投稿日:2010/11/14(日) 22:37:30
律が、ゲームばっかりやっててかまってくれない。
なんだよ、馬鹿律。
なんだよ、馬鹿律。
そう思いつつ律の後姿を眺める私の目に、さらさらと動く後ろ髪の隙間から律の首が見えた。
……かまってくれないのが悪い。ちょっとくらい悪戯してやる。
……かまってくれないのが悪い。ちょっとくらい悪戯してやる。
ゲームをしている律に気づかれないように背後にピッタリとくっつく。そして。
「いってえ!!」
すばやく髪を退けて首に噛み付いた。
そんなに強く噛んでないのに、オーバーだなあ。
そんなに強く噛んでないのに、オーバーだなあ。
「ちょ、澪!なにすんだよ」
「ひははい(しらない)」
「ひははい(しらない)」
噛み付いたまま返事をする。
律はそのままゲームやってればいいだろ。
律はそのままゲームやってればいいだろ。
「……わかった、やめるから。離れてちょーだい」
返事の変わりに強く噛む。寂しかったんだからな、そういう抗議も含めて。通じないだろうけど。
「いててて!澪ってばぁ」
言葉じゃ無理だと分かったのか、律の手が私の頭の上にのせてぽんぽんと軽くたたく。
そんなんじゃ許してあげないんだから。
そんなんじゃ許してあげないんだから。
「ごめんって。な、許してよぉ」
ダメなものはダメなんだもん。……でも、流石に顎がちょっと痛いかもしれない。
しょうがないな、噛むのはやめてやる。
しょうがないな、噛むのはやめてやる。
「ちょ、澪!なめるな!!」
噛んだところに歯形が残ってしまっていたので丁寧になめる。まぁ取れるわけないけど。
「澪」
しばらく舐めていると、律が振り返って景色が反転。
背中に床が当たってることで押し倒されたのだと気づく。
こういうことだけは素早いんだから、まったく。
背中に床が当たってることで押し倒されたのだと気づく。
こういうことだけは素早いんだから、まったく。
「なんだよ、馬鹿律」
「悪かったってば。……今からちゃーんと埋め合わせするから、な?」
「悪かったってば。……今からちゃーんと埋め合わせするから、な?」
律はニカッと擬音がつきそうな笑顔でそう言った。
ばかりつ、ずるいぞ。
ばかりつ、ずるいぞ。
「じゃあ、ゆるす」
私のその言葉が、合図だった。
おわる。