「青春、トラクター……ビーム……」
手帳に纏めておいた歌詞を、カタカタとタイプする。何度も使っているのに、未だにこのキーボードには慣れないな。
また和に教えて貰おうか。
いけない、また考えが散ってしまった。なんとか今夜の内にはこの詩をカタチにしないと。
気合いを入れ直したのもつかの間、何かが窓ガラスを叩くコツリという音が部屋に響く。できれば、この世のモノが立てた音であってくれと祈りながらカーテンをめくると、
「お、やっと出てきた」
「律?何やってるんだこんな時間に」
革のブルゾンを着込んで小石を握った律の姿。あんなものを投げていたのか。
怪訝な表情をしているだろう私に、律はいつもの笑顔を見せる。
「流星、見に行こうぜ」
「流星?今から?」
「今だからだよ。ほら、早く早く」
そう言って急かすように、ここまで乗ってきただろう自転車の荷台を叩いた。本当、夜中に押し掛けて来て勝手なヤツ。だけど、白い息を吐いてこちらを見上げる律に、断りの言葉なんてかけれなくて。
「わかった。今いくから」
ジャケットを羽織り、カイロを2つポケットへ。手帳も忘れない。今夜は良い詩が書けそうだな。
手帳に纏めておいた歌詞を、カタカタとタイプする。何度も使っているのに、未だにこのキーボードには慣れないな。
また和に教えて貰おうか。
いけない、また考えが散ってしまった。なんとか今夜の内にはこの詩をカタチにしないと。
気合いを入れ直したのもつかの間、何かが窓ガラスを叩くコツリという音が部屋に響く。できれば、この世のモノが立てた音であってくれと祈りながらカーテンをめくると、
「お、やっと出てきた」
「律?何やってるんだこんな時間に」
革のブルゾンを着込んで小石を握った律の姿。あんなものを投げていたのか。
怪訝な表情をしているだろう私に、律はいつもの笑顔を見せる。
「流星、見に行こうぜ」
「流星?今から?」
「今だからだよ。ほら、早く早く」
そう言って急かすように、ここまで乗ってきただろう自転車の荷台を叩いた。本当、夜中に押し掛けて来て勝手なヤツ。だけど、白い息を吐いてこちらを見上げる律に、断りの言葉なんてかけれなくて。
「わかった。今いくから」
ジャケットを羽織り、カイロを2つポケットへ。手帳も忘れない。今夜は良い詩が書けそうだな。