372 名前:咲ちゃんと菫さん1[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 01:10:59 ID:RaV4yTeE
 プルルルルル プルルルルル

咲「はい。宮永です。」
和「咲さん?」
咲「和ちゃん・・・」
和「まだ、元気出ないですか?」
咲「・・・・・・」
和「今度の日曜日の特別試合の後、一緒に―――」
咲「ごめんね和ちゃん・・・会いたくないの・・・」

 ガチャ プーップーップーッ

全国大会でお姉ちゃんと麻雀を打ったけれど仲直り出来なかった
団体戦は3位に終わり和ちゃんの転校が決まったから
個人戦で優勝したけど何一つ嬉しくなかった


菫「明日は全国大会で好成績を残した者達が集まる特別試合だな」

和「はい・・・(咲さん)」

菫「仲直りしたいんだろぅ?」
和「何の事ですか?」

菫「まあそう怒るなよ」

和「・・・咲さんはお姉さんの事で頭がいっぱいです!」
菫「そこでだ。私にいい考えがある。」
和「?」

菫(ヒソヒソヒソ)
和「・・・分かりました。私は照さんを抑えればいいんですね?」
菫「そうだ。で、私が妹を抑える・・・」


和「でも、ちょっといいですか?」
菫「なんだ?」
和「咲さんと話をする時は注意が必要です。」

菫「フン、必要の無い心配だ。」
和「だといいんですけど・・・・・・」

373 名前:咲ちゃんと菫さん2[] 投稿日:2009/12/19(土) 01:11:57 ID:RaV4yTeE
菫「おい。照の妹。」

咲「・・・白糸台の・・・」
菫「弘世菫だ。」

咲「・・・弘世さん・・・どうしたんですか?」

菫「個人戦優勝見事だったな。」

咲「いえ、そんなことないです・・・」

菫「・・・・・・」
咲「・・・・・・」

菫「フッ、少しは嬉しそうな顔くらいしろよ。」
咲「・・・・・・」

菫「そういう所、照にそっくりだな。」

咲「(お姉ちゃん・・・)」


咲「あのそれで・・・弘世さん・・・私に用ですか?」

菫「菫でいい。お前、照の話を聞きたくはないか?」

咲「はい・・・」

菫「立って話すのもなんだ。隣に座れよ・・・」

咲「・・・」

374 名前:咲ちゃんと菫さん3[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 01:12:37 ID:RaV4yTeE
菫「いいか照の妹。照って奴はお前の事が―――」
咲「菫さんって綺麗な人ですね!」
菫「へっ?」

咲「よく綺麗ですねって言われませんか?」
菫「まぁ・・・たまにな」
咲「やっぱり!部員のみんなが菫さんって綺麗だねって話題になったの。」
菫「そっ、そうなのか!?」

咲「・・・・・・ふふっ。菫さんって面白い人ですね。」
菫「・・・・・・」


菫「それより照の話を――」
咲「プリン食べます!?」
菫「いや、いらないな。」

咲「さっき買ってきたんです。お姉ちゃんプリン好きだったんだぁ・・・」
菫「いや、だからな」
咲「でも一つしかないから半分こですよ。」
菫「・・・・・・」

375 名前:咲ちゃんと菫さん4[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 01:13:35 ID:RaV4yTeE

咲「食べましょう?」

菫「・・・だがスプーンが一つしかないぞ。」
咲「私が食べさせてあげる。」

菫「それはさすがに・・・」

咲「口開けてください」
菫「だが」
咲「開けてよぉ!」
菫「・・・・・・」
咲「はい。あーん。」

菫「・・・・・・」

咲「あーん」

菫「・・・あーん」

咲「はい。」

菫(//////)

咲「美味しいですか?」

菫「あぁ・・・」

咲「よかった・・・」


菫「フッ。姉同様妹も変な奴だな。」
咲「菫さん、私の事馬鹿にしてるの?」
菫「おまけに胸も似ている」
咲「うぅ・・・気にしてるのに・・・」

376 名前:咲ちゃんと菫さん5[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 01:14:47 ID:RaV4yTeE
菫「ふふっ。」
菫「よし、今度は私が食べさせてやろう。」
咲「ほんとに?」

菫「ああ。」

咲「じゃあお言葉に甘えて。」

菫「いくぞ。あーん。」
咲「あーん」
菫「それ!」
咲「あっあれ!?」

菫「かかったな」
咲「もぅ!菫さんのいじわるぅ!」
菫「すまんな」
咲「プリンたべたいよぉ!」

菫「わかったわかった。」

咲「あーん」

咲「・・・美味しい・・・」

383 名前:咲ちゃんと菫さん6[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 02:01:18 ID:RaV4yTeE
菫「お前可愛いな。」

咲「お世辞でも嬉しいです。」

菫「お世辞じゃないさ。」 

咲「ほんとに?」

菫「ああ。本当だ。」

咲(菫さんってやさしい・・・)


菫「咲・・・私の妹にならないか?」

咲「いいんですか?」

菫「ああ」

咲「でも・・・私がお姉さんになりたい!」

菫「咲に出来るのか?」

咲「なあに?菫ちゃん。お姉ちゃんの言うこと聞けないの?」

菫「・・・・・・」
咲「・・・・・・」

咲菫「ふふっ」


咲「・・・菫さんといると・・・嫌なこと全部忘れちゃうよ・・・」

菫「・・・私もだ・・・咲・・・」


咲(菫さん・・・本当にお姉ちゃんみたい・・・)
菫(なんか忘れてる気がするが・・・まぁいいか)

385 名前:咲ちゃんと菫さん7[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 02:03:18 ID:RaV4yTeE

  同時刻

和「あの・・・お姉さん・・・」

照「私を姉と呼ぶな。」

和「どうして咲さんに冷たくするんですか?」

照「・・・・・・」

和「咲さんの悲しい顔は見たくありません。そういう態度を続けるなら、
  咲さんは私がもら――」
照「知らないのか!?」
和「何をですか?」
照「咲には悪魔の血が流れている・・・」

和「はぐらかすつもりですか?」
照「じゃあなぜ!意図も簡単に±0をやってのける?
  なぜ麻雀を打つ時だけ性格が変わる?」

和「ですが・・・」

照「お前も雀士の端くれなら±0の難しさくらい解るだろ」

和「・・・・・・」

照「お前が咲に麻雀をやらせなければこんな事にはならなかった・・・・・・」

和「・・・・・・」

照「お前には咲の苦しみが分からないのか!?
  お前に咲の心を癒せるのか!?」
照(くーっ!私カッコイイ!)

386 名前:咲ちゃんと菫さん8[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 02:05:10 ID:RaV4yTeE
和「わっ私は・・・私は・・・咲さんが家族と仲直りしたいって言うから・・・
  咲さんの事が好きだから・・・」

照「・・・・・・」
和「だから私は一生咲さんを愛し続けます!私はどうなっても構いません!!」
照「!!」

和「・・・・・・」
照「ふん。原村とか言ったな・・・・・・妹は任せたぞ・・・」
照(うそだよーん!プププ)


和「・・・・・・」
照「じゃあな」
和「・・・あの・・・」

照「まだなんかあるのか?」

和「何ですかこれ?」

照「何の事だ?咲には悪魔の血が――」
和「ふざけないでよ!!」
照「ひーっ!」

和「咲さんが悪魔とかそんなオカルト有り得ません!!」
照「だからそのーえっとーえっとー」

和「どうしてこんな事するんですか?」
照「うぅ・・・・・・」

和「高校3年生にもなって恥ずかしくないんですか?」
照「・・・・・・」

和「何とか言ったらどうなんですか!?」

照「はい・・・・・・こう言うの良くないと思います・・・」
和「ですよね?」

照「ほんとすいませんでした。」

和「誰にでも間違いはありますから・・・」

照「・・・・・・プッ。ばーか!ばーか!お前なんか大嫌いだ!
  咲たんに言い付けてやる!」
和「ちょっと!」
照「ばいばきーん!」
和「まてー!」

387 名前:咲ちゃんと菫さん9[sage] 投稿日:2009/12/19(土) 02:08:40 ID:RaV4yTeE

 再び咲と菫

咲「あぁあ・・・サンタさん今年も来てくれるかなぁ・・・」

菫「ちょっ、サンタ信じてるのか!?」

咲「サンタさんはいるよ?」

菫「そんなものは架空の人物だ」

咲「えーっ!サンタさんはいるよぉー!」

菫「子供だな・・・」

咲「もう!菫さん嫌い!」
菫「・・・・・・」
咲「・・・・・・」
咲菫「あははははっ」

咲「これからお鍋食べに行きませんか?」
菫「私は鍋にはうるさいぞ」
咲「菫さんは鍋奉行なん――」
菫「まあそんなと――」


私のお姉ちゃんがくれた初めてのおやつ。
それは「プリン」で私は4才でした。
その味は甘くてクリーミーで、こんなに素晴らしいおやつをもらえる私は
きっと特別な存在なのだと感じました。

今では菫さんがお姉ちゃん。
菫さんにあげるのはもちろん「プリン」。
なぜなら、彼女もまた、特別な存在だからです。

  • end-


咲「菫さん」
菫「なんだ、咲」
咲「何か忘れてません?」
菫「私も引っ掛かってるんだが思い出せない。」

照「おっぱいお化け!ここまでおいでー!」
和「このー!」

咲菫「・・・・・・」

咲「みんなは兄弟やお友達と仲良くしなきゃだめだよっ☆」
咲「じゃあまたねー」

 カチッカチッ

《おしまい》
最終更新:2009年12月19日 02:30