けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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私は今世界中の誰よりも幸福なんじゃないかと思う。

「澪、一緒に帰ろ」
「うん」
照らす西日はまるでスポットライト。
二人だけの舞台をつくってくれる。
不意に手が触れ合った。
「あ、ごめん」
「だ、大丈夫」
なに謝ってんだ…
チャンスじゃないか。
思い直し、意を決して澪の手を握る。
「り、律?」
「ヤダ?」
「イヤ…じゃないよ」
「へへ」
手を握ったまま、澪の家に向かう。

こうやって澪の家に寄って、それぞれお互いにしたい事をする。
幼なじみから関係が変わった今でも変わらない。
変わった事と言えば、二人の距離が遠くなってしまった事。
机に向かって何やらしている澪とベッドに腰掛け雑誌を読み漁る私。
何だか気恥ずかしくてお互い近付けない。
でも、いい加減その距離がもどかしくなり、極力いつもを装って距離を埋めようとする。
「みーお!こっちこいよ」
「どうした?」
「そんなに離れてたら寂しいじゃん」
「そ、そうだな」
照れながらも素直に私の隣へ腰掛けてくれる。

澪が隣へきただけでドキドキする。
バクバクと脈打つ鼓動を抑えようとすればするほど、意識してしまう。
澪に触れたい。
でも、どうしようもなく好きで、大切だから尻込みしてしまう。


手握るぐらいならいいかな?
さっきもイヤじゃないって言ってたし。
恐る恐る澪の手に自分の手を近付ける。
触れた瞬間にビクリとする澪。
あ、やっぱイヤだったのかな?
さっきとは状況も違うわけだし。
手を離そうとすると澪によって阻止された。
「律、私イヤじゃないってさっきも言っただろ」
「で、でも、ベッドの上だよ。我慢できなくなるかもだし…」
「…いいよ」
「へ?」
「私、律が何もしてこないから不安だったんだ。でも、自分からして嫌われたらって思ったらできなくて…」
澪も同じだったんだ。
私が臆病になってる間澪はずっと不安だったんだ。
「…みお」

初めてのキスは触れただけ。
澪がはにかみながらふわりと笑う。
それだけで心が踊る。
私を惹きつけて夢中にさせる。
「ねぇ、りつ」
「うん」
もう一度口付ける。
先程とは違い、深く、少し激しい。
絡めてくる指先、合わさった口の端から漏れる吐息、何もかもが狂おしい。
とめどなく溢れ出す愛しさを余す事なく与える。
柔らかな唇を堪能しながら澪をベッドへ優しく押し倒す。

薄く目をあけ澪の表情を確認する。
「何で、泣いてるの?」
「りつだって」
「今、すごく幸せなんだ」
「うん」
大好きな人に触れられて、感情が高ぶってしまった。

「澪、好き……愛してる」
「私も…愛してる」

大切な人が隣に居てくれて、愛を囁いてくれる。
私は今世界中の誰よりも幸福だ。


  • たまらん! -- 名無しさん (2012-11-30 12:39:05)
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