるとか、かっこわり」
「ほんと、そーだな」
「怪我はもういーのか?」
「律をおぶれる程度にはな」
「…ごめんな」
「律の太ももの感触を味わってるからおあいこだ」
「胸の感触はねーってか」
「あはは…」
「重くない」
「それ本気で言ってるよな…」
「お前の強がりは分かりやすいからな」
「ちぇっ…おんぶされ返されるとか、かっこわり」
「ほんと、そーだな」
「怪我はもういーのか?」
「律をおぶれる程度にはな」
「…ごめんな」
「律の太ももの感触を味わってるからおあいこだ」
「胸の感触はねーってか」
「あはは…」
「ありがとな、澪」
「…ん」
「…ん」
怪我人ふたり、
おんぶしあってます。
おんぶしあってます。
おしまい