けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編72

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/01/06(水) 05:30:20

今にも地面に落ちてきそうなほど大きく黒い雲が、街の光を際立たせる
不安を煽り、寂しさを誘うような、そんな空の色
ふと、携帯を見る 自然と指が動き、映し出される君の名前と電話番号
君に会いたい、君の声を聞きたい
同じ気持ちで、君はいてくれているかな、いてくれたらいいな
針の穴に通すような気持ちで、指をボタンにあてがう

光を放ち、鼓動を早めた
君と同じ形をした、声と思いを届ける機械
それが私の声を求め震えていた
私がこの世で一番大好きな四つの漢字が映し出された画面
心の中のキャンドルに灯されたあかりが放っていた行き場の無い熱
それが私の胸を内側から叩き付けた
とりとめなく、君への思いを書き連ねていた私の手が
君の声を聞きたいと、その機械に覆い被さる

「律ー!」
「おー、来たか澪」
毎日が、君との出逢い
「なんだよ急に呼び出してー」
「へへ、暇してるんじゃないかと思ってなー」
毎日が、君との別れ
「じゃあどこに行く?」
「そうだなー・・・・あ、澪。」
365日
「え?」
「・・・・空」
重く重く、私たちを覆っていた
遠い空の綿菓子が
私たちの町に剥がれて落ちた
「うわー、どうりで寒いと思ったよー」
「律・・・どうする?とりあえずどこかお店入る?」
「うん・・・でも、少しだけ・・・見てよ。」
「・・・・・そうだな。」
私たちを押し潰すように広がった暗闇が、今度は私たちを包み込む
私たちを囲む、白い輝き。吐く息までもが私たちを照らし出した
「律・・・・」
「ん?」
君の右手が、私の左手が
その光に目がくらみ、道に迷わないように
互いを抱きしめた
「じゃ、いこっか。」
「うん・・・」

聞こえてくる 流れてくる 君をめぐる想いのすべて
365日の、言葉を持たぬラブレター


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