けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編114

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/06/28(月) 15:00:33

インターホンがなった。続いて玄関の開く音と共に聴きなれた少し低い声。
「律、私だけど」
名前を聞かなくても誰だかわかる。返事をせずに机に頬杖をつきシャーペンを
くるくるまわしていると不安そうな足音が近付いてきた。

「律ぅー?」

私は笑いを堪えながら、なおも返事をせずにシャーペンをまわし続けていると
部屋のドアが開いた。
澪は目に大きな涙を溜めながらひょこっと顔を出した。
私がニヤニヤ笑いを浮かべながら振り向くと顔を真っ赤にする。

「あらあら澪ちゃん、どうしたのかなー?いないと思って怖かったとか?」
「う、うるさい!」

澪はそう言いながらもほっとしたように部屋に入ってきた。

「で?」

私は立ち上がると、澪の傍に行って座り込むと、涙をぬぐってやりながら言った。

「でって何が」

澪がぶすっとして返してきた。私は「あのなあ」と苦笑すると溜息をついた。
突然澪が訪ねて来る時は必ず何かあったときだ。そういえば今日はベースを
持って来ていないな。

澪は私の視線に気付いたのかばっと顔を逸らしぼそり、と一言。

「……会いたかったから」

私はまた笑い出しそうになるのを必死で堪えると澪の頭をポンっと叩いた。
私と居るときだけ見せる、澪の表情が愛しくて。

「ん、私も会いたかったぞ」

そう言ってやると澪は「バカ律」と言いながらも頬を染めて嬉しそうに笑った。




「あ、そうだ、律」
「んー?」
それから暫く、私はベッドに寝転がりながら漫画を、澪はベッドに
もたれながら音楽を聴いていると、澪が突然思い出したように声を上げた。
私は起き上がると澪を見た。イヤホンを片方差し出される。

「この曲、律と一緒に聴きたかったんだ」
「どれどれ?」

澪が近付いてきてイヤホンを耳に入れてくれた。と軽やかな音楽が流れ込んできた。
そして澪のハミング。頬と頬がくっつくくらい近いところで。

これが私の一番、幸福時間(こうふくたいむ)



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