けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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澪「はぁ…」

いつからかな…この時期に溜息をつく事が多くなったのは。
明日は24日世間はクリスマスムード一色で、街は様々なイルミネーションが輝き街行く人々を包んでいる。
昔はこの街の変わりようにたまらなくワクワクした物なのにな…
自分でも原因は分かってる、街行く人々の幸せそうな顔、そういわゆるカップル達を見るたびに気が滅入っていくんだ。
今、私にも好きな人はいる。幼馴染にして唯一無二の親友…の女の子、田井中律だ。
「好きだ!」何度言おうと思っただろう、その度にこの唯一無二の親友を無くす事を考えて立ち止まってきた、
そもそも女の子を好きになる事が…そう思ったら、嫌でも溜息が漏れてしまう。

澪「はぁ…」

律「おーい!澪ってば!!」

澪「うわっ!て、何だ律か…驚かせるな!」

律「さっきから何回も呼んでるんですが…」

澪「あ、あぁ!そうか、で、なんだって?」

律「だーから!明日、軽音部でクリスマスパーティーするだろ?」

澪「あぁ、そうだな。」

律「唯の家に行くまでに時間あるし、一緒にプレゼントとか買いに行かないか?って。」

願ってもないお言葉だ、最近軽音部の皆とばかり行動していたし
久しぶりに二人で遊びにいける!しかも、このクリスマスに。

澪「行く!一緒に行く!!」

律「お、おう、急に元気になったな…じゃあ、明日12時に駅前な。」

澪「うん、わかった。じゃあ、また明日。」

律「おう、また明日なー」

そう言って手をひらひらさせて離れていく律を見守りながら、溜息が止まっている自分に気がついた。
私も結構単純だな…でも、クリスマスに好きな人と二人だけで出かけられると言うその事実が単純に嬉しかった
早く明日の準備をしよう…着ていく服はあの服で、プレゼントはどんな物を買おうかな…
律に当たるかも知れないし、欲しがってたあのCDでも買おうかな?何て考えてたら、自然と昔のワクワクを思い出せた気がした。
明日は…良いクリスマスになってくれるかな……


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澪「…で、誘った本人が遅刻するわけか?」

律「いやー面目ない…ちょっと用事があってさ!」

澪「連絡位入れろ!バカ律!!」ゴチン

律「あふん!いってーそんなに怒らなくても良いだろー?」

澪「うるさい!」フン

…もう、なんだよこっちはずっと楽しみにして、夜も寝られない様な状態だったのに。
それに遅刻してきた分一緒にいる時間が減るだろ、ちょっとでも長くただ一緒にいるだけで良いのに…
このバカ律は…

律「まぁ、気を取り直してプレゼント買って唯の家に行こうぜ!」

澪「(そうだよな、少しでも二人の時間を楽しもう…)」

澪「…じゃあ、行くか。」

律「まず、お昼ご飯を食べに行こうぜー」

澪「まだ食べてなかったのか?」

律「おう!用事を終わらせてたら予想以上に時間かかったんだ!」

澪「じゃあ、どこに行こうか。」

律「出来たばかりのあのパスタ屋に行こう、ついでに今日の予定も立てちゃおうぜ!」グイ

澪「ちょ…律!」

律「どうした?」グイグイ

澪「は、恥ずかしいだろ!///」

律「何言ってるんだ!この時期誰でも手ぐらい握ってるさ、早く行くぞー!」

澪「(もう…普通にこういう事するなよ、ズルイだろ……)」

そんなこんなでパスタ屋

律「澪はもうプレゼント買うもの決まった?」

澪「まぁ…一応。」

律「そうか、私ももう決めてるから時間は問題ないな。」

律「と、言う訳でゲーセンに行って、プレゼント買って、唯の家に行く。」

律「この予定で良いかな?」

澪「うん。」

律「じゃあ、ゲーセンにレッツゴー!」

澪「もっと言い方あるだろ…」

ムードもへったくれも無い。でも、久しぶりに二人で遊んだゲームセンターは何だかいつもと違ったような気がした、
クリスマスの雰囲気のおかげかな?ドラムマニアやシューティングゲームをやってる律を後ろで見守ったり、
二人でパズルゲームをする。クレーンゲームでお菓子を取って貰った後、
「ぬいぐるみ取ってあげたかったけど、プレゼントがまだあるしな~」
なんて、言われたのには不覚にも「きゅん」と来てしまった。
最後にプリクラを取って終わったけど、これで律が男なら完全にデートに見えるんだろうなぁ…

律「うん?どうした澪、楽しくなかった?」

澪「そ、そんな訳ないだろ!楽しかったよ…」

律「?それならいいけど…時間も時間だし、プレゼント買って唯の家にいこうぜ~」

澪「あぁ、そうだな。」

あぶない、もっと普通にしないと…律はこういう事にはするどいからなぁ。
もっと気付いて欲しい所には気付かないくせに。

律「澪はプレゼント、何買うの?」

澪「あぁ、この前律が言ってたあのCDでも買おうかな、って。」

律「何!これは何としてでも手に入れねば…って、澪、それ私の為に?」

澪「ち、違う!結構良い曲だし、誰に当たっても問題無いかなって、そういう律は何買うんだよ?」

律「私は前に見つけた大きいクマのぬいぐるみだ!」

澪「へぇ~女の子みたいだな。」

律「泣いちゃうよ?これでも女の子なんだよ?」

澪「あはは、分かってるよ。(分かってる、律はどんな子よりも女の子だよ…)」

律「お気に入りのクマちゃん抱いて~みたいな?イメージでな。」

澪「何か全部違うな、それ。」

律「気にしない!気にしない!」


律「よ、予想以上に重い…」

澪「加減を考えろよ…」

律「いやー大きい方が当たった時の喜びも大きいだろ?」

澪「まぁ、否定はしないけど…」

律「ふぅ、やっと付いたか、澪ぬいぐるみ持って。」

澪「あぁ。」

律「たのもー!たのもー!!」ドンドン

澪「夜中に騒がしくするな!」

憂「いらっしゃーい、お二人とも遅かったですね、皆さんもう揃ってますよ。」

律「いやー澪とデートしてたら遅くなっちゃってさ!」

澪「プレゼント買いに行ってただけだろ!///」

憂「(ホントに仲良いなぁ。)食事の準備も出来てるので早く上がって下さい。」

律・澪「おじゃましまーす。」

唯「あー二人とも遅いよ~」

紬「二人とも遅かったわね。」

和「もう皆揃ってるわよ。」

梓「もう、お二人待ちですよ。」

さわ子「早く始めるわよ!飲まないとやってられないわ!」

律「さわちゃん…自重して下さい…」

唯「じゃあ、皆始めるよ~メリークリスマス!」

『メリークリスマス!!』

そこからいつものクリスマスが始まった、憂ちゃんの豪華な料理を食べておしゃべりをし、誰からとも無く一発芸大会が始まる。

唯「いくよ~私のエアギターを見よ!」

律「いいぞ~やったれ!唯!!」

憂「お姉ちゃん頑張って!」

唯「…ギターが無いからコードが分からない!」

律「なんじゃそりゃ…」

梓「本物持って来て引けば良いのに…」

紬「はい!じゃあ私が物真似を…」

さわ子「じゃあ、私が歯ギターを…」

澪「はは…何だこれ。」

和「軽音部らしくていいんじゃないかしら?」

澪「はは、確かにな。」


そうして賑やかな一発芸大会も終わりプレゼントの交換会へ、残念な事に律のプレゼントを手に入れることも出来ず、
私のプレゼントも律の物にならなかった。
そして、この楽しかったクリスマス会も解散に近づいていた。

律「もうこんな時間か、流石に帰らないとまずいな。」

澪「そうだな、そろそろ帰るか。」

紬「とっても楽しかったわ~来年はもっと物真似に磨きをかけるわね!」

和「じゃあ、私は片づけを手伝ってから帰るわね。」

梓「私も手伝って帰るよ。」

憂「そんなに気を使わなくても大丈夫だよ?」

唯「そうだよ~二人で片付ければすぐだよ!」

和「そう?」

梓「でも…」

さわ子「まぁまぁ、二人の言葉に甘えなさい?夜も遅いし、先生が家まで送ってあげるから。」

和「じゃあ、お言葉に甘えますね。」

梓「私も…」

紬「私は迎えが来てくれるので大丈夫です。」

さわ子「りっちゃんと、澪ちゃんはどうする?」

澪「え、っと…。」

律「送って行く人も多いし、私達家の方向一緒だから二人で帰るよ。」

さわ子「そう?じゃあ、二人とも気を付けてね。」

律「はーい、皆お疲れー」

澪「皆、またね。」


二人きりの帰り道、和が言った事を思い出す。「軽音部らしくていいじゃない。」確かに軽音部の皆といるのは楽しい。
でも、その楽しさが終わった後に残るのは寂しさだけだ。
現にカップルで溢れるこの街並みを見るとさっきまでの楽しさが嘘のように消えていく、
楽しさでごまかしていた寂しさが、荒れ狂う波の様に押し寄せてくる。
『なんで、律は女の子なんだろう。』『なんで私は女の子なんだろう。』そんな事しか思い浮かばない。
昼間に二人で遊べた事で何か変わったと思ったクリスマスも、結局は昨日と同じ気持ちに帰ってきてしまった。
「はぁ…」そして、同じように溜息をつく。
案の定律に心配されたが、適当にごまかして帰路についた。

律「なぁ、なぁ、澪ってば!」

澪「え、あぁ、どうした律?」

律「どうしたって…もう澪の家の前なんだけど?」

澪「あ…」

律「どうしたんだ?悩みがあるなら相談にのるぞ?」

澪「大丈夫、ホントに大丈夫だから。」

相談なんて出来るはずないだろ、実は好きな人がいて、その人は大切な幼馴染で親友で。
しかも…同性で、告白して嫌われるのが怖いんだけど、どうしたら良いのかな?なんて…
どう考えても聞けることじゃないよ…

律「具合悪いなら無理せずにゆっくり休めよ。」

澪「うん、ありがと。律。」

律「おう、じゃあな。」

澪「うん、おやすみ。」

律「サンタさんが来るように…しっかりお祈りしとけよ。」ボソ

澪「ん?律なんか言ったか?」

律「いや~めっちゃ寒いな~ってな!」

澪「そうか。」

律「じゃーなー」


そう言って手をひらひらさせながら帰っていく律、昨日はこの後姿を見ながらにやけていたはずなのに。
今はたまらなく寂しい、「行かないで欲しい」心ではそう思いながら、言葉にならない。
言えば、残ってくれるだろう。「あれ~澪しゃんってば寂しがり屋さんですね~」なんてからかいながら。
でも、そんな事をしたら離れる時に絶対に耐えられない。だから、今は…ひたすらこの寂しさに耐えるしかないんだ…
でも…なんだろう、最後に律が言った一言。聞き間違いじゃなかったらサンタがどうのこうの言ってたような…

澪「はは、サンタさんがいるならお祈りは決まってるよな…」

『律が、律が欲しい。』

澪「はぁ…流石にそこまで子供でもないし、子供がするようなお願いでもないよな。」

澪「もう、寝ちゃおう!寂しさをごまかすんだ!」

何て、言ったものの布団に入って目を閉じると色々な事を考えてしまう。
ドラム叩いてた律、カッコよかったな…とか、プリクラ携帯の裏にでも貼ってみようかな?
とか、あのクマの人形を手に入れてたら、今頃少しは幸せだっただろうなぁ…なんて。
お気に入りのりっちゃんとは行かなくても、クマちゃん位抱きたかったなぁ…
はぁ、駄目だ全然寝れそうにないや…パーティー楽しかったな……
楽しい時間はあっという間に過ぎて行くのに、どうして辛い時間はこんなに長く感じるんだろう。
どれ位、時間がたったかも分からない、ただ、ボーっと物思いに耽っていると。

「コツン」窓から音がした。

澪「だ、誰!?」

ビクッとして声をかけると、「メリークリスマス!」と、一言だけ返って来た。
少し声を変えてあるけど、聞き間違うはずも無い。律だ…でも何で窓から?ここ2階だぞ…
そう思いながらカーテンを開ける、そこにあった律の姿は…なんだこれは夢か?

律「メリークリスマス!寒いからあけてくれよ~」コンコン

澪「あ…あぁ。」ガラガラ

律「あー寒かった。りっちゃんサンタがプレゼントを持って来たぞ!」

そう、窓の外にあったのはサンタの格好をした律の姿だった一体どういう事だ?
何でこんな夜更けに、しかもサンタの格好で?大体そんな服いつどこで買ったんだ…
訳も分からず佇んでいると、律のほうから話しかけてきた。


律「いやー突然で戸惑ってると思うけど…話があるんだ、聞いてくれる?プレゼントはその後な!」

澪「う、うん。どんな話?(プレゼント?何も持ってないのに…)」

律「澪はクリスマスをどんな日だと思う?」

澪「え…そうだな、サンタさんが来てプレゼントくれたりとか…?」

律「それは私を見てだろ?もっとほかに思うことあるだろ~?」

澪「えっと…カ、カップルがお祝いするような特別な日…とか。」

律「…そう、カップル多いよな皆幸せそうな顔してさ。」

澪「まぁ、そういう日だしな…」

律「でも、澪はそんな人たちを見て寂しそうしてただろ?」

澪「それは…」

律「それで、ずっと考えてたんだ。」

律「澪を笑顔にしてやりたい、できるのは私しかいない!って。」

澪「律…」

律「澪、私の勘違いかも知れない、自惚れてるだけかも知れないけど聞いて欲しい。」

律「がさつで、大雑把な、こんな私に言われると嫌かも知れないけど、この特別な日に言わせて欲しい。」

律「私、澪の事が好きだ!澪が良ければ、私と付き合って欲しい!!」

澪「ほ…本当に?」

澪「律は、本当に私で良いの?」

律「私、ずっと我慢してたんだ…」

律「澪は幼馴染で、親友で、ずっとずっと一緒にいたい大切な人で…告白して嫌われたらどうしようって。」

律「澪じゃないと…嫌なんだ。」

澪「りつー!!!」ダキッ

律「うわ、澪しゃん危ない!こけるって!!」

澪「律がしっかり受け止めてよ、私だって…私だって、ずっと律を思ってたんだ、怖かったんだからな!」

律「澪…大丈夫、これからはずっと一緒にいような。」

澪「うん…約束だぞ!絶対守れよ!」

律「おう!この田井中律に二言は無いぜ!」

澪「はは、今日は最高の一日だな…まさか神様がこんなプレゼントをくれるなんて…」

律「おいおい、神様って…そういう歌詞は一人の時に考えろよな~」

澪「う、うるさい!///大体、律はそんな服いつ買ったんだよ、サンタって…」

律「いやープレゼント買いに行く日にな、サプライズと思って買ってみたんだ!」

律「普通に告白するの恥ずかしかったし、探すの大変だったぜ…」

澪「(そっちの方が恥ずかしい気が…)だからあの日遅かったのか…って、そうだ、思い出した。」

律「うん、どうしたんだ?」

澪「話が終わったらプレゼントがあるんだよな、律のプレゼントって一体何なんだ?」

澪「見た所、何も持って無いように見えるんだけど。」

律「えっと…///その…///」

澪「なんだよ、気になるだろ早く教えてよ。」

律「えーっと…りっちゃんサンタが、律さん本人をプレゼント!…みたいな?///」

澪「…っな!///」

律「はは、言ってて凄い恥ずかしいな…って、…澪しゃん?」

澪「…抱いて、お気に入りのりっちゃん抱いて、今日は寝られるわけだな?」ブツブツ

律「あの~目が怖いですよ?澪しゃ…あっー!」

澪「律が、律がわるいんだからなー!!」

こうして私達は晴れて結ばれた、気の重かったクリスマスも律のおかげでまさしく特別な日になった。
来年はきっと、律と二人様々なイルミネーションの中で笑っていられる、
「はぁ…早く来年のクリスマスが来ないかな。」今度は、前と違う意味で溜息が止まりそうにない。

おしまい!


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