けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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投稿日:2010/03/14(日) 06:46:50

もう三月も半ば、桜もほころびはじめ、コートが無くとも登下校に支障は無い
一番すごしやすい季節だろうな。私が好きなのは夏なんだけど
柄にもなく季節の恩恵に浸っていたから、横を歩く澪がなにやらソワソワしていることにも気づけなかった

商店街を出て、人通りの少ない道に差し掛かると、横にいたはずの澪がいなくなっていたことに気付く
何かと思い振り向くと、澪が俯いたまま立ち止まっていた。
「どしたー澪?」
「・・・・・」
俯いたまま少し眉間にしわを寄せたその表情を見て、また澪の気に障ることでもしたかと思ったが
振り返ってみれば澪の気に障らないことのほうが少ないというオチ。今日も特別何があったってわけでもないし
一体何があったのか
「・・・澪?」
「律・・・・明後日が何の日か、知ってるよな?」
明後日だって?今日は12日の金曜日・・・明後日は14日。・・・あ、ホワイトデーだっけ・・・
「ホワイトデーだよな・・・なんだ、欲しいものでもあるのか?」
そういうと澪はふっと顔をあげこちらを見つめる。何か今日はおかしいなあ
「欲しいもの・・・・っていうか、あげたいものがある・・・」
お返しにってこと?確かにバレンタインのときは市販のポッキーあげたけど・・・
体重気にしてるのになんて愚痴りながらちゃんと全部食べてくれるあたり、澪も優しいとこあるよね
話がそれたな。それで
「あげたいもの・・・って、なに?」
「ちょっと・・・こっちきて!!」
澪はそういって、急に私のほうに寄ってきたもんで、少し驚いて縮こまってしまった。
そこにすきあり!!と付け込むかのように私の腕を掴み、向かった場所は路地裏。
な、なんだ!何故路地裏に連れ込む!!
「ちょっ・・・おい!どうしたんだよ、さっきから変だぞー」
「ごめん・・・家についてからにしようと思ったんだけど・・・」
一応この後は私の家で遊ぼうかなんて話になってたから。・・・でも、わけがわからない
家でもできるような何かを、わざわざここでする必要があるのか?
「で・・・なんだよ」
「・・・・・」
私の質問を無視して、澪は驚くべき行動を起こした
少し暗めの、人通りの無い路地裏で
私は澪に、予告も無く、唇を奪われた。



そりゃあもう、こんなことされて驚かないはずもないわな。胸も高鳴っております
どうすればいいかもわからず、澪はまた私の手を引いて元の道に出ようとする
待てって、これじゃ澪の独壇場だし。まず行動に及んだ理由の方聞かないとな
「澪・・・今のは、どんな風の吹き回しだ?」
「・・・・えらく冷静だな」
真っ赤なしかめっ面でそんなことを言うそいつ。馬鹿いいなさんな、冷静でいられるわけないだろ?
面に出さないようにしているだけですよ。あまり澪にテンパってるところ見られたくないから・・・
「・・・ごめん・・・なんか、急に・・・したくなった」
急にって・・・家に着いたらいくらでもしてやろうじゃねえかってのになあ。
「誰かに見られてたらどうすんだよ」
「そのときは・・・そのとき・・・」
澪って向こう見ずなとこが結構あるな・・・衝動に素直すぎる。
「んで・・・ホワイトデーとは何の関係があるんだ?」
「・・・・いや・・・だから、バレンタインのお返しって・・・ことで・・・」
「それでキスしたんか。」
「・・・みたいな?」
みたいな・・・澪からそんな言葉を聞くとはね。どんだけ溜まっていたのかと
仕方ない奴だ
「おばか澪・・・さっさと帰るぞ・・・」
「はい・・・」
私の不機嫌っぽい反応に若干萎縮してるみたいだ。別に怒っては無いけど・・・
あわててるのを隠そうとすると無愛想になっちゃうんだ。多分そういう人結構いると思う
とりあえず陰気臭い路地裏から脱出して再び帰路に付き始めると、
澪が私の手を握って一言
「ハッピーホワイトデー・・・」
何言い出すんだか。本当に突拍子もない奴だ
澪の手が徐々に熱を持ち始めるのに気付いた・・・自分で言って自分で照れてるのか?
天然というか、おとぼけというか・・・唯やムギに勝るとも劣らず

…けど、ハッピーなのは私も同じだから・・・ここは良しとしておくか。
私からも壮絶なお返しをお見舞いしてやるからな。覚悟してろよー・・・

ハッピー・ホワイトデー、澪。



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