けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編9

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匿名ユーザー

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今日は体育祭。目立つのは嫌なのにアンカーに抜擢されてしまった。
だからって手を抜こうとは思わない。
それに絶対負けたくない奴がいるから。
「澪〜今日は絶対負けないからな」
「私だって負ける気はないぞ」
そんな事を話していると出番が近付いてきた。
1組と2組が僅差で走ってくる。
バトンを落とさず受け取れるか心配だったが無事受け取り瞬時に全力に切り替える。
視界の端には律の姿。
コーナーに入るとこで少し抜かされた。
速度を上げ走る。
律も負けじと速度を上げる。
幼馴染だからって手加減はしないぞ。
私は律を抜かしにかかる。
あと半周でゴールだ。
律を追い越す事に成功した。
だが、ここで気を抜くとすぐに抜かされる。
重くなりつつある足を懸命に前に出す。
もうすぐでゴールだ。
そう思った刹那、後ろからズザザーと物凄い音と観衆からの悲鳴が聞こえた。
驚いた私はつい足を止めてしまった。
後ろを振り返ると律が転けていた。
会場がしーんと静まり返った。
律は時間がとまったように突っ伏したまま動かない。
私は律の元へ駆け寄った。
「おい!大丈夫か?」
やっと顔を上げた律は涙目だった。
「立てるか?」
律に手を差し出したがその手ははねのけられた。
「何で戻ってきてんだよ!早くゴールしろ」
そう怒鳴られた。
私は律の言葉を無視し、腕を掴むと自分の肩へとまわした。
「なっなにしてんだよ?」
「いいから黙って歩け」
律の歩みに合わせ一歩一歩ゴールへ向かう。
観客からは「頑張れ〜」などの声援が鳴り止まない。
二人三脚のようにゴールテープを二人で切る。
割れんばかりの拍手があちこちから聞こえる。
「結局勝ちも負けもなかったな。一緒にゴールしちゃったわけだし」
そのまま律の両手を持ち背中に背負う。
「おおおろせよ」
「駄目だ!保健室ついたらおろしてやる」
背中から小さな声がする。
「澪・・・ありがと」


全力疾走した後に人一人おぶって歩くのは流石にしんどいな、なんて
考えながら保健室に入ると背中から声が降ってきた。
「澪、もう降ろせよ…」
律を降ろして丸イスに腰掛けさせながら、保健室を見渡す。
「あれ?保健の先生いないな。って救護テントにいるのか」
「なんだよー!それなら直接テントに行けばよかったじゃんか」
「でも律、傷口水で流さないと砂とか入っちゃってるんじゃないか?」
そう言いながらチラリと律の膝を見ると血が滲んでかなり痛々しかった。
見るだけで自分の膝まで痛くなるような気がした。
「うぅ…じゃあちょっと膝洗ってくる」

ひょこひょこと足を庇いながら保健室に備え付けの水道まで歩いていく律。
私はその間に消毒液や絆創膏なんかの準備をする。
水道のほうから、うがー!とか、むがー!!とか叫び声が聞こえるが気にしない。
「澪〜洗ったよー…」と相当痛かったのだろう憔悴しきった顔の律が戻ってきた。
血や砂は洗い流されて綺麗になっていたが、生々しい傷口と新しく血が
滲みだしているのを見て軽く目眩に襲われる。
「あっあんまり血は出てないみたいだな。し、消毒するぞ…」
なるだけ自分の痛みに関する感覚をシャットダウンしながら、
消毒液を染み込ませた脱脂綿で出来るだけ優しく傷口に触れた。
「ぁっ…!」
ビクリと律の膝が揺れる。
顔をあげると、への字に曲げた眉を眉間に寄せて今にも泣きそうな顔をしている律がいた。
律のこんな顔って初めて見たかもしんない…
なんていうか、かわいい…
って、そんなこと考えてる場合じゃない!早く消毒済ませないと!
「あ…痛かったか?ちょっと我慢しろよ」
ちょんちょんと傷口に脱脂綿を当てる。
「ぁっ!……痛いってばぁ、みおぉ…っ!」
律の目は瞬きしたら零れちゃうんじゃないか?というくらい涙の膜で覆われていた。
だから、そんな表情でこっちを見るなよ!
イケナイことしてる気分になるだろ!?
そんなことを考えてるとはおくびにも出さず、律の膝小僧に大きめの絆創膏を貼る。
「ほら、終わったぞ。大丈夫か?」
立ち上がって律の顔を覗き込む。
俯いた律の瞳からはぽたぽたと涙が零れ落ちていた。
「ぐずっ…すんげーいたかった」
「それとさ…、さっきゴールまで一緒に連れてってくれたとき、すんげー
嬉しかった…。そんで…なんか澪優しいなーって考えてたらさ…なんか涙出てきたし」
言いながら律は乱暴に涙を拭った。
そんな律を心底いとおしいと感じながら、そっと頭を抱えこむようにして抱き締めた。
「目擦ると腫れて泣いたことみんなにばれちゃうぞ?」
そう言いながら律の髪を梳く。
「…うん。だからさ、もう少し二人でいてよ」


私は二人の愛の劇場をしっかりとビデオカメラにおさめる事に成功した。
二人がゴールをしたところで澪ちゃんがりっちゃんを背負って保健室へと向かう姿が見えた。
「救護テントがあるのにわざわざ人気のない保健室へ行く二人」
まわしっぱなしのカメラへナレーションを入れる。
そのまま見つからないように後をつけた。
私が保健室の前へ着くと中から「ぁっ・・・!」と意味深な声が聞こえてきた。
中では何が行われているのか。
「二人きりの保健室、二人共体操着。この二人に何も起こらないはずはない・・・」
私は何とか興奮を抑え、扉をこっそりと開け、中を覗こうとする。
その瞬間「ぁっ!・・・・・・・痛いってばぁ、みおぉ・・・っ」りっちゃんの艶めかしい声が響き渡る。
「!!!!!」
私は咄嗟に二人をみやる。
何だ、消毒をしていただけか・・・。
澪ちゃんがりっちゃんの可愛らしい膝小僧に絆創膏を貼ってあげていた。
すると、りっちゃんは涙を流しながら澪ちゃんへの感謝を述べている。
そんなりっちゃんの頭を抱え込むように抱きしめる澪ちゃん。
きっとここからが本番ね。
「二人は静かに抱き合い、愛を囁きあっている」
少し捏造してしまったが、構わない。

されるがままだったりっちゃんが澪ちゃんの腰へ手をまわす。
すがりつくように澪ちゃんを抱きしめるりっちゃん。
二人共天使のよう。
カメラをまわし続ける。
「今は二人だけだからその先も続けていいのよ。いけっ!」フンス
「!?」
私のバカ!
つい興奮してしまい、最後の部分を声に出していた。
「ムギ?」
バレてしまった。
「あ、りっちゃんが心配になって見にきたんだけど、二人はそういう関係・・・」
「えっちょムギ?」
「大丈夫、私、口は固いから。当人同士がいいならありだと思います。私ったら邪魔をしちゃって・・・・どうぞ、お構いなく続きをして!」
私は二人に何も言わせないようしゃべくりたて。
もう最後は殆ど切望だった。

その後はどうなったのかわからないが、しばらくして帰ってきた二人のオーラが変わっていた。
どうやら私の作戦は成功したみたいだ。
私の残していった言葉に二人共意識したに違いない。
万一の為にと保健室にカメラを仕込んどいてよかったと心底思った。
後で回収しなくちゃ♪


※こちらは合作になります。


  • 良いよ良いよ最高だよ -- 名無しさん (2012-04-21 19:08:37)
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