投稿日:2010/06/29(火) 02:49:48
二人きりの時でも、基本的にお互い勝手に過ごしている。
私の部屋と律の部屋が、私にとって気を使わなくていい空間。それは律にとっても同じらしい。
まるで自分の部屋のベッドに寝転がるかのように、私のベッドに寝転がりながら雑誌を読んでいる。
そういうわけだから、それこそお互いが一人の時と同じ過ごし方をする。
けど、やっぱり一人の時とは違うこともあるわけで。
例えば。
私の部屋と律の部屋が、私にとって気を使わなくていい空間。それは律にとっても同じらしい。
まるで自分の部屋のベッドに寝転がるかのように、私のベッドに寝転がりながら雑誌を読んでいる。
そういうわけだから、それこそお互いが一人の時と同じ過ごし方をする。
けど、やっぱり一人の時とは違うこともあるわけで。
例えば。
「み~お~」
こうやって私を呼ぶ律の声がする、とか。
「んー?」
そして私が返事をしたり、とか。
「暇」
「そう」
「そう」
目の前の雑誌を読みなさい。私は作詞をしていて忙しい。
嘘。律を観察しているので忙しい。
あぁ、これも一人の時とは違うこと、だな。
……なんだ、違うことだらけじゃないか。
嘘。律を観察しているので忙しい。
あぁ、これも一人の時とは違うこと、だな。
……なんだ、違うことだらけじゃないか。
いやいや、これでも最初はちゃんと作詞をしようとしていたんだ。
……でも。
……でも。
律は、雑誌を読んでるときとても表情豊かになる……要するに百面相。
笑うようなところなんてないはずなのに、おもいっきり吹き出してケラケラと笑っていたり。
そうかと思えば急に真剣な顔をして食い入るように見つめ、残念そうに落ち込んだり。
それを見ているのがとても楽しくて、面白くて。ついつい、やることを放り出して眺めちゃうんだ。
笑うようなところなんてないはずなのに、おもいっきり吹き出してケラケラと笑っていたり。
そうかと思えば急に真剣な顔をして食い入るように見つめ、残念そうに落ち込んだり。
それを見ているのがとても楽しくて、面白くて。ついつい、やることを放り出して眺めちゃうんだ。
「ずっとこっち見てたし、澪だって暇なんだろー」
どうやら眺めていることはバレバレだったようだ。まぁ、隠すつもりもないんだけど。
「暇なような、そうでもないような」
曖昧に返してみれば、少し頬をふくらませた顔がこちらを向く。
その顔が可愛くて、おかしくて。思わず吹き出すと今度はその顔のまま眉間にシワがよった。
その顔が可愛くて、おかしくて。思わず吹き出すと今度はその顔のまま眉間にシワがよった。
「ごめんごめん」
「ゆるさーん」
「ゆるさーん」
拗ねられると困ると思って取り敢えず謝ってみたけれど、どうやら遅かったみたい。
さてどうしようか。
さてどうしようか。
「こっち」
律のご機嫌取りの方法を考えていると、律が手招きをして呼ぶ。
ここは素直に従っておいたほうがいいだろうな。
そう思ってベッドの脇まで近寄った。……その瞬間。
ここは素直に従っておいたほうがいいだろうな。
そう思ってベッドの脇まで近寄った。……その瞬間。
*
「てやぁ!」
「え、ちょ、律!」
「え、ちょ、律!」
思い切り腕を引っ張られベッドに倒される。
完全に不意打ちだったせいで、顔からおもいっきり突っ込んだ。
完全に不意打ちだったせいで、顔からおもいっきり突っ込んだ。
「……何すんだよ!」
布団から顔をあげて、目の前の律に抗議する。
いくらふかふか布団だって言っても、結構痛いんだぞっ。
いくらふかふか布団だって言っても、結構痛いんだぞっ。
「んー、澪がいじめたから仕返しー」
そういって、律は私のお腹のあたりに抱きついてきた。
……これじゃあ、怒るに怒れない。お手上げ、私の負け。
……これじゃあ、怒るに怒れない。お手上げ、私の負け。
「はぁ。……悪かったよ」
「んー」
「んー」
まるで構えというように頭をグリグリとくっつけてくる律。
お前は犬か。そう思いつつも私の手はしっかりと律の頭を撫でていた。
お前は犬か。そう思いつつも私の手はしっかりと律の頭を撫でていた。
「みおー」
「なんだ?」
「かまえ」
「なんだ?」
「かまえ」
今のこれは、構うに入っていないのか。
一体、何をすればいいのか。というか律は何がしたいんだろう。
一体、何をすればいいのか。というか律は何がしたいんだろう。
「なにかするか?」
「んー」
「んー」
特にやりたいことは、ない。ってことなのかな。……となれば。
「律、ちょっと離れて」
「や」
「いいから」
「や」
「いいから」
渋々ながらに離れた律を、そのまま抱きしめる。
お腹のあたりにくっつかれたままだと、やりにくいからな。
はてさて、お姫様のご機嫌は取れただろうか。
そう思って律の方を見れば、何か言いたげに私を見ていた。
その瞳を見て漸く、律が望んでいることを理解する。
お腹のあたりにくっつかれたままだと、やりにくいからな。
はてさて、お姫様のご機嫌は取れただろうか。
そう思って律の方を見れば、何か言いたげに私を見ていた。
その瞳を見て漸く、律が望んでいることを理解する。
そして何を望んでいるのか分かってしまったからには。
それをしない、という選択肢は残っていなかった。
それをしない、という選択肢は残っていなかった。
おわる。
- 萌えた -- 名無しさん (2011-01-21 09:49:37)
- 同上! -- 名無しさん (2011-03-27 01:19:29)