けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編133

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/08/31(火) 18:48:54

8月31日・・・いつもならエンドレス・ホームワークを背負い、涙目で澪に怒られながら机に向かうところだけど
今年は受験生ということもあり、前半から尻に火を点けられたような状態で机に向かった。
結果、私はなんの不備もなく夏休みの最終日を迎えるに至ったわけで・・・毎年のように余裕のある澪と、余裕にあふれる最終日を過ごしていた。

「うわー、今年は9月入っても暑いってさー。」
「それは辛いな・・・10月1日にきっかり衣替えできるのかな」

弱めのクーラーで快適な部屋の中、いつものように無駄話に花を咲かせる私たち。夏休みの最終日とは思えないほどのゆったりした時間・・・
宿題を早めに済ますしっかり者たちの気持ちが少しはわかったような気がする。

しかし、せっかくの夏休み最終日。宿題地獄じゃないだけ良いにしろ、こうやってぼーっとしてるのも勿体無いといえば勿体無くはないか・・・
よーし!ちょっとワガママ言ってみよう。

「みーお、プールいかない?」

今年の合宿は夏フェスだったし、他の日だって遠出はほとんどしなかった。プールなんてもってのほか。話題にすら出さなかった気がする・・・
だからこそ、最後のワガママ。なのに、現実・・・というか澪は非情なのです

「今・・・何時だ?」

私は時計に目をやる。時刻は16時ぴったんこ・・・時期的にはあと二時間もすれば外は暗くなってくる

「もう4時間早ければ考えてあげたけどな」
「ぶー!けち!」

確かに澪は正しいが、華の高校時代最後の夏休み。もう一つ思い出作ったってバチはあたらないはず
必死こいて交渉を続けた結果、私は物置から大きめのバケツを取り出した。そこに水を張り、庭先で澪と一緒に足を浸す・・・
ずいぶんスケールは下がったものの、めでたく私と澪貸切のプールが完成したわけだ。
ペットボトルの麦茶を飲みながら、私と澪は夏の終わりを告げるように暮れ行く夕日を眺めている

「今年の夏も終わりだな・・・りっちゃんなんか寂しいですー」
「ヒーヒー言いながら宿題手伝わされて終わるよりはぜんぜんマシだけどな」

ここにきて憎まれ口を叩いちゃうかこの子は!普段ならなんだよー!と飛びついてやるところだが、この状況でやってはビショ濡れ必至なので、
抑え目にコツンとこめかみを小突いてやった。それと同時に、遠くの空から夏の香りを纏った音が響く

「お?花火かな」
「こんな日にもやってるんだなー」

どこでやってるかはわからないけど、この響き方はそう遠くない

「見に行ってみるか?」
「ううん・・・今日は音だけでいい」

そういって澪は私の肩に身を任せ、その音に浸り始めた。そんな澪を少し見つめ、私も目を瞑ってみた

「たーまやー・・・」
「ふふ・・・たーまやー」

来年の花火は、一緒に見に行こう。
繋ぎ合った手は、その約束を胸に誓った証・・・



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