けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

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mioritsu

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投稿日:2010/02/18(木) 03:58:36

<澪視点>
いつも思う。
律はどうして、あんなにも余裕があるんだろう?

「なぁ、澪」
「なんだ」
「キス、していい?」

唐突に聞いてきたと思えば、返事をする前に行動に移されていて。
私はただ、どうすることも出来ないまま流される。

「な、な・・おまっ・・急にっ・・」

いきなりの行動に抗議をしたくても、上手く言葉も出てきやしない。
出来ることといえば、赤くなった顔を見せないように俯くだけ。

「だって、澪がキスして欲しそうだったから」
「えっ・・そ、そんなこと、ないもん」

されたくなかったか、と聞かれればそんな事はないし。
いきなりだったとしても、凄く嬉しくなる。
でも、それを素直に言えるわけもなくて。

「そっか。・・じゃあ、もうしないな」
「や、やだ」

考えるよりも先に飛び出した言葉に、慌てて口を抑える。
抗議の言葉は、中々出てこない癖に。
なんで、こういう時だけ直ぐに反応するんだよ。

「そっかそっかー、澪ちゅわんはそーんなに、キスして欲しいか!」

そう言われると同時に、私は律の腕の中へと収まった。
あぁそうだよ、律にキス、してほしいさ。
苦し紛れに、心の中でだけそう呟く。

「澪、顔あげてよ」

そんな耳元で囁かれたら、顔をあげたくてもあげられないって。
せめてもの抵抗に、律の背中に手を回し、胸に顔を押し付けてみる。

「おーい、それじゃキス、できないじゃんか」

こうなったら、意地でも顔、あげてなんてやるもんか。
だって、なんだか悔しいじゃないか。
そう、思っていたのに。

「・・あんまり可愛いことすると、襲っちゃうぞ?」
「な、何言ってるんだ!」

衝撃的な一言のせいで、咄嗟に顔をあげて叫んでしまう。
…しまった。
そう思ったときには、もう遅かった。



<律視点>
澪に言われた。
律は余裕があって、ずるい。って。

そう思われている事に、ほっとした。
澪が思うほど、私に余裕なんてないんだ。
ただ、それをなんとか隠しているだけ。

澪がキスをしたそうだったから、なんていってたけど。
本当は私が、我慢できなくなったんだ。

余裕があるように、思わせたかったから。
わざと『もうしない』なんて言ってみたり。
そんなこと、できるわけないんだけど。

でも・・・まさか、即答で返されるなんてな。

澪は知らないだろう。あの一言で、私がどれだけ動揺したかを。
それはもう、ポーカーフェイスも崩れるレベルだった。
余裕のない顔を見られたくなくて、俯いたままの澪を腕に閉じ込める。

そうしたら、また、澪にキスがしたくなった。
見られたくないって思ってるのに、変なの。

出来る限り、余裕があるような声色で、澪に囁く。
素直に顔をあげるとは思ってなかったけど。
胸に顔を押し付けられるとも、思ってなかった。
なんでこいつは、こうも私を動揺させるかな。

…やばい、この喧しいくらいの心臓の音が、聞こえてしまったら。
私に余裕が無い事を、悟られてしまうかもしれない。

私には確信があった。
澪が少しでも落ち着いてしまえば、立場なんてあっという間に変わっちゃうってこと。
でも、それはまだ困る。
まだ、私にかっこつけさせてよ。

だから、澪の顔をあげさせる、取っておきの一言をいってやった。




おわる。



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