けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編91

最終更新:

mioritsu

- view
だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/05/05(水) 00:13:12

私たち二人のほかに誰もいない教室。
二人きりの教室といえば、友達同士ならいろんな話に花が咲き、恋人同士なら少しいい雰囲気になる。
そんなシチュエーションだけど、今の私たちは違った。
「ほら、起きろ。そろそろ帰るぞ」
「ん~、もう少しだけ……」

こうなったのは遡ること数十分。
試験期間中で部活も禁止されているため、さっさと帰ろうとしていたところ私だけが先生に呼び出された。
それじゃ待ってるよと言う律を残し私は職員室へと向かった。
少しばかり先生との話が長くなってしまい、律には悪いことしたなと思いながら教室に戻ると律は机に突っ伏して寝息をたてていた。
ということで私は一人教室で律に手を焼いているというわけ。

「待たせたのは悪かったからさ、早く帰ろ」
「うぅ~ん、んん……」
言葉にならない声をあげながら律は肩をゆする私の手を払いのけた。
如何せんおねむな律は少しばかり聞きわけが悪くなる。
とはいっても放課後の学校に長居するわけにもいかない。
仕方なく律の背後から手を回し込んで起こそうとする。
「ホラ行くぞ」
「んもう、ナニスンダヨ!!」
聞きわけのない律は相変わらず小さな抵抗をしてくる。
「何だ? 学校で一泊するのか?」
「それでもいい……」
「バカなこと言ってないで起きた起きた」
引き起こそうとする私、机に突っ伏そうとする律。
数分間繰り広げられた私との根比べに負けた律はしぶしぶと重たそうに頭を持ち上げた。
しかしまだ意識は覚醒してないようでボーッとした視線を私へ送ってくる。
「はい、目覚めの一杯」
私はカバンからペットボトルを取り出し律へと渡す。
「ん、ありがと」
普段なら間接キスだなーなんて軽口を叩いてくる律も眠気には勝てないのか差し出されたペットボトルを受け取ると素直に口をつけた。
「どうだ、目は覚めたか?」
「……何とか」
いつもとは真逆のまったく覇気の感じられない返答。
今回律にとり憑いた睡魔はかなりランクの高いやつのようだ。
「家までもたないようだったら私の部屋で寝ていいから、とりあえず学校からは出よう。な?」
「……うん」
この律の様子を見る限り、どうやら私の提案通りになりそうだ。
私は律、そして睡魔というお呼びでない悪魔と共に西日の差し込む教室を後にした。


おわり



名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー