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    <title>wiki クライムウェイヴ（Sysop読書録 活字をめぐる冒険）　</title>
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    <description>wiki クライムウェイヴ（Sysop読書録 活字をめぐる冒険）　</description>

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    <title>東　直己</title>
    <link>http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/4.html</link>
    <description>
      *東 直己

　すすきの便利屋、あるいはすすきの探偵、何でも屋、＜おれ＞という一人称でしか自分を語らないくせに、主義主張だけは頑固に貫き、卑しき街を闊歩する。海外小説の読者を軽く引っ張り込む、日本離れしたハードボイルドのコアにこだわる立脚点。日本の端っこの街札幌すすきのから発信する、探偵のへらず口。豪華で忘れがたい脇役陣を抱えて、素晴らしくピュアな落ちこぼれ探偵の生きざまを描く、国産小説ぴか一の痛快とペーソスとがここにある。
　大人の職業探偵・畝原シリーズ、ヒットマン榊原のシリーズと、すべて札幌を舞台にして、東直己世界は裾野を広げている。決して有名な作家ではないかもしれない。しかし強固でかたくなな読者を掴み、離さないでいるのだと思う。深く、濃い、ファンの、ぼくもその一人である。 
 
**すすきの便利屋シリーズ

-[[探偵はバーにいる　1992/05&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/5.html]]
-[[バーにかかってきた電話 1993/01&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/94.html]]
-[[消えた少年 1994/10&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/95.html]]
-[[向こう端にすわった男 1996/09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/96.html]] 
-[[探偵はひとりぼっち 1998/04&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/97.html]]  
-[[探偵は吹雪の果てに 2001/12&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/98.html]] 
-[[駆けてきた少女 2004/04&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/99.html]] 
-[[ライト・グッドバイ 2005/12&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/100.html]] 
-[[探偵、暁に走る 2007&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1410.html]]
-[[旧友は春に帰る　2009&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1633.html]]
-[[半端者　2011&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1694.html]]
-[[猫は忘れない　2011&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1693.html]]

**探偵・畝原シリーズ

-[[待っていた女・渇き 1996/12&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/103.html]] 
-流れる砂 1999/11
-悲鳴 2001/02
-[[熾火 2004/06&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/104.html]] 
-[[墜落 2006/06&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/105.html]]   
-[[挑発者 2007/06&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1187.html]]
-[[眩暈 2009/03&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1592.html]]
-[[鈴蘭　2010/06&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1656.html]]

**榊原健三シリーズ

-[[フリージア 1995/08&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/101.html]] 
-[[残光 2000/09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/102.html]] 
-[[疾走　2008/04&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1481.html]]

**ススキノ、ハーフボイルドシリーズ
-[[ススキノ、ハーフボイルド 2003 &gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/206.html]]
-[[後ろ傷　2006/10&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/227.html]]


**ノン・シリーズ

-[[沈黙の橋(サイレント・ブリッジ） 1994/04&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/205.html]]
-[[義八郎商店街 2005/02&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/207.html]]
-[[スタンレーの犬 2005/08&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/208.html]]
-[[英雄先生 2005/12&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/209.html]]
-[[抹殺　2007/05&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1164.html]]
-[[誉れあれ　2009/08&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1639.html]]

**短編集

-[[逆襲 2001&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/210.html]]
-[[死ねばいなくなる　2001/12&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/211.html]]
-[[立ちすくむとき 2004/09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/212.html]]
-[[ライダー定食 2004/09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/213.html]]

**連作短編集

-[[探偵くるみ嬢の事件簿 1997/05 &gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/214.html]]
-[[古傷 2004/11&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/215.html]]

**エッセイ

-[[札幌刑務所４泊５日 1994/09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/216.html]]
-自衛隊おとなの幼稚園 1996/04 
-[[すすきのバトルロイヤル 2000/03&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/217.html]]
-[[ススキノハードボイルドナイト 2001/04 &gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/218.html]]    </description>
    <dc:date>2012-04-09T00:18:43+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1694.html">
    <title>半端者</title>
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    <description>
      *半端者

#amazon(4150310254,right)


題名：半端者（はんぱもん）
作者：東 直己 
発行：ハヤカワ文庫JA 2011.3.15 初版 
価格：\780


　ひさびさにゆっくりとした日曜日を迎える。昨日、二回にわたって洗濯をしたので、今日は家中の掃除機がけである。暑い一日になるのかなと思いきや、午後には雨が降り出し気温が一気に低下。寒くなった。まるで体調を崩せといわんばかりの極端な天候だ。こういう日々を味わっていると、つくづく北海道に帰りたい。

　さてその北海道は札幌のススキノ探偵シリーズ最新作『半端者（はんぱもん）』読了。『バーにかかってきた電話』が映画化されることになったため、その前日譚としての本書は書かれたようだ。

　ススキノ探偵がまだ北大に籍を置いている若かりし頃の物語なので、昔のこのシリーズはそういえば回想譚として書かれていたということを思い出した。

　ローレンス・ブロックがマット・スカダーのシリーズで唯一『聖なる酒場の挽歌』を回想として描いたように。酒飲みのハードボイルドは、ノスタルジックな過去話がよく似合う。

　探偵はまだ高田の空手の手ほどきを受け始めたばかりで、シリーズの住居へと立ち退きを迫られるアパートから引っ越しをするところだ。桐原と知り合い、桜庭と知り合うシーンが、本書では印象的だ。

　ススキノの闇に明るいような顔はしていても、まだまだ若く失敗に満ちている。痛い目に遭うことも多い。そんな彼を闇の世界から鍛え上げてくれる二人の印象的なヤクザ者は、その後の作品での長いつきあいを思うと、その出会いさえ何かインパクトのあるものでなくてはならない、とでも作者は考えたのだろう。このあたりはとても丁寧に描かれているように思う。

　事件らしい事件はさして起こらない中で、唯一フィリピーナの失踪という謎だけがススキノ探偵の前に突きつけられるが、事件というより恋物語なのかな。とすると、やはり事件らしいことは起こらないまま終わってゆく一冊である。

　それでも普段以上に重たさすら感じるこの作品は、作者の筆が重かったとあとがきでいわれるように、シリーズの始まりの物語だからこその責任をどっと背負っている。いつも以上に力の入った、読み応えのある一冊となっている気がする。

（2011.5.22）    </description>
    <dc:date>2012-04-09T00:18:09+09:00</dc:date>
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    <title>猫は忘れない</title>
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    <description>
      *猫は忘れない

#amazon(4152092394,right)


題名：猫は忘れない
作者：東 直己 
発行：早川書房 2011.9.25 初版 
価格：各\1,800 


　すすきの探偵シリーズは、ちょっと前に昔の話に戻ってしかも文庫化、として話題になった『半端者』が間に挟まったせいか、最近の年取った方の「俺」がどんなだったか失念してしまい、読み始めのあたり、妙に久しぶりのシリーズだなあとの感が強かった。

　今回は、探偵の動機らしい動機が薄いのだが、何せ死体を発見してしまったというのが最初の動機である。さらにその死体である美人スナック・ママは旅行に行くと言い置いて、「俺」に猫を預けていたのだ。便利屋だから、探偵だけが商売ではない、ということを思い出させる出だしである。

　さて、今回は部屋に戻るたびに猫の気配を濃厚にまとわせながら小説は進む。

　作品はいつものように毒々しい悪の気配を匂わせながら、犯罪の底深さを描く主筋とともに、主人公の「俺」らしさをいつものように描き続ける。主人公の「俺」はいまだに携帯を持たず、行きつけのバーである＜ケラー＞を連絡先とし、その＜ケラー＞のカウンターに座ると、マスターはピースの缶とサクロンを出してくる。

　アキラさんの店というところでは飲んだくれた店主アキラさんがひっくり返って床に倒れているし、空手家の高田の店はメニューに凝っており女の子も綺麗であるらしい。ママはきれいだが店の女の子は「バレンタイン」などと酒の名前を覚えていないのが＜ラグジュアリー寛ぎスポット／ラウンジ　ゆり＞。素人の教員上がりが間違えて出してしまった＜喋りバー＞。そして目下「俺」の恋人である華の店。いろいろな風変わりな店がカラフルに入れ代わり立ち代わり出てくるし、いろいろな人種が出てきてそれぞれにその人の人生が用意されてのもこのシリーズの独特な売りであり、それはすべてのハードボイルドのシリーズに共通のものであるかもしれない。

　便利屋探偵はあいかわらずのペースで酒を飲むが、事件はより錯綜を含めてゆき、時代はより捻じ曲がった方向に向かっているような気がする。意外性のある犯人像というのはこの人の小説では珍しいのだが、最近はすべてが珍しい話ばかりになっている。巷のリアルな事件さえもが。それを思うと誠実に時代をなぞっていることになるのかな、東直己という作家は。

(2012.03.26)    </description>
    <dc:date>2012-04-09T00:12:53+09:00</dc:date>
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    <title>馳星周</title>
    <link>http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/231.html</link>
    <description>
      *馳 星周

**不夜城シリーズ

-[[不夜城　1996&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/717.html]]
-[[鎮魂歌（レクイエム）　-不夜城II-　1997&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/718.html]]
-[[長恨歌  -不夜城 完結編-　2004&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/719.html]]

**長編小説

-[[夜光虫　1998&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/720.html]]
-[[漂流街　1998&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/721.html]]
-[[虚の王　2000&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/722.html]]
-[[雪月夜　2000&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/723.html]]
-[[ダーク・ムーン　2001&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/724.html]]
-マンゴー・レイン　2002
-[[生誕祭　2003&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/725.html]]
-[[楽園の眠り　2005&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/235.html]]
-[[トーキョー・バビロン　2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/234.html]]
-[[ブルー・ローズ　2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/233.html]]
-[[弥勒世（みるくゆー）　2008.02&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1492.html]]
-[[9・11倶楽部 2008.07&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1494.html]]
-[[煉獄の使徒　2009.05&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1653.html]]
-[[沈黙の森　2009.10&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1654.html]]
-[[エウスカディ　2010.09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1672.html]]
-[[淡雪記 2011.02&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1692.html]]
-[[光あれ　2011.08&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1691.html]]
-暗闇で踊れ　2011.12

**連作短編集

-[[約束の地で　2007.09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1316.html]]
-[[やつらを高く吊るせ　2008.05&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1493.html]]

**中・短編集

-[[Ｍ(エム)　1999&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/726.html]]
-[[古惑仔(チンピラ)　2000&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/727.html]]
-[[クラッシュ　2003&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/728.html]]    </description>
    <dc:date>2012-04-01T18:59:56+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1692.html">
    <title>淡雪記</title>
    <link>http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1692.html</link>
    <description>
      *淡雪記

#amazon(408771375X,right)


題名：淡雪記 
作者：馳 星周 
発行：集英社 2012.2.28 初版 
価格：各\1,800 


　前半は、馳の作品と知らなければ気づかないほど、抒情的でオーソドックスな純愛小説のようであった。世間から隔絶した感のある真冬の道南は大沼にある別荘地。もちろん人がほとんどいない別荘地から、見上げる蝦夷駒ヶ岳。大沼のハクチョウたち。四季、道南でも仕事をしていたぼくは、この地域にも土地勘がふんだんにあって、今でもその土地の風のにおい、雪のきらめき、星の冷たい輝きなどなどを、懐かしむことができる。

　不思議な符号だな、と思ったのが、この正月アナログにとうとう見切りをつけてデジタル一眼レフを買い込んだこと。カメラを持ち歩いて北海道を写し込んでゆく楽しみに心を奪われていた正月休みであったこと。そして本書の主人公がデジタル一眼レフにすべてを注ぎ込んで、大沼の野性を切り取り続けていることである。本を読み始めた当初から、ああ、これはちょうどよいときに読むことができたな、と思った。昔はカメラマニアは暗室を家の中に設けて、その中で自分で現像を愉しんだものだが、今では、パソコンに取り込んだ画像データをレタッチソフトで調整して、プリンターで出力する作業に切り替わっている。

　後に写真家になった中学時代の友人の家で、敢えてモノクロで撮ったフィルムを現像し、カメラの露光ばかりではなく、フィルムの感度や焼きつけの深度によっても、写真はいろいろな風にアウトプットされるのだと知って、赤い光の中で驚かされた記憶がよみがえる。光と影だけでなされる魔術の世界だった。

　そんないわばカメラ小説のようなスタートから次第に、写す対象として出会ってしまう知的障害者の美少女との恋愛へと、物語は移行する。最後は、ようやく馳ならではのノワールとなって、壮絶な暴力で幕を閉じてゆくのだが、全体が人気のない大自然の中での一人称文体であるだけに、どの作品よりもリリシズムの感じられる、美しい作品である。

　少し前に『沈黙の森』で軽井沢の別荘地を舞台にしたスリラーを書いているが、そこに重なる部分が本書には残る。既視感（デジャヴ）を感じさせないでもない。

　最近、練度を増してきた馳星周である。もうすっかり身を任せることのできる小説世界を構築してくれるようになった。元は自分に近いところで一緒に酒を飲み、呻きあっていた坂東齢人という二十代の若者が、ここまで切れ味のある作家になってしまうとは。ますます遠ざかる友人の背中をぼくは眩しげに見つめなおすばかりである。

（2012.01.16）    </description>
    <dc:date>2012-04-01T18:56:34+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1691.html">
    <title>光あれ</title>
    <link>http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1691.html</link>
    <description>
      *光あれ

#amazon(4163807802,right)


題名：光あれ 
作者：馳 星周 
発行：文芸春秋 2011.08.30 初版 
価格：各\1,400


　ますますもともとの馳星周イメージから離れている。
　作者名にマスクをしたら、これが誰の作品なのだかわからないだろう。　ハードボイルドでもないし、ノワールでもない。同窓会を起点にした青春回顧小説（つまり中年小説）という無理矢理のジャンル付けをするしかないだろう。鳴海章の『凍夜』という作品に類する。『凍夜』は帯広に戻ってきてクラス会に出て青春のあれこれをつなぎ合わせる物語だ。それに類するが、どちらかといえば、ぼくは鳴海章の『凍夜』や『風花』ほどには、馳の本書は長く心に残らないだろうなとの読後感がある。

　馳星周が、なぜ原発のある街をテーマに書いたのか、あるいはなぜ北海道の泊ではなく、敦賀を舞台にしたのか、作家と題材の繋がりの希薄さを感じざるを得ない。そしてただただ重く、暗く、そこに何らかの処方も施されていないばかりか、なぜそれが書かれなければならないかがわからないし、テーマもモチーフもわからないし、さらに言えば、あまり面白くはない。

　人生の達人が人生の重たさを粛々と語り紡ぐ嘆き節のような一冊であり、そこに『光あれ』というタイトルは、最低限の作家の譲歩と言える救いなのかな。どの登場人物も幸福にほど遠いように思われ、その中で恋愛も死も、連作短編という形だからこそ中途半端で語り切れていない居心地の悪さを感じる。

　いろいろな制限があったとするならば、また何度でも脱馳ノワールへの果敢なトライを続けてほしいし、そうした新ジャンルでの成功を願う。

(2012.01.12)    </description>
    <dc:date>2012-04-01T18:53:00+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/232.html">
    <title>誉田哲也</title>
    <link>http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/232.html</link>
    <description>
      *誉田哲也

**刑事・姫川玲子シリーズ

-[[ストロベリーナイト2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/239.html]]
-[[ソウルケイジ 2007&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/403.html]]
-[[シンメトリー（連作短編集）　2008&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1468.html]]
-[[インビジブル・レイン　2009.11&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1635.html]]
-[[感染遊戯　2011.03&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1684.html]]

**ジウ・シリーズ

-[[ジウ　Ｉ　警視庁特殊犯捜査係［SIT］　2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/240.html]]
-[[ジウ　II　警視庁特殊急襲部隊［SAT］　2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/241.html]]
-[[ジウ　III　新世界秩序［NWO］　2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/242.html]]

***スピン・オフ作品

-[[国境事変 2007&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1421.html]]
-[[歌舞伎町セブン 2010.11&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1667.html]]

**疾風ガール・夏海シリーズ

-[[疾風ガール　2005&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/238.html]]
-[[ガール・ミーツ・ガール 2009&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1595.html]]

**女子剣道部　早苗＆香織シリーズ

-[[武士道シックスティーン 2007.07&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1322.html]]
-[[武士道セブンティーン　2008.07&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1522.html]]
-[[武士道エイティーン　2009.07&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1634.html]]

**長編小説

-ダークサイド・エンジェル紅鈴　妖（あやかし）の華　2003
-[[アクセス　2004&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/237.html]]
-吉原暗黒譚　2004
-[[春を嫌いになった理由（わけ）　2005&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/338.html]]
-[[月光　2006&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/236.html]]
-[[ハング　2009.09&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1631.html]]
-[[主よ、永遠の休息を　2010.03&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1649.html]]
-世界で一番長い写真　2010.08
-[[レイジ 2011.07&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1689.html]]


**連作短編集

-[[ヒトリシズカ　2008.10&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1519.html]]
-[[ドルチェ 2011.10&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1690.html]]    </description>
    <dc:date>2012-04-01T18:44:10+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1690.html">
    <title>ドルチェ</title>
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      *ドルチェ

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題名：ドルチェ
作者：誉田哲也 
発行：新潮社 2011.07.15 初版 
価格：\1,476


　誉田版＜女刑事＞第三のシリーズが登場、ということで浮き浮きして読む。

　カバーのキャッチコピーは以下の通り。

　「練馬署強行犯係、魚住久江、四十二歳。肩身の狭い喫煙者、自分的には独身貴族。不器用なオトナの新ヒロイン登場！」

　たまらないコピーに惹かれて相当の気負いを持って挑むと、何と、短編のシリーズである。この作者の短編はあまり心当たりがない。唯一の連作短編集が『ヒトリシズカ』だが、あれは全部合わせての長編作品みたいなものだ。最近『あなたの本』という短編集がようやく出たものの、こうしたしっかりした短編設定のシリーズというのが、今回、とても心憎い方式のように思われる。

　だって、海外の作家みたいだからだ。海外の有名どころのミステリ作家は、長編用主人公のほかに、短編用の主人公をよく作り出す。長編とは分けて、短編ならではの味わいをその主人公に持たせるのだ。無論、短編小説は難しい。わずかなページ数で読者をうならせる何かがなければ、そう簡単に用意できるものではない。

　誉田哲也という、最近になって映像化が目立ってきた作家にして、今、小説の作法としての基本を問われる短編集をこうして生み出してゆくことこそ、この作家の里程標（マイルストーン）になるのだろう。そんな重要な作品としてぼくは捉えたし、作品集はしっかりその重要性に応えているようにぼくは思う。

　何よりもこの女刑事の設定。存在感。リアリティ。時代を背景にしっかりと背負った、アラフォー刑事の孤独な生き様も然り、強行犯係にいる理由が、死んだ人間よりもこれから殺されるかもしれない人間の命を一つでも多く救うというところにある点も斬新かつ独自。この作家ならではの目の付け所が随所に生かされ、作品としても丁寧な仕上がりが好ましい。

　売れ始めた今だからこそ、誉田ワールドの足固めは必要である。そんな時期に相応しい一人のヒロインの造形を、ずっと追跡してやまないこの作家の将来性に向けて確実に受け止めてみたいと思う。

(2012.03.11)    </description>
    <dc:date>2012-04-01T18:43:10+09:00</dc:date>
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    <title>レイジ</title>
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      *レイジ

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題名：レイジ
作者：誉田哲也 
発行：文芸春秋 2011.07.15 初版 
価格：\1,476



　青春バンド小説、である。

　そもそもこの作者に出会ったのは、２００５年の『疾風ガール』。中ノ森文子をカバー写真に据えた、ガールズ・バンドの青春ミステリー小説であった。

　原点回帰か？　それとも『武士道シックスティーン』の乗りの荒手の青春小説か、とそれなりに楽しみに読み始めると、いい意味でそれらすべてが裏切られてゆく快感がある、やはり作者ならではのこだわりロック・バンド青春小説は、独自なカラーに終始しているのであった。

　まず時代設定が古いというのが嬉しい。今を背景にしているのではなく、あのロック黄金時代を背景にしているのである。そんなバンドの中でいきなり主役の二人が仲間割れする。リーダーのワタルはロックの歴史にのめり込むようにコピー・バンドとしての腕を磨く道をまっすぐに進む。一方、歌と声質に恵まれた礼二は、オリジナルの歌へのこだわりが強く、バンドを脱退、ロックとは少し遠いが自作曲を少しずつ蓄えてゆく。どちらも主義主張が激しい中、時代のうねりは、少しずつ彼らに影響を及ぼしてゆく。

　そう、青春の苦い時期と、８０年代という作者等身大の時代背景とを重ねた、これはノスタルジイ薫る音楽小説なのだ。

　嬉しいなあと思ったのは、ぼく自身が二十歳という年齢である大学の音楽サークルを脱退したときが、才能はともかく理由がレイジと同じであるということ。アメリカン・トラッドにこだわったスイング・アウト形式の音楽サークルに入ったのは、そもそも他にバンド活動をすべきサークルがぼくの大学になかったから。外部で音楽活動を続ける亡き友人の影響も強かったかもしれない。オリジナルにこだわるぼくは、サークルを脱退して、自分の曲を作り、ライブに臨んだものだった。今ではそんな気力が薄らいでいるが、いずれはそんな時代に戻りたいという意欲はどこかに仕舞い込んであるような気がする。

　閑話休題。二人は一線を画しつつ、決して交わることのない道を歩んでゆくのだが、音というものの魅力をこの小説はとことん語ってゆく。人間臭さも泥臭さも、人の強さも弱さも、なんだか、恰好をつけないままの裸の小説みたいに無骨で、親しみやすい。

　クライマックスは二人の交点になるのだけれど、そこに至る道程の複雑さが、やはり青春小説の書き手である作者のうまみなんである。

　ギターやマイクを持ったことのあるあなた、ライブステージの記憶が残像としてあるあなた、におすすめのロック魂がここにある。

(2012.03.12)    </description>
    <dc:date>2012-04-01T18:16:31+09:00</dc:date>
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    <title>雫井脩介</title>
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      *雫井脩介

**長編小説

-栄光一途　2000
-虚貌　2001
-白銀を踏み荒らせ　2002
-[[火の粉　2003&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1257.html]]
-[[犯人に告ぐ　2004&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1258.html]]
-[[クローズド・ノート　2007&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1323.html]]
-[[ビター・ブラッド　2007&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1388.html]]
-[[犯罪小説家　2008&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1518.html]]
-[[殺気！ 2009&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1622.html]]
-[[つばさものがたり　2010&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1678.html]]
-[[銀色の絆　2011&gt;http://www21.atwiki.jp/fadv/pages/1688.html]]    </description>
    <dc:date>2012-04-01T17:39:35+09:00</dc:date>
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