けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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コンビニで、音楽雑誌を立ち読みした。

「……澪と唯のツーショット」
我がHTTの数ページにわたる特集が載っている。
んで、始めのページはその二人のツーショット。
んんん、凄いな、唯は。
これでもかってくらい元気溢れてる表情してる。
可愛い可愛い。
そして澪。
うん、言わずもがな、完璧すぎる。
ルックスもスタイルも申し分ない。
それから表情。
初めは緊張でガチガチで笑顔も作れなかったくせに、最近はとてもいい笑顔で撮ってる。
成長、したんだな。
というかこの雑誌、澪の載ってる比率が高いな。
梓とのツーショット。
HTTメンバー全員で。
澪単体。
…まぁ、澪は人気あるからな。
当然だ。あんなに美人なんだから。あんなに完璧なんだから。
唯も文句なしに可愛いし、梓だって綺麗だ。
澪とのツーショットも、よく決まる。
少なくとも、特に人気のない私なんかよりは。
…私の恋人にしておくにはもったいないくらいだ。
雑誌を棚に戻し、コンビニを出る。

「…確か、今日も撮影だったか」
何故だか重い足を引きずり、私は歩く。
…あぁ、今日は寒いなぁ…

HTTメンバー全員での撮影が終わって。
次は個別撮影らしい。
澪、唯、梓が撮影場所に残ることになった。

「あーん、お腹空いたよぅあずにゃーん」
「もう少し我慢して下さい」
「昼食、皆で食べましょう?」
「律、早弁するなよ?」
「…え?あ、うんうん!」
「…律、どうした?なんか今日は上の空だぞ」
「あーちょっと眠いのかも」
皆で写真撮ってる間は、凄く張り切ってたんだけど、個別の話を聞いて、何だか気分が萎えてしまった。
どーいうことだよ。
「秋山さん、そろそろ」
澪がスタッフに呼ばれて撮影場所へと向かおうとする。

「じゃあ、後で」
「おー」
澪が走り出すのを見て私は扉を開く。
ふぅ。と溜息がこぼれる。
扉を閉める時に、澪に呼ばれた気がしたけど、無視して閉めた。

局内の休憩所で、一人缶コーヒーを飲む。
あー、ここで煙草とか吹かしてたら、カッコいいんだろけどなぁ。
物思いにふける憂いの女性…みたいな。
ははは、柄じゃねぇよなぁ。

「りっちゃんみっけ!」
「…ん、ムギか」
「もう撮影終わったって」
「え?嘘?今何時?」
「午後2時」
自分の携帯を見るとさっき2時回ったぐらいだった。
あちゃー…全然気がつかなかったなぁ…
しかも澪からのメールと着信もいくつか入ってる。
むー怒られること確定だな…

「皆終わったのか?」
「あと唯ちゃんだけだよ」
「あー、今頃空腹と戦ってるだろうなぁー」
「負けてそうだね」
「…ところでムギは、ずっと現場にいたのか?」
「うん」
「…自分も撮ってほしいとか思わない?」
「うーん…別に今でも充分だと思うし…」
「……」
「私は、皆のカッコいい衣装とか素敵な表情を見るのが楽しいから」

「………ムギは、大人だなぁ」
そう言ってムギの頭をわしゃわしゃと掻く。
「さわ子先生にしてもらったセットが崩れちゃうよー」
笑いながらそう言うムギの顔は写真にしなくても解る位良かった。(ちなみにさわちゃんは衣装担当だったりする。)
やっぱりムギは大人だよ。
少なくとも、私よりは。

「そろそろ戻ろ?澪ちゃん探してたわよ」
「あぁ、怒られに行くか」


ムギとの会話で、気付いたことがある。
ムギは、いつでも仲間のことを身近に感じてるんだな。
そして、きっと私は、澪が遠くに行ったような気がしてるんだ。
置いてかれるような、寂しさ、かな。
唯と一緒に笑う澪を見て。
梓を押し倒す構図の澪を見て。(これはガチでびっくりした。何でか澪がすごく謝ってきた。)
まぁ、有り体に言うと…唯や梓に嫉妬してたのかな。
ムギとは大違いだ。ほんと、馬鹿みたい。
仲間に嫉妬したりして。
こういうところが駄目なんだろうな。嫌な女だ。

それから、唯の撮影が終わって昼食を食べて、午前(午後に超喰いこんでるが)の仕事は終了した。

「晩御飯も一緒に食べようよー」
「午後の仕事が終わってからですよ」
「私いい店知ってるのー」
「流石ムギ…あ、おい律!どこ行くんだよ?」
「トイレ」
「…そっか、早くしろよな」
「あぁ」
「…」

…あーあ。なんか冷たく当たっちゃったかな…
ほんと嫌な女だ。この悪女めー…
トイレで顔を洗ってスッキリ!!
…というわけにもいかずモヤモヤは消えない。
あぁもー…嫌だなこんな私。

ドンナニサムクテモー♪
ん?さわちゃんからメールだ。なんだよもー…

『来週の撮影、澪ちゃんとりっちゃん二人でやるからね~。
澪ちゃんにも伝えといて』

…いざとなると何も言えないってのはこういうことなんだな。
っていうか、さわちゃんのやつ、一斉送信すればいいのに…
ったく一体どういうつもりだ?
でも正直私は嬉しい。心底嬉しい。
でも悪女な私は何故かいまいち盛り上がって無い。
私より、唯や梓のほうがいいんじゃないかな。なんてこと考えてる。
素直に喜べばいいのにな。
まぁ、とりあえず澪に報告を…

「長いトイレだことで」
「あれ、澪?」
「そろそろ休憩終わるぞ?」
「あぁ、うん」
「ったく…」
「…澪、来週の仕事なんだけど」
「なんだよ、早くしろよなー」
「私と二人で撮影だって」



「……………………ほんとに?」
「え?うん」
あれ?澪が口あけて黙っちゃったぞ?
…やっぱり不味いこと言っちゃったかな。
仕方ない、さわちゃんに断って…

と思ったら澪に抱きつかれた。


「ちょ…澪!?」
こ、こんなところで…

「やったー!やったぁー!!やったなりつぅぅぅぅぅぅ!!!」
「はい!?」
「わぁぁぁぁぁぁぁ…律と一緒に、だと!?キャー!えーっと、3ヶ月振りくらいか!?」
「みお…?」
「それで!?いつだって!?」
「え?だから来週…」
「いや!明日だ!明日やろう!いやもう今日だ!今から行くぞ!どこの出版社だ!」
「いやいやいやまてまてまて!」
「もう1秒だって待ってやるか!久しぶりの律と二人で仕事なんだ!こんなに嬉しいことは無い!!」
「さ、流石に向こうにもスケジュールがあるだろ!」
「そうか…まぁ待つのも一つの楽しみってことで」
「…みおしゃん?」
「じゃあ今日は律の家行くぞ!パーティーだ!HTT総出、いや和や憂ちゃんや鈴木さんも呼んで!トンちゃんや斎藤さんや掘込先生や…」
「そ、そんなにうちには入れないなぁ!」
「む、そうか…じゃあ二人だけでやるぞ!!料理は私が担当する!律は飾り付けな!ははは腕が鳴るなあ!!」
「…みおさん?」
な、なんだこの異常なテンションは…!?
一体何が起こったんだ。

「み、澪落ち着けって」
「あ、あぁ…自分でも、このテンションには驚いていたところだ…」
「コントロールできてなかったのか…」
「…でも…ほんとに、嬉しい…」
「……え?…泣いてん、の?」
「……グス…」
「え、あ、えっと…澪?ごめんな?」
「違う馬鹿…私が勝手に泣いてんだよ」
「……あー…そう?」
「…律が遠くなった気がしたんだ」
…!

「最近律と一緒にいる時間が減って…仕事もほとんど別で…律に置いてかれちゃってる気がして」
私は、本当に嫌な女だ。
「寂しかったんだよぉ…」
勝手にモヤモヤしたり、嫉妬したりして
「よかった…律と一緒で…」
澪はこんなに私のことを思ってくれていたというのに。

「…一心同体ってやつか」
「…うん?」
「私と澪は一緒ってこと」
「…うん」
それからトイレで長いこと喜び合って、遅刻してしまう私たちであった。


それから1週間。
コンビニで、音楽雑誌を立ち読みした。
「……澪と梓のツーショット」
うん、よく撮れてる。
さて、じゃあ出勤しますか。

「…確か、今日は澪と撮影だったか」
雑誌を棚に戻し、コンビニを出る。
いつかの悩みは、嘘のように消えていた。
きっと澪もおんなじ考えしてるんだろうな。
一心同体だから、な。


その日の撮影は、さわちゃんの手により結構恥ずかしい格好だったのだが、
澪しゃんの顔はとてもいい笑顔であったそうな。

END


  • このシリーズ好きだもっと続いて欲しい -- 名無しさん (2010-12-20 12:40:09)
  • 「寂しかったんだよぉ…」 ←こういうセリフ言う澪に凄く萌える -- 名無しさん (2010-12-20 23:45:26)
  • ↑わかるよすっごいわかるw -- 名無しさん (2011-10-31 01:24:01)
  • 凄く良い。しかし最近澪と唯のツーショットの公式イラストばかり多くて嫌になるな。何故律澪でやらないのかな?まぁ所詮唯澪なんて人気者同士でやれば売り上げが良くなる程度の考えだと思うけどね。唯澪なんてありえねーし -- 名無しさん (2011-11-02 09:19:49)
  • 唯澪二期からは全くと言っていいほど無くなったからな。 -- 名無しさん (2012-01-09 02:27:41)
  • まぁ人それぞれって事で -- 名無しさん (2012-04-29 17:07:18)
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