うたの☆プリンスさまっ♪ Debut

制作:ブロッコリー
公式サイト


製品概要

タイトル うたの☆プリンスさまっ♪ Debut
ジャンル それが愛というなら共に奏でようADV
対応機種 PSP
定価 通常版:6,090円(税抜5,800円)、初回限定DearDarling BOX:8,190円(税抜7,800円)
発売日 2012年5月24日

選評

<バグについて>
まず誤字が多い
単純な間違いから変換ミスまでどのルートにも平等に誤字がある
文中だけでなくキャラ選択画面の「Your Darling?」が「Your Daring?」になっていたり
プロフィール画面でのキャラ紹介の英文がずれていたりもする
誰か1人でも気付く人は居なかったのかというレベル
加えてグラフィック画面で出現させたスチルを見てからL/Rボタンを使い操作すると、他のキャラの
まだ出していないスチルがいつでも閲覧できるバグも存在する
2度(?)程延期をした上に「ミスの許されない厳しいプロの世界」を描こうとしている作品なだけに
余計にお粗末に感じられた

<本編・主人公について>
無印の場合のED→パートナーとともに卒業オーディションに優勝する
Debutの場合のED→パートナーが正式にデビューする(周りは既にデビュー済)
この違いが非常に大きく感じられた
主人公がルートに入ることによりキャラが1番になった前作とは違い、今作ではルートに入ったキャラが
EDでようやく周りのみんなに追い付く形になる
別ルートでは先輩と仲良く仕事しあっさりデビューを決めるキャラ達が、ルートに入った途端先輩との格の
違いを見せつけられ落ち込んだり、オーディションに落ち続けたり決まった仕事が先方の都合でなくなったりと
不運な事柄が続きなかなかデビュー出来ない
そしてその鬱々とした状況がシナリオのほとんどを占める
置いていかれる苦悩を描くためか、最初は同期で賑わっていた談話室がそのうち仕事の入っていない
自分たちだけになるといったような描写もある
全ルートがその展開なので、攻略を進めていくうちに「このキャラたちは主人公が居なくてもいい
むしろ居ない方が上手くいくのではないか」と思うようになってくる
「主人公が側に居ることで過去を克服し素晴らしい歌を歌えるようになる」といった無印FDの続編として
思い入れのある人ほどこの仕様は堪えるだろうなと感じた

また苦しい境遇の中でデビューを目指すキャラを叱咤激励するのは先輩か元同室の友人であり
主人公はそれを見ているだけ
もちろん無印FDにおいてはその多くが主人公の役割だった
ちなみに主人公のミスからデビューが妨げられるルートもあるが、その尻拭いをするのも先輩である
(個人的にはキャラを辛い状態に置くために、前作まで出来ていたことが主人公・攻略対象ともに
出来なくさせられていたようにも感じた)
恋愛ENDに行き着けば「やっぱりお前が居たから頑張れたんだ」と予定調和的にいちゃいちゃもするが
先輩・友情ENDの場合、同性の仲間に励まされ彼氏が掴んだデビューを主人公は傍観者のまま
見守ることになる
シナリオを総合して見てみても、恋愛END以外の方が話がまとまっていたりキャラが順調だったりする
作曲家としてはともかく恋愛として、乙女ゲーとしての主人公の必要性にますます疑問が残る
あまりの主人公の扱いの悪さ&望みもしないBL臭に多くのユーザーを失望させた今作
主人公と関わることで攻略対象が何らかの良変化を遂げていくことが多い乙女ゲーにおいて
またそれが出来ていた前作との比較においても、主人公が好きだった自分にさえ「主人公なしで
同性の仲間だけ居れば良いじゃん」と思わせたうたプリDebutはもはや乙女ゲームとはいえない、なかなか斬新な作品だったと思う
最終更新:2013年01月21日 00:12