ピーターMC
「自分が虹の彼方に行こうとしているなんて想像もしませんでしたね。」
ここでマリオン登場して、ピーターが報告「「ライザってすごく才能あるんだ。ママに見せたいよ。」「もう家族同然なんだ。(ジュディは)ラメの服着てるけどね。」
マリオンは「ニューヨークで活動するなら、あちらで暮らすのも悪くないわね」と答える。
第5場
60年代。ピーターとライザのマンション
ジュディとライザがソファに座りトランプをしている。ジュディは紫色ラメ入り上着と同色パンタロン。ライザは薄いピンクのパンツスタイル、同色のカチューシャ。ショッキングピンクのカーデガン。
ジュディのズル(カードを捨ててない、捨てたという)を巡ってじゃれ合いのような口論の後、ライザはジュディに自分の公演を見に来て欲しいと頼むが、ジュディは自分が行くと目立ち過ぎるから、練習を見に行くという。「地味に、目立たないように、こっそりと」。
「ストロベリー・ダイキリ作ったよ」
そこへピーターがストロベリーダイキリをトレイに載せて登場。藤色Vネックのセーター。
ライザは「ワァー何でも出来るんだ、あなたって。」と感嘆するが、ジュディは「イチゴをこちょこちょっと刻むだけ。」と茶々を入れる。
ピーターとライザはジュディそっちのけで甘く語り合っている。ライザの稽古の様子を聞くピーター。オーディションの結果を尋ねるライザ。採用されてこれからの活動のことを告げ2人で喜ぶのを斜め視線で見ていたジュディ「巣離れの早いこと!」と皮肉っぽく言う。
ピーターは下手に置いてあるグランドピアノの上に腰掛け、けんか腰で「あんたも一日でいいからジュディ・ガーランドの前座をやってみなよ。客が聞いてくれるだけありがたいと思うから。あんたの客のブーイングにはもう飽き飽きだよ。」と言う。
ジュディ「そうよ。私は客に血と肉を与えているの。あんたは何も与えて居ないじゃないの」
ピーター「あんたの客は吸血鬼だよ」
ジュディは「そんな客でも私から取るつもりなんでしょう」と言ってから「あんたもそうよ。以前パラディアム劇場に一緒に出た時なんか、私より最後の音を延ばして目立とうとするんですからね。あんたは歌で母親を殺す気?」と矛先をライザに向ける。
ピーターは「台本通りだったじゃないか」と反論。ライザはピーターに駆け寄り助けを求める。ピーターライザを守るように抱きしめる。
そして、ジュディは「田舎者の色男。この男には気をつけるのよ。野心が強すぎる」とライザに忠告。
♪DON'T WISH TOO HARD(高望みは禁物)♪(ジュディ)
ジュディ退場の後、ライザ「まるで泥沼の中を泳いでいるようだわ。おまけに私はいっぱい大荷物を抱えている」とおびえる。ピーターは「そんな物誰にだってあるさ」と平然としている。「私はあの人の娘よ。怖くないの?」と言うライザに対して、「俺にだって母親は居る」と答えるピーターがライザには頼もしそう。
♪COME SAVE ME(救い出して)♪(ライザ&ピーター)
2人のデュエットの後、ライザ上手へ退場。
ピーターMC「さぁて、どうすべきか。男なら。。。」
(上手にマリオン登場)
マリオン「結婚するの?」
ピーター「うん、永住許可も取れるし、もしかするとレコードも出せるかもしれない」
マリオン「愛してるの?」
ピーター「もちろんさ。もちろん愛してるよ。」
マリオン「・・・愛しているならそれが一番なんだから」
下手からジュディ登場(エメラルドグリーンのスーツ)
ジュディ(いつになく冷静な態度で)「結婚するの?」「何が人生を駄目にするか分かっている?生物学。頭じゃ女を求めていても、からだは女じゃ満足できない。ハートは金星、ちんちんは火星」
ピーター「それ生物学じゃなくて天文学だろ」
ジュディ「今までさんざんオカマの惑星を渡り歩いてきた私の唯一の誇りがライザなの。正しいことをしてきたんだ、っていう証みたいな。あなたごときに台無しにされたくないのよ」
ピーター「あんたじゃなくて、ライザと結婚するんだ」
ジュディ「もれなく私が付いていくのよ」(ギャグ風に)
ジュディ 静かに下手へ退場。
ピーター 第6場のMCへ続く。