けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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匿名ユーザー

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君と私は釣り合わない
ある日の体育の時間、
短距離走で学年5位という記録を出した君を見ていて思ったこと
私はというと、平均で言えば速い方ではあった
でも、君と比べれば天と地程の差。
その差は一秒もないけど、
陸上で短距離となればそれでも天と地の差だよね
いつからか、君に勝るもの、それが私にはなくなっていた気がする
君は多くの女子に囲まれてチヤホヤされて照れていて
私の周りには仲の良い二、三人の女子がいるばかり
その女子だって、注目していたのは君だった
「ねえねえりっちゃん、澪ちゃんって運動できる方なんだね!」
できる方なんてもんじゃない。小中学生のころからどちらかといえばできる方だったし
高校に入ってからはまた運動神経良くなったみたいで。昔は私のが運動得意だったのにね
君に欠けてるものなんてない。
恥ずかしがりとか人見知りはあるけど、そんなものだって環境が良ければ
何の邪魔にもならない。部活も学校生活も充実している君に
もう欠点なんてなにもない。

私はどうだろう・・・私の欠点。
頭は良くは無い、運動もできない方ではないけど、君にはついに及ばなくなった
背も低いし、胸も小さいし、顔もたまに可愛いとは言われるけど、それ程良い方とは思えない
歌詞だって書けやしないし、歌も上手くないし、
ドラムも・・・多少才能があればすぐ追いつけるくらいのものだと思う

君が、遠く見えた


*


「・・・・38度か・・・」
その体育の後、昼休みあたりに急に調子悪くなっちゃって
保健室に行ったら早退を薦められた。風邪気味だってさ
普段風邪なんか引かないのに・・・なんでだろ。
        • まあ大体わかってるけど
私は後ろ向きになると風邪を引くみたい。こうなってみるといつもの自分は
どれだけ前向きなのかと、色々考えてしまう
それで一応みんなにそのことを伝えて早退して、帰った後はずっと寝てた。
でもその間もずっと考え事してたもんだから、熱も下がらず、むしろ悪化していった
次の日の朝、熱は38度・・・病院に行って検査してもらったところ、幸いインフルエンザではなかった
それでも誰かに移したら悪いので、学校は休んで、その日もずっと寝ていた。

「・・・・澪・・・」
あの体育の時間から、君との間に距離を感じていた。ちょっと勝手すぎるけどね。
天性に恵まれたんだなあ。私には何も無い
また相も変わらず悩んでいると、一つのリズムが耳に入る
このリズム・・・ああ、もう午後か。・・・・来てくれたのかな
「・・・澪?」
「げっ・・・・今回はばれないように入ろうと思ったのに」
ドアを開き、はにかみながら部屋に入ってくる君。
その完璧ぶりにギャグセンスまで兼ね備えはじめたみたい。ずるいなあ。
「・・・風邪、だって?」
「・・・・・うん」
こんな近くにいるのに、遠い
「・・・・・・・辛い?」
「・・・うん・・・」
風邪ももちろん辛いけど、今はそれより精神的に辛い。
自信がどこかに消え失せちゃったみたい
君の笑顔だって、とても優しい笑顔なのに、今の私にはナイフのように鋭く見えて
胸に突き刺さってくるような感覚さえ覚える。


*


「はいこれプリント。あと唯とムギと梓から・・・・・律?」
「え・・・?」
「・・・涙」
ずっと決めていた。どんなに悲しいことがあっても、澪には涙は見せないって
なのに今、私の目にはとても熱い感覚があって、全部ぶちまけたい衝動に駆られた
抑えたい、抑えていたい、今の私の悩み
こんなこと言われたって澪は困るだろう。だけど、なのに、口の方が素直みたいで
「・・・・澪・・・何で私なんかと・・・・付き合ってるの?」
「え・・・」
「澪は勉強もできて・・・運動も出来て・・・キレイでスタイルもいいし・・・」
いいやもう、何の解決にもなりはしないだろうけど
吐き出そう。
「それなのにっ・・・ひぐっ・・・・私なんかっっ・・・何も無い・・・何も持ってない・・・・
釣り合う部分なんて何もないよっ・・・・
私なんかがっ・・・・澪と関わっちゃいけないんだよ・・・・」
私の嘔吐のような告白に君は当初驚いていたようだったが、大方吐き出し終えると
君は少し笑いながら私の頭を撫でてくれた
「・・・バカだな。そんなことで悩んでたのか?」
笑顔だけど、君は陰りを帯びていた。一言で言えば、泣きそう
そんな表情だった


*


「私・・・・律に認めてほしくて・・・・今まで頑張ってきたんだよ」
          • え?
「いつも私は律に助けられてた・・・・いつも心配ばかりかけて・・・
だから勉強や運動や・・・人付き合いも頑張って・・・律に心配かけないように・・・
そうなろうって・・・・頑張ってきたんだよ?」
君の目からも涙がこぼれた
「なのに・・・・なのにっ・・・・そんな寂しいこと・・・・言うなよっ・・・・」
今私たち、二人揃って泣いてる。 おかしいや
「律に見てもらえないんじゃっ・・・・何したって・・・意味無いよっ・・・・・うっ・・・・えええん」
あーあー・・・そんなに泣いちゃって・・・・目真っ赤だよ?
「・・・・そんなっ・・・勝手に一人で悩むなよ・・・・・・いつもいつも・・・・・・
なんでっ・・・・・・本気で頼ってくれないんだよっ・・・・・・
私だってもっとっ・・・・律に頼られたい・・・・ずるいよっ・・・・・
もう私が一人前になったからっ・・・・・関わるのはやめようなんて・・・・私もっ・・・・律を助けたいよっ・・・・・」
私も君も、涙が止まらない
涙だけで海ができるんじゃないか?そんなバカなことも考えてしまうほど

「ごめん澪っ・・・・・・・じゃあっひぐっ・・・・今だけ・・・頼って良い・・・・?」
「・・・・・・・ううん・・・・今だけなんて言うなよ・・・・いつだって・・・・頼ってくれ
貯金はいっぱいあるから」

出会ってから初めてかもしれない
君にこの体を全て託すのは

「澪っ・・・・澪ぉっ・・・寂しかったっ・・・・・・・辛かったよお・・・・」
「大丈夫だよ・・・・いつも一緒に居てあげるよ・・・・・
これからは、私が律をずっと見ててあげるから!・・・・だからっ・・・もう心配しないでッ・・・・」
「うっ・・・・ううっ・・・うわぁぁぁん」


*


あーあ、何がどうなってるんだか。気付けば朝だった
抱き合ってバカみたいに泣いたまま、泣きつかれたのか私が寝ちゃったみたいで
起きたら私がベッドに、君が床にお泊り用の布団を敷いて寝てた。久々だね、お泊りするの。
風邪はというと、熱の方はわからないけど、体は嘘みたいに楽になった。これなら多分熱も引いてると思う
やっぱ気持ちに左右されやすい体質なのかなあ

にしても昨日が金曜日でよかった。平日だったら遅刻してたところだよ・・・・

私と一緒に目覚めた君も、目は真っ赤。髪はぼさぼさ。多分私もそう・・・一緒だよ
「ははっ。目がぐりぐりする・・・顔洗おう、澪!」
「うん。ほら、起きれる?」
久々に君に投げかけた、私の笑顔。
君は安心したみたい。良かった。

もう、抱え込まない。私の荷物、これからは君にも少し持ってもらおう。
いいよね。・・・・・だって、君がそう言ったんだよ?
        • 澪!


  • 素晴らしいですはい -- 名無しさん (2011-10-31 23:00:03)
  • すごくいい -- 名無しさん (2012-01-10 19:56:23)
  • なう。 -- 名無しさん (2012-01-28 12:09:44)
  • Good -- 名無しさん (2012-01-29 07:56:36)
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