投稿日:2010/11/12(金) 14:25:06
律「………えっ?」
それは、本当に突然のことだった。
唯「びっくりだよねー」
何だよ……それ。
紬「ほんとね。でも、澪ちゃんだものね」
何をするにも常に一緒で、お互いのことは何でも知っている。
……つもりだった。
さわ子「彼氏ができるのも頷けるわね」
私ハ、ソレヲ知ラナカッタ……。
律「なん、だよ……それ」
唯「あれ? りっちゃん知らなかったの? てっきり知ってるかと…」
さわ子「結構学校でも有名よ? 澪ちゃんに彼氏ができたって話」
梓「………」
紬「路地裏あたりで2人でいるのを見たって人がいたのよ」
唯「路地裏って、何だかえっちぃね!」
梓「その発想はなかったです」
唯「あれ? りっちゃん知らなかったの? てっきり知ってるかと…」
さわ子「結構学校でも有名よ? 澪ちゃんに彼氏ができたって話」
梓「………」
紬「路地裏あたりで2人でいるのを見たって人がいたのよ」
唯「路地裏って、何だかえっちぃね!」
梓「その発想はなかったです」
澪に…彼氏?
ははは、何を、バカなことを……。
ははは、何を、バカなことを……。
澪「悪い、遅くなった」
唯「あ、澪ちゃーん。おぃーっす!」
唯「あ、澪ちゃーん。おぃーっす!」
日直で遅れてきた澪が、少し申し訳なさそうに部室に入ってくる。
唯「ねえねえ、澪ちゃん。あれって本当なの?」
澪「……あれ?」
紬「この間、男の人と路地裏にいたっていう話よ」
澪「……あれ?」
紬「この間、男の人と路地裏にいたっていう話よ」
なあ頼む、澪。
それはただの噂だ。そんなこと、なかったと否定してくれ。
それはただの噂だ。そんなこと、なかったと否定してくれ。
けど、そんな願いは次の澪の反応で、あっけなく崩れ去った。
澪「っ!! ど、どこでそれを…!」
唯「見たって人がいたんだって。で、本当なの?」
澪「い、いや、あれは…」
唯「見たって人がいたんだって。で、本当なの?」
澪「い、いや、あれは…」
律「おい! そんなとこで、のんびり話なんてしてないで練習するぞ!」
そんな私の声に全員ビックリしたのか、揃って私の方を見てくるが、
やがてみんなも練習の準備に取り掛かる。
やがてみんなも練習の準備に取り掛かる。
くそ、面白くない。
何だかイライラする…。
何だかイライラする…。
澪「………おい律! 全然合ってないじゃないか!」
律「そう言う澪が合わせりゃいい話だろ!?」
澪「な、そんなのに合わせたら、曲にならないだろ!?」
律「私のは“そんなの”で片付けられるドラムなのかよ!」
澪「実際そうだろ!? 今の律のドラムは滅茶苦茶だよ!」
律「そう言う澪が合わせりゃいい話だろ!?」
澪「な、そんなのに合わせたら、曲にならないだろ!?」
律「私のは“そんなの”で片付けられるドラムなのかよ!」
澪「実際そうだろ!? 今の律のドラムは滅茶苦茶だよ!」
気付いたら、喧嘩になっていて。
気付いたら、唯達にも辛い顔をさせていて…。
気付いたら、唯達にも辛い顔をさせていて…。
情けないなぁ……。私、部長なのに…。
澪「だいたい、律が今日最初に練習しようって言ったんじゃないか!」
けど、口は止まってはくれなくて。
紬「お、お茶にしましょう!」
唯「そ、そうだよ! 私、お腹すいちゃた!」
唯「そ、そうだよ! 私、お腹すいちゃた!」
律「いいよ! だったら放課後ティータイム抜けてやる!」
梓「ちょ、律先輩!」
澪「お前、自分が何言ってるのか分かってるのか!? 部長だろ!」
澪「お前、自分が何言ってるのか分かってるのか!? 部長だろ!」
律「分かってる!? あぁ、分からないなぁ! 澪の気持ちなんて!
澪こそ、こんな部活にうつつを抜かしてないで、彼氏とでもイチャイチャしてれば良いだろ!?」
澪こそ、こんな部活にうつつを抜かしてないで、彼氏とでもイチャイチャしてれば良いだろ!?」
澪「は、はぁ? 彼氏?」
あぁ、もう…情けないなぁ…くそ。
涙が溢れてきてしまった自分を、みんなに見せたくなくて、
これ以上情けない姿を見せたくなくて、私は部室を飛び出す。
涙が溢れてきてしまった自分を、みんなに見せたくなくて、
これ以上情けない姿を見せたくなくて、私は部室を飛び出す。
梓「律先輩!!」
澪「唯、ムギ、梓、どういうことだ。彼氏が、何だって?」
唯「え? だって―――」
唯「え? だって―――」
―――――――――――――――――――――
―――――――
―――――――
自己嫌悪。
何、言ってるんだろうな。私…。
何、言ってるんだろうな。私…。
いずれはこうなるって、分かってたんじゃないか。
抱いちゃいけない感情だってことは…。
抱いちゃいけない感情だってことは…。
澪が、好きだなんて……。
当てもなく、走ってきた場所は、中庭。
ザワザワと鳴る木々に、自分の感情と重ねていた。
ザワザワと鳴る木々に、自分の感情と重ねていた。
梓「―――律先輩!!」
そんな時、たった一人の後輩が私の背後から声を上げる。
律「……何だよ、梓。私は放課後ティータイム辞めるって言ったんだから、もう構うなよ」
梓「バカなこと言わないで下さい。それに、律先輩はまだ勘違いしたままです」
律「…勘違い?」
梓「はい。澪先輩の彼氏の話です」
律「っ、い、いいよ! 聞きたくない」
梓「そうはいかないです。ちゃんと聞いて下さい。律先輩」
梓「バカなこと言わないで下さい。それに、律先輩はまだ勘違いしたままです」
律「…勘違い?」
梓「はい。澪先輩の彼氏の話です」
律「っ、い、いいよ! 聞きたくない」
梓「そうはいかないです。ちゃんと聞いて下さい。律先輩」
止めろ、止めてくれ……。
聞きたくない、聞きたくない…!!
聞きたくない、聞きたくない…!!
梓「ただの、噂です」
律「……へっ?」
梓「だから、澪先輩に彼氏なんていませんよ。本当に、ただの噂だったんです」
律「……へっ?」
梓「だから、澪先輩に彼氏なんていませんよ。本当に、ただの噂だったんです」
ふつふつと湧き上がってくる感情は二つ。
心底、良かったと思っている感情と、
心底、良かったと思っている感情と、
律「何で、何でそれを私に言うんだよ!!!」
梓「っ、律…先輩」
律「何で、諦めさせてくれないんだ! こんな感情、持っちゃいけないのに!あぁ、そうさ!
見苦しいだろ!? これをきっかけにあいつへの……澪を好きなんだって感情を捨てられると思ったのに!」
見苦しいだろ!? これをきっかけにあいつへの……澪を好きなんだって感情を捨てられると思ったのに!」
放課後ティータイムという居場所を失って、澪の隣という居場所すらも失って。
今更……何を言ってるんだろうな…。
今更……何を言ってるんだろうな…。
梓「……、律先輩、私は放課後ティータイム辞めたいって言っても、
辞めさせる気なんてありませんし、その告白、ちゃんと澪先輩の目の前で言って下さい」
辞めさせる気なんてありませんし、その告白、ちゃんと澪先輩の目の前で言って下さい」
律「何……言って―――」
澪「りつ、」
律「!!」
律「!!」
背後から聞こえたもう一つの声に驚いて振り返れば、
梓の隣に……澪がいた。
梓の隣に……澪がいた。
律「いつ……から…」
梓「律先輩が何で諦めさせて―――なんて言い始めた時ですよ。それじゃ、私は戻りますね。
お二人で話したいこともあるでしょうし、馬に蹴られたくありませんし」
梓「律先輩が何で諦めさせて―――なんて言い始めた時ですよ。それじゃ、私は戻りますね。
お二人で話したいこともあるでしょうし、馬に蹴られたくありませんし」
はっ? 馬?
じゃなくて! え? 聞かれて、た? 澪…に?
じゃなくて! え? 聞かれて、た? 澪…に?
澪「……りつ」
律「! く、来るなよ! 今の聞いてたんだろ!
お前が親友だと思ってた奴は実はお前のことが好きで、っ…気持ち悪いだろ!?」
律「! く、来るなよ! 今の聞いてたんだろ!
お前が親友だと思ってた奴は実はお前のことが好きで、っ…気持ち悪いだろ!?」
それでもなお、近付いてくる澪。
距離が数十センチになった時、私は……澪に抱きしめられた。
距離が数十センチになった時、私は……澪に抱きしめられた。
律「なっ、」
澪「気持悪くなんて、ないよ。私だって、同じ気持ちだもん」
律「……え?」
澪「ずっと、好きだった。律、好きだよ」
澪「気持悪くなんて、ないよ。私だって、同じ気持ちだもん」
律「……え?」
澪「ずっと、好きだった。律、好きだよ」
だ、だって、澪には彼氏がいて…。
あぁ、噂だったんだっけ? え? いや、は?
あぁ、噂だったんだっけ? え? いや、は?
澪「確かに、この間路地裏でさ、男の人と一緒にいたよ」
律「な、なら」
澪「うん。告白された。けど、断ったよ」
律「な、何で……」
澪「だから、律が、好きだから。……実は、梓に相談してたんだ」
律「な、なら」
澪「うん。告白された。けど、断ったよ」
律「な、何で……」
澪「だから、律が、好きだから。……実は、梓に相談してたんだ」
あ、やばい。頭がついていってない。
澪「ごめんな、律。もっと早く告白してれば、こんなことにならなかったな」
そう言って、澪は更に抱きしめる力を強くする。
澪「だから、泣くなよ……。りつ」
律「……っふ、ぅ…な、泣いて……ねーし…」
流れる涙が止まらない。
澪の首元に顔を埋めて、澪以上に強く抱きしめる。
澪の首元に顔を埋めて、澪以上に強く抱きしめる。
律「み、お……」
澪「ん?」
律「みん、な…見てる…」
澪「見せつけてやれば良いじゃないか」
澪「ん?」
律「みん、な…見てる…」
澪「見せつけてやれば良いじゃないか」
少し落ち着いてきて、周りを見れば、校舎の中から私達を見る人影が、チラホラ。
澪「なぁ、律」
律「…っふ……ぅぅ、な、に?」
澪「これから、私達の関係は世間から見れば冷たい扱いを受けるかもしれない。
けど、私は律とだから、そんなのだって平気な気がするんだ」
律「……っ、っく」
澪「私達二人だけじゃない。梓だって、唯だって、ムギだって、さわ子先生だって味方だ」
律「…っふ……ぅぅ、な、に?」
澪「これから、私達の関係は世間から見れば冷たい扱いを受けるかもしれない。
けど、私は律とだから、そんなのだって平気な気がするんだ」
律「……っ、っく」
澪「私達二人だけじゃない。梓だって、唯だって、ムギだって、さわ子先生だって味方だ」
視界の端に見えたのは、私達を見守る、唯達。
澪「だから、さ…。律、私と付き合って下さい」
耳元から聞こえたのは、初めて聞くような澪のとても甘くて、優しい声。
律「……っ…み、お」
澪「なに?」
律「…わったしも、す、好き…だった。よっ、よろしくっお願い…っします」
澪「なに?」
律「…わったしも、す、好き…だった。よっ、よろしくっお願い…っします」
しゃくりあげながらも、伝えられた言葉に、澪は微笑んで声を漏らした。
その後、澪達に辞めると言ったことを、こっ酷く怒られて。
私は、今日も元気に部長と、澪と恋人やってます!
私は、今日も元気に部長と、澪と恋人やってます!
おわり
- 澪ちゃんかっこよす。 -- 名無しさん (2011-10-30 23:53:35)
- 澪ちゃんイケメン、りっちゃんかわええw -- 名無しさん (2011-10-31 00:35:22)
- この澪ちゃんに抱かれるりっちゃん羨ましいぜ...!! -- 名無しさん (2012-01-05 21:53:27)
- 幸せになれよ・・・ -- アクティブ (2012-03-26 17:23:11)
- 思う存分魅せつけちゃえば良いと思うよ!! -- 名無しさん (2012-04-05 18:37:26)
- こりゃ惚れるわ… -- 名無しさん (2012-04-12 22:38:47)
- イケメン澪の破壊力はやばい -- 名無しさん (2012-04-28 05:27:52)
- うわぁこれも一位二位を争うssだ -- 名無しさん (2012-06-23 12:17:12)