けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編119

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/07/10(土) 02:57:55

ふぁーあ。あくびをひとつ。……眠い。
学校への通学路で、私は一人澪を待っていた。
いつもならとっくに合流している時間だというのに、澪は来ない。
携帯を確認しても、連絡はなし。
一体どうしたんだろう。まぁ、ギリギリまで待ってみるとするかね。

そう思いつつ待つこと10分。慌てるような足音が響く。
この音は、澪しかいない。……寝坊でもしたのかね。

「ご、ごめん律!」

キキーっと音がしそうなほどの急ブレーキをかけつつ角を曲がってくる澪。
『遅いぞ』と文句をいってやろうと開いた口は、澪の姿を見た瞬間動かなくなった。

走ってきたせいで軽く汗をにじませ、頬は少し赤い。
更に、胸元のボタンがひとつ空いていて、タイも結べていない。

「……律?」

澪は息を整えると、固まったままの私を見て首を傾げる。
私の方はと言えば、突然のとんでも無い光景に脳内会議中。
とりあえず、何よりもまずこの目の前のとんでも娘をなんとかするという事で合意された。

「お前、流石にこれはまずい」

只でさえ人目を惹くんだから、気をつけるように。
そう念を込めつつ、ボタンをとめてタイを結んでやる。

「あ、ありがと」

さっきとは別の意味で頬を赤らめる澪。ふふん、すこしからかってやろうか。

「まるで新婚さんみたいですわねぇ」
「……はぁ!?」
「ほらほらー澪、行ってきますのチューはぁ?」

わざとらしくそう言って、澪に顔を近づける。
真っ赤な顔で口をパクパクとさせ混乱状態の澪。
よしよし、期待通りの反応をありがとう。

さて、お約束も終わったことだし。
『早く、行くぞ』と声をかけて、離れようとした。

すると、澪は急に何か覚悟を決めたような表情をした。
そして一瞬だけ。唇に生暖かい、柔らかい感触。

「……へ?」

何が起こったのか分からず、呆ける私の耳に。
学校のチャイムの音が、遠くで響いた。

あぁ、遅刻決定。




おわる。



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