けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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その朝、りっちゃんが私のお家に来ました。りっちゃんは私の顔を見ると「メリークリスマス、澪ちゃん!」と言いました。
私は不思議に思ってカレンダーを見たけれど、やっぱり日付は12月26日で、クリスマスは昨日です。
実際に、昨日の夜私はパパとママとツリーの飾りつけをしたり、ケーキを食べたりしました。
朝起きると、今年もサンタさんはちゃんと私のお家に来たらしく、枕元にはプレゼントが置いてありました。
だから私はりっちゃんが「メリークリスマス」なんていうのがとても不思議でした。

私はりっちゃんに聞きました。
「りっちゃん、クリスマスは昨日だよ?りっちゃんは昨日の夜、パパやママとクリスマス会やらなかったの?」
するとりっちゃんは「やったよ」と答えました。
私はますます不思議になってしまい、その表情が顔に出たのかもしれません、
りっちゃんは「ちょっと待っててね」といい、背負っていたリュックサックを床におろし、中から何かを引っ張りだしました。
それは白い小さな箱でした。それがテーブルに置かれた瞬間、私の方に甘い匂いが漂ってきました。
「りっちゃん、これは?」私はききました。


「開けてみて」りっちゃんは言いました。
私はうなずき、箱に手を掛けそっと蓋を開けました。
蓋を開けると、その甘い匂いははっきりとした形となって私の目に映りました。
ケーキです。苺のショートケーキ。それは解りました。だけど、
「りっちゃん、これケーキだよね?」
「うん?そうだよ?」
「ぐちゃぐちゃ……」
そう、リュックサックに入れ、私のお家に来るまで歩いたり、もしかしたら走ったりしたのかもしれません、
動かしたから、その二切れのケーキは横倒しになって、箱の内側で互いにぶつかり、形が崩れてしまっていました。

「うわあ、本当だ!ごめんね澪ちゃん……」
りっちゃんは本当に申し訳なさそうに掌を合わせ、私に謝りました。
「ううん、形が崩れても大丈夫、きっと美味しいよ。でも、どうして?」
するとりっちゃんは少し気恥ずかしそうに笑い、いいました。
「うぅんと……澪ちゃんとはクリスマス会してなかったから、さ。1日遅れたけど、二人でお祝いしたいなあ、って思ったんだ」
「私のためにケーキをとっておいてくれたの?」
「うん、だって澪ちゃんとお祝いしたかったんだもん!」


りっちゃんはニコニコ笑っていました。
その様子はちょっと気恥ずかしそうで、でもとても嬉しそうで気が付くと私もつられて笑っていました。
「りっちゃん、ありがとう」

それから二人でケーキを食べました。
見た目はぐちゃぐちゃだったけど、そのケーキは私がいままで食べたどのケーキよりも美味しく、かけがえのないもののように思えました。
「ねえ、りっちゃん」
「なに?」
ケーキを食べ終えた後、私はふと思いだしてこう言いました。
「メリークリスマス、りっちゃん」

fin


  • ほんわかしますなぁ… -- 名無しさん (2012-11-01 12:50:33)
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