けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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投稿日:2010/03/18(木) 02:18:27

「みーお、中三にもなってまだこんな可愛いお人形と寝てるのー?」
ある日、私の部屋で遊んでいたときのこと。
その一言が、今の私の自室というものを形成する上での基盤になっていた
あいつに、からかわれるのが・・・気に食わなかったのかな。
「え・・・・へ、へんかな?」
「ん、別に変ではないけど・・・結構メルヘンチックっていうか、子供っぽいっていうか」
そんなことをいいながら私のうさちゃんのほっぺをぐにぐに指で弄んでいる
別に今となってはそこまで気にならないけど、思春期特有の感情というか・・・
子供っぽいとかメルヘンチックとか言われていい気はしなかった。
あんな歌詞を書いておいてそんなこと思うってどうなんだろう・・・まあいいけどさ。
その律の言葉がずっと心に焼きついていた私は、ついに模様替えを決心した。
人形は全部捨て・・・るのはさすがにもったいないので、しまうとして
部屋の小物なんかもピンクやハートをあしらったものは友人に上げたり、しまったり。
当時はそんな無茶なアレンジをして自室なのに落ち着けない状態となってしまったが、
半年もすれば逆にそっちの方が落ち着くようになった。追試の勉強会で唯の部屋に行ったとき、少し懐かしさを覚えたこともあった
そんなこんなで新開拓した私の部屋に、初めて律が遊びに来たとき 
その反応は意外だったなあ
「あれ・・・部屋の雰囲気変わった?」
「うん。律の言われて少し気が変わってさ。」
「そ、そうなんだ・・・」
あれ、なんでへこんでるんだこいつ。
「えっと・・・傷ついた?」
「・・・?なにが」
「私が変なこといったから・・・」
あら。なんだなんだ。しんみりしちゃったぞ。
「いや・・・別に律の言ったこと気にしたわけじゃ・・・」
ホントは気にしてたけどね
「えっと・・・でも・・・」
あーもう!
「なんだよ。律がしんみりしてたら私まで落ち着かないぞ!」
「あっ、ごめん」
そういって顔をあげるけど、その笑顔には若干の陰りを感じた
ふーん。これでも結構気にするとこは気にする性格なわけか・・・意外な一面ってやつだ
「・・・・ねえ、ぬいぐるみとかどうした?」
「ん、しまっちゃったよ?」
「見せて!」
律がそういうのでクローゼットから人形の詰まったダンボールを取り出すと、
律が中をごぞごぞと探り始めた
「・・・なにやってんだ?」
「えーと・・・このうさちゃん・・・あとこれ、これも・・・」
いくつか・・・というより全部の人形を取り出して律は私にあることを頼んできた
「これもう飾らない?」
「うん・・・もう模様替えしちゃったしな」
「じゃあ・・・私にちょうだい!」
いくつかの人形をぎゅーと抱きしめながら上目遣いにそんなことを言ってきた。
このとき少しその姿の何ともいえぬ愛くるしさにクラッときたのは内緒だ



「え・・・それはいいんだけど・・・どうするんだ?」
「まあ、そのうちわかるよ」
そんな風に回答を濁し、律は普段同様遊びモードに入ってしまった。
そしてその真相を知ったのは、ある日律の家に遊びに行ったときだった

「入っていいよー。」
「おじゃましま・・・あ、ぬいぐるみ」
以前は鏡とワックス、簡単な身だしなみ用の小物を乗せていた棚の上は
私があげた人形の新しい住処となっていた
「これ・・・」
「へへ、あんなせまっくるしいダンボールの中じゃ可哀想かなーと思って・・・」
そんなことを言いながら、うさちゃんを抱きしめる律
ほー・・・なるほど
「もしかして律も可愛いもの好きなんじゃないか?」
「はっ?!ばっ、ちがっ、えー・・・これは・・・なんと説明すれば・・・」
うさちゃんを抱きしめながらアタフタする律
可愛いもの好きというより、これじゃ律自体が可愛いものじゃないか。
「ふふっ・・・律は中三にもなってまだそんな可愛いお人形と寝てるのかー?」
「あうっ・・・ばっ澪のばか!ばか!」
私にも律をいじれる日がくるなんてな。

その日、なんとなく・・・わかった気がしたんだ。
律が、私をいじる理由。



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