けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編124

最終更新:

mioritsu

- view
だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/08/02(月) 03:27:25

「ねえ、澪。」
律が呼ぶ。
その声はなんだか今にも泣き出しそうだった。
律は私のベッドに横になっていて、私はベッドを背もたれに雑誌を読んでいる。
今日は二人で遊んだあと、そのまま私の部屋まで来ていたのだ。
「どうした?」
急に弱々しい声を出すもんだから心配になって振り向くと、やはり泣き出しそうな表情の律と目が合った。
「ねえ澪、こっちきて」
そう言って腕を引っ張るので私はベッドに腰掛ける。
すると後ろから抱き締められた。
ぎゅう、と細い腕を腰に回して身体をくっつける。
「律ー、どうしたんだ?」
私も体勢を横にしながら問い掛ける。
二人とも同じ方向を向いたまま、顔は見えない。
本当は律がなんで泣きそうなのかもわかっていた。
もうずっと前から、私達はお互いの気持ちを知っていた。
その上でごまかし続けてきた。
それは律に対してじゃなくて自分に。
多分律だってそうなんだろう。
私だってこうやって抱き締められてるくせに、本当の気持ちは言葉にしない。
好きとか愛してるとか、言葉にしたら形になってしまう。
それが怖いから、今の関係が一番心地いいから、二人とも相手の気持ちに気付いていても何も言わないんだ。
私はくるりと律のほうを向くと、律の背中に腕を回した。
律は私の髪を撫でている。
それが気持ち良くて、私もお返しとばかりに律の髪に触れた。
すると律と目が合って、もう泣きそうな顔はしてないな…と思っていたら、そのまま後頭部を引き寄せられた。
柔らかい感触を軽く唇に受けると、すぐに離れる。
それが切なくて、今度は私から律へと口付けた。

『律、あいしてる』
伝えられない思いを心の中で囁いた。

終わり




名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー