けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編87

最終更新:

mioritsu

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投稿日:2010/04/18(日) 04:20:01

長い付き合いなうえ、こういう関係になった今、わざわざ客用の布団を出したりはしない。
いや、中学のころも一緒に寝てたけどね。
二人して掛け布団の上から寝転んだら、私は漫画を読んでたり、澪はノートとにらめっこしながら歌詞を考えるのがいつものパターン。
「そろそろ寝るかー」
読んでた漫画を棚に収めつつ澪に声をかける。
時計を見ると午前2時前を指していた。
「あーそろそろ寝るか…」
澪がノートを閉じながら答える。
「いい歌詞浮かんだ?」
ノートをしまう澪の姿をボーッと眺めながら問いかけると澪はうーんと唸った。
「やっぱベッドに寝っ転がりながら考えてもいいフレーズは出てこないな」
布団の中に入りながら澪が苦笑する。
「じゃあどこで寝っ転がったらいいフレーズが浮かぶんだよ」
「なんで寝っ転がるのが前提なんだ」
律儀に澪が突っ込みをいれる。
私も電気を消して布団に入ると、もぞもぞと澪の左手を探した。
無意識に指先を探してしまうぐらい、寝るときに手を繋ぐのが癖になってるみたいだ。
「んー、でも冬に海行ったときも歌詞書けなかったしなぁ。やっぱインスピレーションが湧かないと…」
澪も今更驚いたりしない。
ただぎゅっと握り返してくれるだけで、会話はそのまま。
「私も授業中いきなりかっこいいフィルとか、アクセントの付け方思いついたりするしな」
「そうそう、考えると煮詰まっちゃうんだよ」
喋りながら澪の左手をいじったり恋人繋ぎにしてみたり。
澪の手は大きくてあったかい。
包み込まれてる感じが安心するんだろうな。

ふいに澪が繋いでた手を離す。
「…澪?」
触れていたぬくもりが離れて急に淋しくなる。
「さっきから律は…」
澪が呆れたようにため息を一つ落とす。
「私の手をモゾモゾしてて落ち着かないんだよ」

「だって澪の手おっきいんだもん」
「いや、答えになってないから」
そう言って澪は私のほうに身体を向ける。
「律の手はちっちゃいよな」
「なんだよーちっちゃくちゃ悪いのかよー」
さっきから子ども扱いされてるようで、少しむくれながら私も澪を見る。
「悪いなんて言ってないだろ」
澪は眠いのか少し低めの声で囁く。
そのまま澪に引き寄せられるかたちで抱き締められた。
「…律はちっちゃいから抱き心地いいしな」
「なっ、私は抱き枕かよ」
突然抱き締められたことに動揺する。
実際澪からこんなふうに抱かれるのってなかなかない。
澪は「たしかに抱き枕に最適だな」なんて言いながらクスクス笑っている。
ちくしょー、やっぱり馬鹿にしてないか?
でも…、手を繋ぐよりもっと、胸の奥にあったかい幸福感と安心感が溢れてきて、抱き枕でもいいや…と思ってしまった。
私からも抱きしめ返して重くなった瞼を閉じる。
「おやすみ、澪」
「おやすみ…律」



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