投稿日:2010/06/08(火) 08:27:35
「なぁ。私と組むのは、嫌なのか?」
放課後の帰り道、皆と別れて私と律だけで歩いていた。
二人きりになった途端、急に黙り込んだからどうしたのかと思ってたけど。
二人きりになった途端、急に黙り込んだからどうしたのかと思ってたけど。
「コンビの話か?」
「私とは嫌で……梓は良いんだろ」
「私とは嫌で……梓は良いんだろ」
律にしては珍しく、不機嫌そうな声。
こいつは基本的にそういうマイナス部分を見せないから、少し嬉しい。
さて。もう少しこのまま引っ張ってみるべきか、本当のことを言うべきか。
何時もこういう立ち位置になるのは律で、今の律の立ち位置が私。
だから、どうしたらいいのか。……悩ましい。
うーん。こんな立ち位置に居られることなんてそうないからな。
とりあえず、引っ張ってみようか。
こいつは基本的にそういうマイナス部分を見せないから、少し嬉しい。
さて。もう少しこのまま引っ張ってみるべきか、本当のことを言うべきか。
何時もこういう立ち位置になるのは律で、今の律の立ち位置が私。
だから、どうしたらいいのか。……悩ましい。
うーん。こんな立ち位置に居られることなんてそうないからな。
とりあえず、引っ張ってみようか。
「さぁ、な」
「さぁってなんだよ」
「さぁってなんだよ」
引っ張ってみようとか考えたはいいけど。何にも浮かんでこないよ。
……私にはこういうの、無理みたいだ。
あーあ。律はこういう時、色々言って誤魔化したりからかったりしてくるのに。
ほんと……律って、凄いなあ。
……私にはこういうの、無理みたいだ。
あーあ。律はこういう時、色々言って誤魔化したりからかったりしてくるのに。
ほんと……律って、凄いなあ。
「律をからかってみただけ」
「……」
「……」
私の顔をのぞき込むようにして、顔を近づけてくる律。
その瞳は『お前、嘘ついてるだろ』とでも言いたげだった。
……やっぱり、私にはこういう事、向いてないみたいだ。
その瞳は『お前、嘘ついてるだろ』とでも言いたげだった。
……やっぱり、私にはこういう事、向いてないみたいだ。
「律とはもう組んでるようなものだと、思ってたから」
「じゃあ」
「だから、改めて組むって言われるとなんか。……今までのなしって感じがして、その」
「じゃあ」
「だから、改めて組むって言われるとなんか。……今までのなしって感じがして、その」
そういうと、律は更に顔を近づけて睨んできた。
そして『それも、嘘だな』と目で訴えてくる。
精一杯それらしいこと言ってみたんだけど、ダメか。
……仕方がない、本当のことを言うしかないな。
そして『それも、嘘だな』と目で訴えてくる。
精一杯それらしいこと言ってみたんだけど、ダメか。
……仕方がない、本当のことを言うしかないな。
「律と組んだら、演奏じゃなくて漫才やらされそうだったから」
「なんでやねん!」
「なんでやねん!」
ほらみろ。綺麗にツッコミのポーズまで入ったじゃないか。
普段から散々『漫才みたい』とか言われてるんだぞ。
コンビ名までついたら、完全にそうなっちゃうだろ。
普段から散々『漫才みたい』とか言われてるんだぞ。
コンビ名までついたら、完全にそうなっちゃうだろ。
「はあ。……悩んだ私がバカみたいだよ」
「そんなに、気にしてたのか?」
「へっ?……えっとー、ほら!澪が私だけ省いて『ゆいむぎみおあず』とか言ってくるからさあ!」
「そんなに、気にしてたのか?」
「へっ?……えっとー、ほら!澪が私だけ省いて『ゆいむぎみおあず』とか言ってくるからさあ!」
律が、急に慌てだす。なんか変なこと言ったか、私。
「それは……先に唯とムギで組むって話をしてたからじゃないか」
「ま、まあいいんだよ!もう!」
「ま、まあいいんだよ!もう!」
そういって、律は走って先に行ってしまった。なんなんだよ、本当に。
おわる。