39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/12/21(月) 00:48:56 ID:EeOk8ZpY
久「いいだろ! 暴れるなよ、お前の事が好きなんだよ!」
咲「部長、やめてください・・・」
久「マサオはそう言ってヨシオの体の自由を・・・」
京太郎「・・・・・・何を音読してるんですか、部長」
久「ああ。咲の本で盛り上がってるシーンをちょっと」
咲「声に出して読むのはやめてください!」
京太郎「・・・咲、こんなん好きだったのか」
咲「ち、違うよ! 図書館で手に取った本がたまたまこれで、その・・・うぅぅ///」
京太郎「へえ・・・」
咲「信じてよお!!」

久「しっかし、『暴れんな! 好きだったんだよ!』みたいな展開ってさー」
京太郎「はい?」
久「ドラマとかじゃよくあるけど、実際見たことって無いわよね」
京太郎「そりゃあ、当たり前でしょう」
久「男同士や女同士じゃなくて、フツーに男女間でも。抵抗されてても無理矢理出来るものなのかしら」
咲「な、なんてこと言ってるんですか」
久「うーん・・・ちょっと須賀君、こっち来て」
京太郎「なんすか?」
久「ちゃんと抵抗してね♪」

 ガバッ

咲「!?」
京太郎「ぶぶぶぶ部長!? な、なに急に抱きついて・・・」
久「黙りなさい!」
京太郎「へ?」
久「暴れんなよ! いいだろ、好きだったんだよ!」
京太郎「部ちょ・・・?」
久「・・・ねえ、須賀君・・・」スッー
京太郎「部長・・・」
咲「ダメーー!!!!!!」

 ガンッ!

京太郎「イテッ! な、なぜ俺を殴る・・・」
久「あら、どうしたのよ咲」
咲「それはこっちのセリフです! ななな、何やってるんです!?」
久「何って、抵抗されても無理矢理できちゃうもんなのかなーって・・・実験よ実験」
咲「実験!?」
京太郎「はあ、良い実験で・・・」
咲「ム」
げしっ
京太郎「痛いっ!?」
久「んー。須賀君が全然抵抗しなかったから、実験にならなかったけどね。よし、もっかい」
京太郎「はい~」
咲「ダメ! 絶対ダメ! そんなの絶対ダメです!!」
久「なんでよー?」
咲「ダメったらダメ!!」
久「じゃあ代わりに咲と須賀君で実験してよ」
咲「はい!」
京太郎「・・・は?」
咲「・・・え?」
久「・・・プッ。ニヤニヤ」
咲「えええええーー!!??」

京太郎「い、いいのか? 咲」
咲「う、うん・・・なんか嵌められた気がするけど・・・」
久「じゃあ、さっきと逆で須賀君が襲うほうね。なんか須賀君、女の子に襲われるとそのまま流されちゃうタイプみたいだから」
京太郎「別にそんな・・・咲なら大丈夫ですよ」
咲「・・・京ちゃん、それどういう意味?」
京太郎「あ、いや。なんでもないよ」
咲「もう・・・京ちゃんったら」
久「はいはいはーい。痴話喧嘩はそこまでよ。じゃあさっそく須賀君が抱きついて・・・えー、左手を咲の腰に、右手で咲の腕をつかむ」
京太郎「ん・・・い、いくぞ咲」

 ギュッ

咲「・・・///」
久「はーい、咲はジタバタしてー。須賀君セリフー」
咲「えっと・・・う、うわーやめてよ京ちゃんー」ジタバタジタバタ
京太郎「何の芝居なんだか・・・目的見失ってる気がするけど・・・えっと・・・。暴れるな」
咲「きゃーあ。やめてよーお」ジタバタ
久「もっと迫真の演技で! ほら須賀君これ見て」
京太郎「(カンペ・・・いつの間に書いたんだ)・・・いいだろ? ずっと好きだったんだよ」
咲「え・・・」
京太郎「お前のことを愛してるんだ。・・・本気なんだ。好きなんだ! 大人しく俺の言う事を聞け!」
咲「う、うん・・・///」
京太郎「なあ、だから・・・って、おい咲?」

ぎゅーーーーっ

咲「//////」
京太郎「あー・・・咲さん? なんでそっちから抱きついて・・・?」
咲「・・・私、その・・・京ちゃん、あの・・・」ぎゅっ
久「・・・・・・あ、あららー? なんかスイッチ入っちゃった?」
咲「京ちゃん・・・」

 バタン

優希「遅れましたじぇー! 今日も元気にまーじゃ・・・!?」
和「すいません、ホームルームが長引いてそれで・・・!?」
まこ「わしは今日掃除当番班で遅くなってな、そこで和たちと・・・おおお!?」
久「あ・・・」
京太郎「え・・・?」
咲「京ちゃん・・・えへへ///」 ぎゅー
優希「え・・・あれ? え? 何を・・・してるんだじぇ?」
まこ「ほほう・・・」ニヤリ
久「・・・ヤバ」
和「○★×△●×□☆ーーーーー!!!!!!」

久「─ってワケなのよ。なんていうかただの冗談? ハハハ。だからみんな落ち着いて・・・ね」
京太郎「そうなんだよ、和・・・ハハハ」
和「話しかけないで下さい」
京太郎「そ、そんなぁ・・・」
優希「まあ、コトのいきさつはわかったじぇ。えいっ(蹴りっ)」
京太郎「いてっ! わかったんなら蹴るなよ!」
咲「ご、ごめんね京ちゃん。私がその・・・え、演技の主旨を間違えちゃったから・・・」
久「(演技を間違えた? ふふ。素に戻っただけじゃないのかしら?)」

まこ「しかし、面白そうな遊びじゃな」
京太郎「いや、別に遊びってワケでは」
久「でしょでしょ? 我ながら楽しい遊びを思いついたものよね」
京太郎「ああ。遊びだったんだ・・・」
優希「はーい! 次は私! 私がやるじぇ! 京太郎襲って来い! いやーん」
京太郎「はあ? なんでお前が」
まこ「おおいいぞ! やれやれ」
久「そうよ、せっかくだからやりなさいよ」
京太郎「ええ!?」
優希「ほら、きょうたろ」
咲「だ、ダメ!! ダメだよ! もうこんな変な遊びはやめようよ」
優希「むう・・・咲ちゃんだけズルイじょ!」
咲「ず、ズル・・・!?」
優希「私も京太郎で遊びたいじぇー!」
京太郎「俺はおもちゃかよ!」
久「ほらほら。これは癇癪起こす前にやるしかなさそうね」
咲「うう・・・」

京太郎「えーと・・・」
久「さあ早く抱きつくー」
京太郎「はぁ・・・」 だきっ
優希「きゃあ! けだもの!」
京太郎「・・・あのなあ」
久「セリフセリフ。ほらカンペ見て」
京太郎「あーはいはい。好きだ。暴れるな、大人しくしろ」
優希「・・・気持ちがこもってないじょ」
京太郎「・・・ふぅ・・・。暴れるな! 大人しくしろ!」
優希「きゃー!」
京太郎「ずっと前からお前のコトが好きだったんだよ」
優希「・・・あ。きゃ、きゃあ!」
京太郎「な、いいだろ? ずっと好きだったんだ。ずっと・・・な?」
優希「え・・・あ・・・あの///」
京太郎「なあ、優希・・・」スーッ
優希「だ、ダメ・・・・・・やっぱりヤだじょーー!!」
京太郎「うあっ!?」

 どん!!  ガンッ

京太郎「うう・・・」ガクッ
咲「きょ、京ちゃん!?」
久「ちょっと須賀君平気?」
まこ「おい、大丈夫か京太郎!」
優希「うわーん、のどちゃーん!」
和「大丈夫ですか優希? もう。あんな変な遊びに乗るからですよ」




京太郎「いてててて」
咲「京ちゃん、大丈夫?」
優希「ご、ごめんだじょ京太郎・・・」
久「しかし、これで、イザとなれば女の子でも男の子に抵抗できるってコトが証明されたわね!」
京太郎「そんな主旨でしたっけ・・・?」
まこ「じゃあ次は和じゃな」
和「・・・・・・はい?」
久「そうね。和は襲う方が好き? 襲われる方が好き?」
和「どちらかと言えば前者・・・じゃなくて! な、なんで私がそんなことするんですか!」
京太郎「和は襲う方が好きなのか。意外だな・・・でへへ」
咲「京ちゃん?」
和「私は絶対嫌ですからね!!」




和「じゃ、じゃあいきますよ須賀君・・・ちゃんと抵抗してくださいね!」
京太郎「は~い」デレデレ
咲「ううう”・・・」
優希「京太郎の奴、あんなに鼻の下伸ばして・・・バカ犬!」
まこ「(どうやってあの和を説得したんじゃ?)」 ヒソヒソ
久「(そりゃあ咲の・・・あ、いや。部長の人徳って奴よ。人徳)」 ヒソヒソ
まこ「(・・・まあ、なんとなくわかったわ)」
久「はーい。じゃあ和、このカンペに書いてるセリフを言いながら、襲っちゃってー」
和「ええと・・・『おい京太郎。黙って抱かれろ。いいだろ、好きだったんだずっとよお』」
まこ「・・・うわあ」
優希「す、すごい棒読みだじぇ・・・」
咲「こ、こんなんじゃさすがの京ちゃんも・・・」
京太郎「はぁ~いぃ」デレデレデレ
咲「・・・・・・バカ京ちゃん」
和「『オラオラ。さっさと言うとおりにしやがれ、この腐れフヌケヤロー』・・・い、いくらなんでもセリフが汚すぎませんか!?」
久「ほらそこで手を引いてー」
和「はぁ・・・えいっ」
京太郎「おっと・・・」

 ぷにゅっ

京太郎「おおお!? ひ、左手が・・・(ののののののの和の豊満な胸に! 俺の左手があああ!!)」 ぷにぷに
和「・・・きゃ、きゃーーー!!?」

 バチーン!!


 ・・・・・・・・・


京太郎「・・・」 ヒリヒリ
和「あ・・・ご、ごめんなさい須賀君・・・ほっぺ、痛みますか?」
京太郎「いや、今はこの左手に残る感触でお腹いっぱいです・・・」
和「・・・」
パチーン!
京太郎「・・・・・・うへへ」
咲「京ちゃん・・・」
パチーン!!
京太郎「痛っ!? な、なんだよ咲」
咲「目、覚めた?」ゴゴゴゴゴ
京太郎「・・・はい」

まこ「じゃあ最後は部長直々に襲われ役じゃな」
久「・・・はぁ? 何言ってんのよ。私は最初にやったわよ」
まこ「うん? 話によると、途中で咲に邪魔されて面白ハプニングが起こらなかった・・・もとい、ちゃんとできなかったみたいじゃが?」
久「だ、だから何よ?」
まこ「言いだしっぺのあんたがそれじゃダメじゃろ~。みんなやったのに」
久「あんたはやってないでしょ!」
まこ「おお、そういえばそうじゃったな・・・京太郎、ちょっと来い」
京太郎「はあ」

ガバッ

京太郎「そそそそ染谷先輩!」
咲&優希「!!」
まこ「京太郎。大人しくせい」つつつー
京太郎「は、はうっ・・・(指で背中を・・・)」
まこ「いいじゃろ? ずっと好きだったんじゃ、お前のこと・・・」
京太郎「あ・・・」
まこ「なあ、いいじゃろ・・・?」
京太郎「せ、せんぱ・・・ハックシュン!」
まこ「・・・くふっ。あっはっはっはっは!」
京太郎「うう・・・あ、あれ? 俺、いつの間に上半身裸に!?」
まこ「くっくくく・・・いやスマンスマン。ちょっとイタズラが過ぎたな」
優希「先輩、すごいスキルだじぇ・・・」
咲「いつ脱がしたのか、見てるこっちも分からなかったよ・・・」
和「そんなことより、須賀君は早く服を着てください! ///」





まこ「部長、これで満足かの?」
久「うう・・・」
まこ「ほんじゃ、このヘンテコな遊びのシメとして、部長自ら襲われる役に・・・」
久「ちょっと待ちなさいよ! なんで私が襲われる役なのよ」
まこ「だって、襲う役はもうやったんじゃろ? それにあんたが襲われる方がなんか面白そうだし」
久「どんな理由よ!」
まこ「おや、逃げるのか? 言いだしっぺで、年長のあんたが?」
久「ーーー!! わかったわよ! やるわよ!」

京太郎「部長、それじゃ・・・」
久「ほ、ほら。早くしなさいよ!」
咲「・・・部長、自分から襲う役やった時はノリノリだったのに・・・なんかさっきと違う」
まこ「ふっふっふ。部長は自分のペースを崩されるのが苦手じゃからな」
咲「そうなんですか?」
京太郎「えー、じゃあ、手握ります」 ぎゅっ
久「ひゃっ!?」
京太郎「あ・・・だ、大丈夫ですか?」
久「なんでもない・・・は、早く次! 左手で腰に手を回すんでしょ」
京太郎「はぁ。失礼します」 スッ
久「うぅ・・・つ、次!」
まこ「ほら京太郎! カンペカンペ!」ぴらぴら
京太郎「あー・・・部長、すいません。俺、部長のことずっと好きだったんです・・・もう抑え切れなくて」
久「・・・(あ、あれ? さっきまでとちょっとセリフのニュアンスが違うじゃないの! ま、まこの奴・・・)」
まこ「(くっくっく。対処できんじゃろ)」ニヤリ
京太郎「あの、俺・・・いつも部長に厳しくされてたけど・・・時々優しくしてくれるたび・・・こう、胸が苦しくなって・・・息苦しくなって・・・」
久「あ、あうう・・・」ジタバタ
京太郎「なんて言ったらいいか・・・俺、部長のことが・・・部長のことが好きで・・・愛してるんです! 好きで好きで溜まらないんです!」
久「す、須賀君ちょっと・・・」ジタバタジタバタ
京太郎「部長、いいでしょ? ・・・一生大事にしますから、絶対・・・ねえ部長・・・」
久「う・・・」ジタバタ
京太郎「・・・久」
久「//////(カーーッ)」
まこ「(今じゃ京太郎!)」
京太郎「(えっと・・・『背中を指でなぞる?』さっき染谷先輩が俺にしたようにって事かな・・・)ねえ、久。いいですよね・・・?」ツツツー
久「あんっ・・・/// す、須賀君・・・」
京太郎「久・・・」
久「・・・」ぎゅっ
京太郎「・・・(あ、あれ? なんか全然抵抗しなくなった・・・? それに俺の首に腕をまわして・・・?)」
久「・・・」
京太郎「(あれれれれ? な、なんか部長が目を瞑ったままで顔を接近させて・・・あ、あれれー?)」ドキドキ
久「・・・」
咲「な、なにやってるの!!? ダメーーーーーー!!!!!!」

 ガンッ!!!!

それぞれの帰り道

久「・・・・・・雰囲気に流された・・・みんなが居たのに・・・」
まこ「くっくっく」
久「あーもう!! あーーーーもうっ!!!! あんたのせいよ!!」
まこ「あんたがあんな遊び始めるからいけないんじゃろ」
久「くーーっ!!」


咲「・・・」
京太郎「おい咲。なんで不機嫌になってんだよ」
咲「だって京ちゃん・・・部長や和ちゃんや染谷先輩にデレデレしすぎなんだもん!!」
京太郎「べつにデレデレなんてしてねーよ!」
咲「してた!」
京太郎「してない!」
咲「してたもん!」
京太郎「っていうか別にデレデレしても、それでなんでお前が不機嫌になるんだよ」
咲「・・・・・・・・・バカ京ちゃん!」
京太郎「? な、なんだってんだよ!?」


優希「うーー・・・バカ犬・・・」
和「・・・(須賀君と部長、あのままどうにかくっつけることが出来れば・・・)うふふふふ・・・」
優希「・・・ど、どうしたんだじぇ、のどちゃん?」
和「ん? いや・・・(それに、無理矢理襲われてもあんな反応するってことが分かりました・・・私もいつか咲さんを・・・なーんて・・・)うっふふふふふふ・・・」
優希「のどちゃん・・・ホントに大丈夫か?」

おわり


47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/12/21(月) 01:48:06 ID:AtW8yS/V
うはwwwこれは今年度MVP級の作品が出てきたなwwww
キャラの性格を上手く使ってるし、部長をいじるまこはいいキャラだなぁ
部長可愛すぎw

GJ!!

48 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/12/21(月) 02:40:17 ID:JX+GYLSn
とんでもねぇもん落としてったなGJすぎる

49 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/12/21(月) 03:30:54 ID:x2IFvbl6
GJ!!GJ!!もいっこGJ!!
こういうのが見たかったZE!!作者まじ神!!
これは次回作に期待せざるをえないな!!!
間違いなく今年度ナンバーワンだよ(*`д´)b

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最終更新:2009年12月21日 03:43