けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編15

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匿名ユーザー

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私と律しかいない部室。
今日はみんな用事があるとかで早々に切り上げて帰ってしまった。
正直、練習する気にもなれなかったのでみんなには悪いけど部活が休みになったのはラッキーだ。
かといって帰る理由もないので、長椅子に座り気だるげに足を投げ出したまま
この不快感に耐えている。
律はというと雑誌を読みながら紅茶をすすったり、スティックをカタカタ言わせながらなにやらリズムをとったりと、帰る様子はない。
多分、私が帰ろうと言うまで一緒にいるつもりなんだろう。
あーなんで薬持ってくるの忘れるかな…。
動くのも億劫になってきたのでずっと傍で何かしらの行動をとっている律を観察していた。
そういえば温かい紅茶は生理痛を緩和させるんだっけ。
「りつー私にも紅茶ちょうだい」
あいよー、と返事をしながら律はポットに入っていた紅茶をカップに注いで持ってきてくれた。
ソーサーごと私に手渡すとそのまま私の左隣に座る。
私は受け取ったカップから漂う香りを深く吸い込んでから、口をつけた。
やっぱり紅茶の香りって落ち着く…。
「みおー大丈夫か?」
ふいに律が声をかけてきた。
「大丈夫ってなにが?」
「いや、顔色わるいし。てか態度でわかるよ」
私は、なにが?とは聞き返さなかった。
笑いながら言う律の表情に心配の色が滲んでいるのがほんの少し見えたから。
「わかってたのか…」
「わかるよ、澪のことだもん。お腹、痛い?」
ああ、律に心配させちゃった。
でも、入れたての紅茶の香りより、こいつの私の名前を呼ぶ一言のほうが
こんなにも落ち着くなんて。
こんなとき、無性に甘えたくなるのは私だけなんだろうか。
そんな話誰かとしたことないからわかんないけど。
「…うん。薬飲むの忘れちゃったし」
「そっか。帰って家で休む?」
「いや、もう少しここにいる」
私は中身が半分ほどに減ったカップを机に置くと、また同じ場所に座った。

それから少し律のほうに体を寄せて、自分の利き手を彼女の右手の上にのせる。
律はすぐに指を絡めて握ってくれた。
体温が伝わってくる。
安心する。
もっと触れていたい。

そのまま律のほうへ体を向けて首へ腕を回した。
抱きついたまま首元へ顔を埋めて、上半身をほとんど律に預けたような体勢になる。
「澪しゃん今日は甘えただなー?」
笑いながら律は私の腰をさすってくれた。
「いいだろ…今日くらい」
「むしろ毎日でもいいくらいなんだけど」
髪が顔に当たってくすぐったい。
「りつ…」
埋めている首元から律の匂いがして、もっともっとと求めるように回す腕に力を込める。
「はいはい」
律も私の腰を引き寄せて強く抱きしめてくれた。
普段はこんなこと自分からは絶対にしないのにな…。
しばらくの間抱き合ったままでいたあと、顔を上げた。
「律、ありがと…」
至近距離で律の目を見つめがら言う。
「きついときはいつでも言いなよ。澪はもともと重いほうなんだから無理すんなよな」
普段の姿からは想像できないような優しい表情に、どうしようもない愛しさを感じた。
私は律のこういう表情を知ってるから、だから律が好きなんだろうな…。
下腹部の痛みは消えないけど、なんだかは気持ちは律への愛情で溢れていた。


  • 素晴らしい。甘々澪と包み込む律。 -- かん (2012-07-05 22:09:00)
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