けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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投稿日:2010/11/22(月) 23:19:30

「なあ澪、今日が何の日か知ってる?」
律は澪にそう訊ねた。
「なんだよ、11月22日、『良い夫婦の日』だろ?それがどうしたんだ?」
律はにわかに不機嫌な顔つきになり、澪はそれを見てクスクスと笑った。
「何笑ってんだよ、澪?」
「いや、なんていうか、律可愛いなって」
そう言うと澪はまた笑いだした。律は自分の顔がみるみる熱くなっていくのを感じた。
「おい変なこと言うなよ、澪!」
「ごめんごめん」
澪は笑うのを止め、一呼吸おいてからこう続けた。
「でもさ……律ってば何を期待してそんなこと訊いたのかな?」
澪は、今度は声は出さず、悪戯っ子のようなにやにやとした笑みをもって律を見た。
律はいよいよ顔を真っ赤にし、下を向いたきり押し黙ってしまった。

少しの間沈黙が流れると、澪はいよいよ自分がやりすぎたことに気づき、律に謝罪の言葉を投げ掛けようとした。
すると、ちょうどそのとき、律は小さな声で、しかし澪の耳には届くはっきりとした口調でぽつりと呟いた。
「澪とその…したい」
その言葉に澪は微笑を浮かべ、律の体を引き寄せそっと抱き締めた。
「ごめんな律、からかったりして」
「いいよ…だって澪だもん」
「ありがとう」
それから二人は寝台に潜り込んだ。
だが、澪は一向に律の服を脱がせようとはしなかった。
ただふたり体を向かい合わせ、互いに固く相手を抱きしめるだけの時間が続いた。

「なあ、澪。服、脱がないの?」
「ああ」
「汚れちゃうよ?」
「いや、今日はしないことにした」
「え?どうして……」
「ん~、今日はこうやってずっと律の感触、存在を確かめていたいんだ。ダメかな?」
「私はいいよ。だって澪、あったかくて気持ちいいから、さ」
「それは良かった」
そういうと澪は律に向かって優しく微笑んだ。
律の方もそれに応えた。
ずいぶんと長い間そのままでいた。
やがて律は安らかな寝息を立て始め、それからほどなくして澪も眠りについた。

そのようにして澪と律、二人にとっての11月22日は幕を下ろした。

fin




  • いいねいいね -- 名無しさん (2012-07-29 18:33:59)
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